更新日:2023年7月6日
公開日:2018年3月19日
自動車保険の特約は、基本補償に加えてオプションで付帯するものです。特約には、補償を充実させるものと、補償範囲を限定して保険料を節約できるものがあります。
自動車保険の特約について、おすすめの特約一覧と補償内容、必要のない特約の判断の仕方についてご説明します。
自動車保険は「基本補償」と「特約」で構成されており、基本補償をベースに必要な特約を追加します。
基本補償は「自動車保険を契約したときに自動付帯される」一方で、特約は「自分で選択して加入する」という性質を持つ点が特徴です。
基本補償は、自動車保険に加入すると自動的に付帯されるものです。保険会社によって基本補償の内容は異なりますが、チューリッヒの場合の基本補償をご説明します。
対人賠償保険 | 契約する車を運転中に事故を起こし、相手をケガ・死亡させてしまった場合に、相手の治療費や慰謝料などを補償する保険 |
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対物賠償保険 | 契約する車を運転中に事故を起こし、他人が所有する車や家屋・所有物を壊してしまった場合に、修理費用などを補償する保険 |
人身傷害保険 | 契約する車に搭乗中に自動車事故にあい、ケガ・死亡した場合に保険金が支払われる保険 |
人身傷害定額払保険 | 契約する車に搭乗中の方が、自動車事故によりケガ・死亡した場合に、あらかじめ定められた保険金が支払われる保険 |
保険契約は、基本となる部分の「主契約」と、主契約に付随する「特約」の部分とで成り立っています。
主契約で補償されない不足部分を補い、補償内容をより充実させることが特約の目的です。特約はあくまでもベースである主契約に付加するものですから、特約だけを単独で契約したり、補償期間を主契約より長くしたりすることはできません。
特約の種類は保険会社により異なりますが、チューリッヒの場合は以下のような特約があります。
対物超過特約 | 相手方の車に時価額を超える修理費用が発生したときの補償 |
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車両保険の免責ゼロ特約 | 事故により車両保険を使う場合、ご契約期間中1回目の事故に限り免責金額をゼロ(0円)にする特約 |
車内身の回り品特約 | 車両保険では補償の対象とならない、車載の身の回り品に生じた損害に対する補償 |
代車提供特約 | 車両保険金をお支払いする事故で、被保険自動車の修理または買替えが必要となり、かつ、被保険者が代車を使用することが必要になった場合に代車を手配・ご提供 |
地震等による車両全損一時金特約 | 地震・噴火・津波によって車が損害し、全損となった場合に、記名被保険者に50万円が支払われる特約(※1) |
原付特約 | 原動機付自転車を運転中に相手の方にケガを負わせてしまったり、相手の物を壊してしまった場合や、ご自身がケガをされた場合の補償 |
他車運転危険補償特約(自動付帯) | 他人の所有する自動車を借りて運転中に事故が発生した場合、他車運転危険補償特約(人傷型)が適用され、対人・対物事故、また被保険者が死傷したり後遺障害を被った場合について補償 |
傷害特約 | 保険契約車両に乗っていないときのケガにより死傷した場合に、死亡・後遺障害保険金、入院・通院保険金、手術保険金が支払われる特約 |
弁護士費用等特約 | 自動車事故により、補償の対象となる方が死傷したり、物を壊されたりした場合に、相手方へ損害賠償を請求するために必要となる弁護士費用や訴訟費用などに対して補償 |
個人賠償責任補償特約 | 自転車で他人にケガをさせた、買い物中に誤って商品を壊したなど、日本国内での日常生活で起こりうる偶然な事故により他人に損害を与え、損害賠償責任を負った場合に補償する特約 |
地震等による死亡一時金特約 | 地震・噴火・津波による傷害が原因で、被保険者(※2)が事故の日を含む180日以内に亡くなった場合、被保険者の法定相続人に対して被保険者1名につき300万円が支払われる特約 |
