更新日:2024年7月29日
公開日:2020年11月29日
個人賠償責任保険(個人賠償責任補償特約)は、自転車で他人にケガをさせたり、買い物中に誤って商品を壊したりなど、日本国内での日常生活で起こりうる偶然な事故により他人に損害を与え、損害賠償責任を負った場合に補償する保険です。
チューリッヒの場合「個人賠償責任補償特約」があり、示談交渉の代行サービスも付帯されています。個人賠償責任補償特約の保険金のみの支払いを受けた場合はノーカウント事故となり、翌年度の等級に影響を与えません。
また、個人賠償責任補償特約は保険期間の途中でも追加で付帯することが可能です。
本記事では、個人賠償責任保険の補償範囲をご説明します。保険金が支払われないケースもご説明しますので、個人賠償責任保険を検討している方は参考にしてみてください。
個人賠償責任保険は、被保険者や家族がケガをさせたり他人のものを壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償する保険です。事故によって発生した治療費や修理費など、賠償にかかる費用を補償してくれます。裁判や調停にかかる費用も補償の対象となります。
個人賠償責任保険の保険金額は、1000万円や1億円など契約内容によってさまざまです。
個人賠償責任保険に加入していない場合、身近なトラブルでも高額の損害賠償義務を負う可能性があります。過去には、小学生が自転車事故を起こしてしまい、その母親に約9,500万円の損害賠償命令の判決が出るといった事例がありました(※2013年3月神戸地裁)。
故意でなくても、日常生活の身近なところに賠償のリスクが潜んでいます。
※参考:日本損害保険協会「自転車事故と保険」
個人賠償責任保険は記名被保険者本人だけでなく、配偶者・同居の親族・別居の未婚の子が補償の対象となります。同居する子どもなどが起こした事故も補償されます。
同居の親族は補償の対象になりますが、別居している親族は補償の対象外です。また、同居している子や別居している未婚の子は補償の対象になりますが、別居している既婚の子は補償対象外となります。
具体的な補償内容の例としては、以下のようなケースが挙げられます。
上記のとおり、自転車の事故やペットが他人にケガをさせてしまった場合も、補償の対象範囲です。
一方で補償されない例としては、以下のようなケースが挙げられます。
個人賠償責任保険の補償の上限金額は、保険会社によって異なります。1000万円程度から1億円を超える場合や、なかには無制限のものもあります。
チューリッヒでは、1億円・5,000万円・3,000万円の3つのプランから選択が可能です。
個人賠償責任保険と似た保険に、傷害保険があります。個人賠償責任保険と傷害保険は、補償対象となる人が異なります。
事故による死亡・後遺障害・ケガを補償する保険という点では同じですが、個人賠償責任保険は他人を補償する保険です。一方の傷害保険は、被保険者自身や家族・車に同乗している人の傷害を補償します。
個人賠償責任保険と自転車保険は、補償の範囲が異なります。
自転車保険は、自転車運転の事故においてご自身が加害者になった場合に、被害者から請求される損害賠償を補償する保険です。個人賠償責任保険の補償範囲は、自転車運転中の事故に留まりません。「他人の物を壊してしまった」など日常生活における事故も補償の対象となります。
日常生活で思わぬ事故にあい、加害者になってしまう可能性は誰にでもあります。そのため、万が一のために個人賠償責任保険で備えておくことが重要です。ここでは、特に個人賠償責任保険の必要性が高い人をご説明します。
過去には自転車事故が原因で、数千万円の重い損害賠償責任が生じたケースがあります。自転車の利用が多い方は、事故にあったときのために個人賠償責任保険で備えておくと安心です。
子ども同士のトラブルや、子どもならではの不注意をきっかけに損害賠償責任が発生する可能性があります。子どものいる家庭では、個人賠償責任保険に備えておくと安心です。
ただし、スポーツ中のケガは補償対象に含まれない場合があります。
個人賠償責任保険で補償されるのは被保険者が法律上の賠償責任を負うケースですが、スポーツ中の事故には違法性がなく、損害賠償責任を負わない場合があるためです。
