更新日:2024年9月30日
公開日:2017年9月5日
他人から借りた車で事故を起こしてしまった場合、車の持ち主の自動車保険ではなく、自分の保険を使えるのが、他車運転特約(他車運転危険補償特約)という特約です。
しかし、対象となる運転者や車種、適用条件などの補償の範囲が定められていますので、補償の範囲を確認しておきましょう。
自動車保険の他車運転特約(他車運転危険補償特約)についてご説明します。他人の車を運転中に事故を起こしてしまった場合でも、自分の保険を使えるのかもご説明します。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)とは、
他人の車を一時的に借りて運転して事故を起こしてしまったとしても、自分の保険を使って補償、賠償を行うことができる特約です。
多くの自動車保険では、他車運転特約は自動付帯となっていますので、あらためて他車運転特約を付帯する必要はありません。
たとえば、友人の車を借りて運転中に事故を起こしてしまった場合、他人(この場合友人)の自動車保険の運転者の範囲が「限定なし」であれば、友人が加入する自動車保険を使うこともできます。しかし、他人(友人)の自動車保険を使えば、翌年度以降の等級に影響したり、保険料が上がったりするなど、他人(友人)に迷惑をかけることになってしまいます。
自分の保険に他車運転特約が付帯されていれば、自動車を貸してくれた他人(友人)に迷惑をかけることなく、自分の自動車保険で補償ができるわけです。
ただし、補償の範囲が定められており、適用条件もあるため、他車運転特約の詳しい内容は契約している保険会社に確認することが重要です。
なおチューリッヒの自動車保険では、自動付帯の「他車運転危険補償特約(人傷型)」で補償されます。
チューリッヒの自動車保険で、他車運転特約(他車運転危険補償特約)の補償の対象となる方は以下のとおりです。
※ただし、運転者限定特約で補償の範囲を「運転者本人・配偶者限定」「運転者家族限定」などに限定していないか、確認する必要があります。限定している場合は、補償の範囲外となる運転者が運転中の事故については補償されません。
次に、補償の対象となる他人の車=「他車」についてご説明します。
チューリッヒの自動車保険で、他車運転特約(他車運転危険補償特約)の対象となる車種は次のとおりです。
記名被保険者本人とその配偶者、それらの同居の家族が所有または常時使用する自動車以外の自動車であって、その用途車種が以下に該当するものです。
用途車種 | 自家用普通乗用車 |
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自家用小型乗用車 | |
自家用軽四輪乗用車 | |
自家用小型貨物車 | |
自家用軽四輪貨物車 | |
自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン超2トン以下) |
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自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン以下) |
|
特種用途自動車(キャンピング車) |
レンタカーであっても、上図の自家用8車種に該当する車を運転していた場合は、他車運転特約(他車運転危険補償特約)の補償対象となります。
ただし、レンタカーの場合は、レンタカー会社が自賠責保険、任意保険に加入しています。そのため、レンタカーの運転中に事故を起こしてしまった場合、事故の相手方への補償はレンタカー会社の自動車保険が優先されます。
レンタカーにかけられた保険でカバーできない場合、自分の保険の他車運転特約(他車運転危険補償特約)を使うことができれば、補償限度額を超えた損害についても賠償金などを支払うことが可能です。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)が使えるかどうかは保険会社によって異なる場合がありますので、約款などを確認しておきましょう。また、車検などの際に借りた代車を運転していたときの事故でも、他車運転特約(他車運転危険補償特約)を付帯していれば補償の対象になります。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)は自分が運転者として運転中の他人の自動車を被保険自動車とみなして補償するものです。
つまり補償範囲はあくまで自分が契約している自動車保険の補償範囲内ということになります。たとえば、対人賠償責任保険について無制限で契約をしていれば、他車運転特約(他車運転危険補償特約)による対人賠償の補償も無制限ということです。
チューリッヒでは、自動付帯の「他車運転危険補償特約(人傷型)」で補償されます。
他人の所有する自動車(上記自家用8車種に限ります)を借りて運転中に事故が発生した場合、他車運転危険補償特約(人傷型)が適用され、対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険(※)より補償します。
※他人から臨時に借りた自動車の損害については、ご契約の車に車両保険がセットされており、その車両保険で補償される事故の場合に限り保険金をお支払いします。(免責金額を差し引いてお支払いします。)
他車運転特約(他車運転危険補償特約)で補償されない場合というのはどのようなケースがあるでしょうか?