ファミリーケア特別見舞金特約 | 被保険者(※3)に対して、人身傷害定額払保険または搭乗者傷害保険で死亡保険金または後遺障害保険金(後遺障害1等級から3等級まで)が支払われる場合に、1名につき100万円が支払われる特約 |
※1 車両保険金額が50万円未満の場合は車両保険金額と同額をお支払いします。この特約における「全損」とは、運転者席の座面を超える浸水を被った場合など、ご契約のお車の損害の状態が約款に定める基準に該当する場合をいいます。
※2 被保険者の範囲はご契約のプランにより異なります。
※3 記名被保険者、配偶者および記名被保険者または配偶者の父母または子をいいます。
これらの特約を契約者自身が必要なものを選んで付帯するしくみです。特約で支払われる保険金額は、特約の種類や補償範囲によって変わります。
特約の必要性は、運転する方のライフスタイルや車の種類、車の年式などにより異なります。そのため、特約の種類や内容を把握したうえで、自分にとって必要かどうかを見極める必要があります。なかには、基本補償さえカバーできれば特約はいらないと考える方もいるでしょう。
また、補償をより充実するための特約を付帯するとその分保険料が高くなるので、毎月支払う保険料の予算に合わせて選ぶことも大切です。
自動車事故で相手の方を補償するための特約をご説明します。
チューリッヒの対物超過特約とは、相手の車に時価額を超える修理費用が発生したときの補償です。
基本補償に含まれる「対物賠償保険」では、時価額を超える修理費用が補償されないため、超過分の修理費用を求められる可能性があります。対物超過特約を付帯することで、超過分の修理費用も補償されます。
補償されるおもなケース
事故により自分の車の修理や買い替えが必要になったときは「車両保険」を利用できます。修理や買い替えなどにかかる費用負担を軽減できる特約を見ていきましょう。
車両保険で事故により車を修理する際に、修理費用から免責金額(自己負担額)を差し引いた金額が保険金として支払われます。免責ゼロ特約は、車両保険に付随するものであり、車両保険の免責金額を0円にする特約です。
免責ゼロ特約を付帯すると修理費の負担額を減らせるので、事故が起きてもできるだけ自己負担したくない人に向いています。
チューリッヒの「免責ゼロ特約」は、当て逃げなど相手がわからない事故による免責金額もしっかりカバーします。ワイドカバー型の車両保険にのみ付帯できます。
一方「免責ゼロ特約(車対車)」は、相手がわからない事故の場合に免責金額は0円となりません。ワイドカバー型、限定カバー型いずれの車両保険にも付帯できます。
ただし、免責ゼロ特約を付帯するには「7等級以上」「1回目の事故のみ」などの条件があるので、加入前に確認しておきましょう。
チューリッヒの車内身の回り品特約は、車両保険では対象とならない「車に積んでいる荷物など」の損害をカバーする特約です。
破損した荷物の修理費または減価償却分を差引いた額(保険価額)が支払われます。高価なものを積んでおくことが多い方や、多くの荷物を運ぶことが多い方に向いているでしょう。なお、チューリッヒでは、免責金額が1事故につき5,000円です。
車内身の回り品特約が補償されるケース
被保険者の故意または重大な過失により損害が発生した場合や、紛失・盗難した場合など、補償対象外となるケースもあります。
チューリッヒの代車提供特約は、事故で車の修理や買い替えが必要になり代車を使用することになった場合に、保険会社が代車を手配・提供する特約です。
通勤や送迎などで車を日常的に利用する機会がある方に便利な特約です。
代車提供特約が補償されるケース
チューリッヒの地震等による車両全損一時金特約は、地震、噴火、津波の影響で車に損害が発生し、全損したとき保険金額が支払われるというものです。車両保険では、地震や噴火、津波による損害は補償対象とならないため、この特約に加入していることで災害による車の被害に備えられます。
地震等による車両全損一時金特約が補償されるケース
新車特約は、新車の購入後に事故などで車に損害が発生したときに車の購入費用を補償するものであり、チューリッヒでは取扱いのない特約です。
