自損事故(単独事故)を起こして車に損害が生じた場合、その修理費用は車両保険の補償の対象となるのでしょうか。自損事故(単独事故)でも補償を受けることができる車両保険の種類や、車両保険の使い方についてご説明します。
※2021年10月執筆現在
自損事故(単独事故)とは、自分の運転ミスに起因した相手が存在しない事故のことです。ハンドル操作を誤り、ガードレールや家屋へ衝突した場合などが自損事故(単独事故)に該当します。
車両保険は、自分の車が事故などで損害を受けた場合の修理費用などを補償する保険ですが、車両保険の中には、自損事故(単独事故)を補償対象外と設定しているプランもあります。
車両保険には、ほとんどの事故を補償の対象とする「一般型」と補償の対象を制限することで保険料を割安に設定している「限定型」があります。
一般型の車両保険では、自損事故(単独事故)によって自分の車に生じた損害に関しても補償を受けることができます。しかし、限定型の車両保険では自損事故(単独事故)は補償の対象外となります。
車両保険を付帯している場合でも、どちらのタイプの車両保険を付けているかによって自損事故(単独事故)での補償が受けられるかどうかが変わってきます。
なおチューリッヒの場合、一般型の車両保険は「ワイドカバー型」、限定型は「限定カバー型」と呼んでいます。
一般型の車両保険を付帯している場合であっても、すべての自損事故(単独事故)について車両保険を利用した方がよいわけではありません。
損害の程度によっては、車両保険を使わない方がよいケースもあります。
任意保険の中には、保険を使うことで翌年度のノンフリート等級に影響を与えるものがあります。
車両保険は、保険を使うと等級が下がり、等級が下がると保険料は高くなります。
車両保険を使う場合にダウンする等級は事故の種類によって異なり、1等級下がる場合と3等級下がる場合があります。
1等級下がる「1等級ダウン事故」には、盗難や台風、いたずら、飛び石などによる損害が該当します。
一方、「3等級ダウン事故」は電柱にぶつかった場合や対向車と衝突した場合などの事故が該当します。
車庫入れの際に壁に車をぶつけて車に傷が付いてしまった場合、車両保険を使用して車を修理しようとすると、この事故は3等級ダウン事故に該当します。
したがって、車両保険を使用した場合は翌年度の保険料は高くなります。
このとき、車両保険を使用したことによって生じる保険料の増額分と車の修理代金を比較すると、軽微な事故の場合には車の修理代金の方が安くなることがあります。
自損事故(単独事故)で車両保険を使う際には、修理費用と翌年度以降の保険料の増額分を比較し、どちらの方が自分の負担額を抑えることができるのかを考えてみましょう。
判断が難しいような場合には、修理工場などで修理費用の目安を確認するとともに保険会社にも翌年度の保険料を確認することをおすすめします。
補償する事故の範囲が広い一般型(ワイドカバー型)の車両保険では、自損事故(単独事故)による車両の損害も補償を受けることができます。
ただし、車両保険を使うと翌年度の等級がダウンするため、保険料も高くなります。
そのため、軽微な事故の場合には自費で修理を行った方がよいケースもあります。
まずは修理費用と保険料の増額分を比較して、どちらのほうが自己負担額を抑えられるのかを確認しましょう。
そのうえで、自損事故(単独事故)で車両保険を使用するかどうかを判断することをおすすめします。
最後に車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をぜひご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※記載の情報は、2021年10月時点の内容です。
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