補償範囲はあくまでも記名被保険者が契約している自動車保険と同じ範囲となりますが、チューリッヒの場合でご説明します。
運転者を本人とその配偶者だけに限定して契約している自動車保険の場合、同居の子どもが他人の車を借りて運転して事故を起こしたときには、他車運転特約(他車運転危険補償特約)は適用されません。
運転者を限定していなかった場合には、記名被保険者の他にその配偶者、同居の家族、別居している未婚の子どもが補償の対象に含まれます。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)の補償の対象外となるケースとして、まず記名被保険者や配偶者、同居の家族が所有、または常時使用している自動車があります。
たとえば、同居する子どもが親の所有する車(もしくは、親が同居する子どもの車)を借りて運転し、事故を起こした場合、他車運転特約(他車運転危険補償特約)を使うことはできません。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)では、他人の車を使用するにあたり、その車について正当な権利を有する者(所有者)の承諾を得ないで、無断で車を運転して事故が発生した場合の損害については保険金が支払われません。
業務目的で運転中に事故を起こした場合も、補償を受けられません。
たとえば、記名被保険者が会社の役員で、会社の所有する自動車で事故を起こした場合は、補償の対象外です。
他車運転特約(他車運転危険補償特約)は、契約の車以外の他人の車を借りて運転中に起こした事故について、補償が受けられるものです。駐車または停車中の事故は補償の対象外です。
補償されるのはあくまで自分が契約している自動車保険の補償の範囲内であることをご説明しました。
自分の自動車保険に車両保険を付帯していない場合、他の人から車を借りて事故を起こしたときは、借りた車の損害については補償されません。
他社運転特約(他車運転危険補償特約)が付帯しているからと、安心していてはいけません。補償されるのは自分の保険の補償範囲に準じます。たとえば運転者を本人と配偶者に限定していれば、同居の子どもが他人の車を運転しても補償されません。また、他人の車の損害についても、自分が契約している自動車保険に車両保険がセットされていて、その車両保険で補償される事故の場合に限り保険金が支払われます。まずは、ご自身の契約内容を確認しましょう。
保険証券に記載がないため「他車運転特約がついていないのでは?」と思う人もいますが、多くの保険会社で「他車運転特約」は一般的な自動車保険契約に自動付帯されています。
チューリッヒの自動車保険でも、基本補償に「他車運転危険補償特約」が自動付帯されていますのでご安心ください。
他人の車を借りて運転する際にチェックしておきたい他車運転特約ですが、保険会社によって対象範囲や補償内容などの条件が異なります。気楽に友人や知人の車を借りがちですが、運転する前に他車運転特約(他車運転危険補償特約)の内容を確認しておきたいものです。
他人の車を借りて運転するというケースは意外と多く、たとえばキャンプやゴルフ、スキーに出かけるときなど長距離運転する場合、ドライバーを交替してドライブすることもあります。
もし他人の車で事故を起こしてしまった場合、他車運転特約(他車運転危険補償特約)を付けていないと、その自動車を所有している他人の自動車保険を使うことになります。保険を使うことになれば、翌年度以降の等級が下がる可能性があり、それによって保険料が高くなってしまうため、車の所有者に迷惑をかけることになってしまいます。
このようなとき、自分が加入する自動車保険の他車運転特約(他車運転危険補償特約)を使えば、他人に迷惑をかけずに済みます。
ただし、補償の対象となる車種や適用条件があるため、詳しい内容は各保険会社まで問合わせしてください。
記載の情報は、2024年9月時点の内容です。
ファイナンシャル・プランナーで一児の母。大手損害保険会社を経て2010年に独立開業。
個別相談や執筆、セミナー講師として活躍中。企業研修や女性向けに賢いお金との付き合い方を伝えている。
K'sプランニング代表/一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
CFP®、一級ファイナンシャル・プランナー技能士
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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