車の修理や買い替え費用は車両保険でも補償されますが、車両保険の補償額は時価額までの限度があります。一方で、新車特約は購入時の価格から時価額を差し引いた差額分が補償されるため、車を購入したときと同じ金額が受け取れます。
修理費用が高額になりやすい高級車を購入した方や、免許を取りたてで新車購入した方に向いている特約でしょう。
特約には、原付や他人の車を運転中に起こる事故を補償するものもあります。
チューリッヒの原付特約は、自分自身や家族が原付運転中に事故を起こした場合に受けられる補償です。補償範囲は「人傷型」と「自損型」の2種類があり、人傷型では事故の相手と自分自身のケガ、自損事故により他人の物を破損してしまった場合も補償されます。
利用しても等級への影響はありません。
チューリッヒでは「原付特約」と呼んでいます。ファミリーバイク特約という特約名で提供している保険会社もあります。
補償されるおもなケース
なお、原付特約の対象となるバイクは排気量125cc以下の原付であるため、125ccを超える排気量のバイクは補償対象となりません。
チューリッヒの他車運転危険補償特約(他車運転特約)とは、友人の車やレンタカーなど、契約車以外の車を運転中の事故を補償する特約です。
たとえば、友人の車を運転中に事故を起こしてしまった場合、車の所有者である友人が加入している自動車保険で損害を補償することになります。保険金を受け取ることで等級が下がり、保険料が高くなるため、友人に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。自分が他車運転危険補償特約に加入していれば、自分の保険で補償することが可能です。
補償されるおもなケース
友人やパートナーなど、家族以外の車を運転する機会がある方は加入を検討してみましょう。
特約には、車に乗っていないときのケガやトラブルを補償するものもあります。日常に関する特約の有無や内容は保険会社によってもさまざまです。ここでは、日常生活を補償する特約にどのようなものがあるかご説明します。
チューリッヒの傷害特約は、車に乗っていないときのケガを補償する特約であり、おもに日常生活におけるケガやトラブルを補償するものです。傷害特約は補償範囲を選択でき、チューリッヒであれば「本人」「本人と配偶者」「家族(本人+配偶者+同居の家族+別居の未婚の子)」から選べます。
補償されるおもなケース
なお、傷害特約は生命保険や火災保険でも扱っている保険です。自動車保険の特約で加入する場合は、他の保険と補償内容が重複していないかを確認しておきましょう。
チューリッヒの弁護士費用等特約(弁護士費用等特約)は、人身事故や物損事故の被害者になったときに、車やモノの損害、ケガによる賠償請求をする際の弁護士費用や訴訟費用に対して保険金が支払われる特約です。
弁護士費用のなかには、訴訟費用、仲裁費用、和解費用、調停費用があり、法律に関する相談の費用も補償されます。
弁護士費用等特約が補償されるケース
ただし、被保険者の故意や重大な過失による損害や、地震・噴火・津波によって生じた被害は補償対象外となります。
チューリッヒの個人賠償責任補償特約は、日常生活のなかで偶然他人にケガをさせたり、他人のものを壊してしまったりしたときに発生した損害賠償金を補償する特約です。相手に損害を与えてしまう想定外のトラブルに備えられます。
自転車運転中の事故も補償されるため、本人や家族が自転車に乗り、通学、通勤、送迎などをしている方におすすめです。
個人賠償責任補償特約が補償されるケース
個人賠償責任補償特約は、生命保険やクレジットカードの保険などですでに加入しているケースもあります。自動車保険の特約で加入する際は、事前に他の保険で重複がないか確認しておきましょう。
チューリッヒの地震等による死亡一時金特約は、地震、噴火、津波による傷害が原因で、被保険者(※)が事故の日を含め180日以内に亡くなった場合、被保険者1名につき300万円を被保険者の法定相続人に支払れます。
補償範囲を選択できるので、本人だけでなく配偶者や家族を補償範囲に含めることも可能です。
※被保険者の範囲はご契約のプランにより異なります
地震等による死亡一時金特約が補償されるケース
