車両保険を付帯する際には、免責金額をいくらにするか決める必要があります。
車両保険の免責とは、どのようなものなのでしょうか。
車両保険の免責についてご説明します。免責金額0円と免責ゼロ特約についてご説明します。
※2024年8月執筆現在
免責とは、その言葉が表す通り、責任を免れるという意味の言葉です。
損害が発生した場合であっても、保険会社が保険金を支払う責任がないことを指します。保険金が支払われない範囲は、「免責事項」と呼ばれています。
免責事項は車両保険だけでなく、対物補償や対人補償などにも設定されています。
免責事項は重要事項説明書や約款に明記されていることが多く、免責事項に該当する分の損害については保険を契約している被保険者が自分で負担をすることとなります。
車両保険とは、自分の車の損害に備える保険です。
たとえば、事故などによって車が故障したり、破損したりしたときにその修理費用を補償してくれるのが車両保険です。
車両保険の免責事項には、地震や噴火、津波などが該当します。
ただし、台風や火災、洪水などによる車の被害は、車両保険で補償されます。
また、チューリッヒの場合は、腐食やさびなど自然消耗、被保険者の故意によって生じた損害なども免責事項として規定しています。
車両保険には前述した免責事項の他に、保険会社が保険金を支払う損害に該当するケースでも「免責金額」というものが定められている場合があります。
免責事項には該当せずに補償の対象となる車両の故障や傷などの修理であっても、被保険者がその費用の一部を負担することがあります。
その際、被保険者が負担する金額のことを「免責金額」といいます。
免責金額は少額の損害における保険会社の事務負担や、被保険者の保険料負担を軽減することなどを目的に設定されています。
車両保険の免責金額は、保険会社や契約内容によって金額の設定に違いがあります。
保険会社によっては、一定の範囲に設定された金額から希望する免責金額を選択できる場合もあります。
たとえば、免責金額が5万円のときには、事故によって30万円の修理費用が発生した場合、保険金として25万円が支払われ、自己負担金額は5万円となります。
個人で加入した方や小規模事業者は、ノンフリート契約という車両毎に個別の契約を交わすことになります。ノンフリートユーザーにはノンフリート等級という保険料の割増引率が適用されます。
ノンフリート等級とは運転する方の履歴により、事故リスクの高さを区分したものを指します。等級の数字が大きいほど、事故のリスクが低いと判断されています。
ノンフリート等級によって、以下のように免責金額を設定しています。
適用の等級 | 免責金額 | |
---|---|---|
第1回目の車両事故 | 第2回目以降の車両事故 | |
7から20等級 | 5万円 | 10万円 |
1から6等級 | 7万円 | 10万円 |
免責金額をいくらに設定すべきか悩むケースも多いかと思いますが、チューリッヒの場合はあらかじめ免責金額を設定しているため、被保険者自身が免責金額の設定に悩む必要はありません。
免責金額とは被保険者が自分で負担する金額のことです。
免責金額を高く設定すると保険会社が支払う補償金額が低くなります。
つまり、保険会社にとっては負担が少なくなります。したがって、免責金額を高い金額に設定すれば保険料を安く設定することができるのです。
保険会社から保険金の支払いを受けると、原則として等級が下がることとなるため、翌年度以降の保険料は高くなります。
そのため、軽い事故の際には保険を使わずに自分で支払うことで等級を下げないという方法もあります。
ただ、事故の際の自己負担をできるだけ低くしたいと考える場合は、免責金額を低く設定したほうが安心です。
チューリッヒでは1回目の事故に限り車両保険の免責を0円にする免責ゼロ特約を付帯することも可能です。免責ゼロ特約については、後ほど詳しくご説明します。
車両保険について調べていると、車両保険の免責ゼロというキーワードを目にすることがあります。
車両保険の免責ゼロとは、どういうことなのでしょうか。
保険会社によっては、車両保険の免責を0円に設定できる場合もあります。
ただし、車両保険の免責金額を低く設定する場合には保険料が高くなるため、免責金額を0円に設定する際には保険料にご注意ください。
保険の支払い対象となる車両が事故によって故障や破損が生じ、修理が必要となった場合に、1回目の事故に限って契約期間中の被保険者の自己負担額を0円とする特約があります。
この特約が、免責ゼロ特約と呼ばれるものです。
チューリッヒでは、免責ゼロ特約と免責ゼロ特約(車対車)の2種類の特約を用意しています。免責ゼロ特約と免責ゼロ特約(車対車)には以下のような違いがあります。
1回目の事故の免責金額が0円です。
事故の形態にかかわらず、当て逃げなどの相手がわからない事故に対しても自己負担金が発生しません。
車対車の接触や衝突による事故で車両に損害が生じた場合で、相手の車の所有者や運転者が確認された場合にのみ1回目の事故の免責金額が0円とあります。
つまり当て逃げのような相手がわからない場合は、1回目の事故であっても免責金額は0円となりません。
また、免責ゼロ特約を付帯するためには条件があります。ノンフリート等級が7〜20等級の方で、1回目の事故の免責金額が5万円の車両保険に加入している方が対象となります。
ノンフリート等級が1〜6等級までの方は、付帯することができません。免責金額は、車の一部が損傷を受けた場合に限って発生するものです。
そのため、車が事故によって全損扱いとなってしまった場合には免責金額は発生しないため、免責ゼロ特約の付帯の有無にかかわらず免責金額は発生しません。
車両保険の免責とは、損害が発生した場合であっても保険会社が保険金を支払う責任がないことを指します。
保険金が支払われない範囲は免責事項と呼ばれており、戦争や地震、噴火などによる車の損害などが該当します。
また、保険の支払い対象となる損害の場合でも、一部の費用を被保険者が負担することがあり、この自己負担額は免責金額と呼ばれています。
免責金額を抑えたい場合には、免責を0円に設定するか免責0特約を付帯するなどの方法を選びましょう。
最後に車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をぜひご検討ください。万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※記載の情報は、2024年8月時点の内容です。
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