チューリッヒのファミリーケア特別見舞金特約は、人身傷害定額払保険または搭乗者傷害保険で死亡保険金または後遺障害保険金(後遺障害1等級から3等級まで)が支払われる場合に、1名につき100万円をお支払いします。
ファミリーケア特別見舞金特約が補償されるケース
特約の中には、補償内容を充実させるものだけでなく、保険料を抑えることにつながる特約も存在します。
自動車保険では、「運転者限定特約」と「年齢条件」という2つの組み合わせによって、補償の対象となる運転者の範囲を限定して保険料を抑えることが可能です。
運転者限定特約とは、補償対象となる運転者の範囲を限定することで保険料を抑える特約です。補償される運転者の範囲はおもに以下4つから選択できます。
保険会社によって選択範囲は異なることがありますが、対象範囲が狭いほど保険料が抑えられます。ただし、運転者の範囲内であっても、運転者年齢条件を満たしていない場合は補償の対象となりません。
契約車両を運転する人の年齢を限定することで、保険料を抑えることが可能です。運転する人の年齢により事故の発生率が異なることから、このような割引が設けられています。
チューリッヒでは、4つの年齢条件を設けています。
年齢条件 | 適用される範囲 |
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全年齢補償 | 運転する人の年齢に関係なく補償する。 |
21歳以上補償 |
21歳以上の人が運転中の事故を補償する。 21歳未満の人が運転中の事故には保険金が支払われない。 |
26歳以上補償 |
26歳以上の人が運転中の事故を補償する。 26歳未満の人が運転中の事故には保険金が支払われない。 |
30歳以上補償 |
30歳以上の人が運転中の事故を補償する。 30歳未満の人が運転中の事故には保険金が支払われない。 |
実際には「運転者限定特約」と「運転者年齢条件に関する特約」をそれぞれ掛け合わせて補償範囲が決まります。
自動車保険を利用すると等級が下がり、翌年度の保険料が高くなります。ただし、特約を利用したことによる等級への影響は、特約の種類によって異なります。
利用すると1〜3等級下がる特約がある一方で、ノーカウントとして扱われる特約も存在します。たとえば、チューリッヒの場合は以下の事故などがノーカウントとなり、等級への影響はありません。
特約と等級の関連性は保険会社によっても異なるので、加入している保険会社のウェブサイトや約款などを確認しておきましょう。
自動車保険は、基本補償をベースに必要な特約を追加します。特約は、種類や特徴を把握したうえで、自分に必要かどうかを見極めて選ぶことが大切です。
ただし、補償を充実させると保険料も高くなるので、補償内容と保険料のバランスを見て検討する必要があります。運転者限定特約のように、保険料を抑えるための特約も上手に活用していきましょう。
特約は実際にトラブルに合わないと何が必要なのかイメージがわかないかもしれませんが、特に弁護士費用等特約、対物超過特約、代車提供特約などは保険料が許せば極力、付帯しておくことをおすすめします。
利用する特約の種類によって等級への影響は異なります。たとえば、弁護士費用等特約や原付特約、傷害特約はノーカウント扱いとなり、これらの特約を利用しても等級への影響はありません。
特約の種類や補償範囲、等級への影響は保険会社によって異なるので、加入している保険会社のウェブサイトや約款を確認してみましょう。
特約は、自分のライフスタイルや車の種類、毎月支払える保険料を踏まえたうえで考えることが大切です。
たとえば、子どもがいる方は個人賠償責任補償特約や傷害特約を付ける、自分や家族が原付に乗る機会があれば原付特約を付けるといった選択もあります。少しでも保険料を抑えたいのであれば、特約は最低限にすることがおすすめです。
運転者限定特約や運転者年齢条件に関する特約などを活用することで保険料を抑えられる場合があります。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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