スポーツ中のケガに備える場合は、別途スポーツ用の保険などを検討することをおすすめします。
プライベートの旅行が多い方は、個人賠償責任保険で備えておくと安心です。旅行先の宿でものを壊してしまう・汚してしまうなど、慣れない旅先での事故に備えられます。
ただし、出張など仕事に係わるものは、個人賠償責任保険で補償されません。また、海外渡航は補償対象外の場合もあるため、契約する前に補償の範囲を確認しておきましょう。
個人賠償責任保険の契約内容には、自転車事故も含まれます。
個人賠償責任保険には、本来加入義務がありません。しかし、自転車保険(自転車損害賠償責任保険)の加入を義務付ける自治体が全国で増えています。
個人賠償責任保険に加入すると、自転車以外の日常生活の損害賠償リスクとともに自転車事故にも備えられます。お住まいの地域が義務化対象に含まれるかは、自治体のウェブサイトなどで確認してみてください。
国土交通省によると、自転車事故の4割は未成年による事故です(※)。自転車事故によって高額の補償が命じられた判決もあるため、子どもの自転車事故への備えは重要です。
※2019年 国土交通省 自転車活用推進部「自転車事故の損害賠償に係る現状について」
原則として、個人賠償責任保険に単体で加入することはありません。
「自動車の任意保険や住まいの火災保険などに特約を付ける」「クレジットカードの付帯サービスとして提供する」といったケースが基本です。個人賠償責任保険は他の保険契約に特約として付帯するため、保証期間が主契約の保険期間と同じになります。
自動車保険や自宅の火災保険に加入している場合に、個人賠償責任保険(または特約)を付けられる場合があります。
チューリッヒの場合、自動車保険に個人賠償責任補償特約を付けることで、日常生活の事故に備えられます。個人賠償責任補償特約は、保険期間の途中に追加で付帯することも可能です。
個人賠償責任保険を検討している方は、既に加入している自動車保険や火災保険に特約として付帯されていないか確認しましょう。
他の保険で付帯したうえで個人賠償責任保険にも申し込むと、補償の内容や期間が重複する可能性があります。保険証券の特約欄に、「個人賠償責任特約」「日常生活賠償責任特約」などの記載がないか確認してみてください。
クレジットカードの種類によっては、個人賠償責任保険が付帯される場合があります。カード会社やカードのグレードなどによっても異なるため、個人賠償責任保険を付帯できるか確認しましょう。
カード発行と同時に個人賠償責任保険が自動付帯される場合もあれば、別途申込みが必要な場合もあります。クレジットカードに個人賠償責任保険の付帯を希望する際は、自動付帯か別途申込みが必要かを確認しましょう。
自転車販売店・整備店で点検を受けると、「TSマーク」を受け取って「個人賠償責任補償」と「傷害補償」がセットになります。
ただし、自転車保険の場合は補償対象が契約者本人のみとなるケースが多いです。また、補償金額の上限が低めの場合があります。
自転車対歩行者の事故が起きた場合、高額な賠償が発生する可能性もあります。充実した補償を受けたい場合は、自転車保険のみならず個人賠償責任保険の付帯を検討するとよいでしょう。
万が一事故が起こってしまい、保険金を請求する場合は、以下の流れで手続きを行います。
保険金を請求したい場合、個人賠償責任保険を契約している損保会社に連絡しましょう。保険金請求の相談をしたいことを伝えると、損保会社から請求に必要な書類が郵送されます。
請求書類に必要事項を記入して損保会社に返送し、損保会社側の確認や審査が終わるのを待ちましょう。支払いが決定すると、指定した金融機関の口座に保険金が振り込まれます。
個人賠償責任保険は、日常生活で発生する損害賠償責任を補償してくれます。自転車事故など日常生活で発生しうる事故に備えたい方には、個人賠償責任保険の加入がおすすめです。個人賠償責任保険に加入する際は、以下の点に注意しましょう。
個人賠償責任保険は、自転車の事故やペットが他人にケガをさせた場合も補償となります。一方で、以下のように保険金が支払われないケースもあります。
業務中の事故は、個人賠償責任保険の補償対象になりません。
たとえば「仕事中に食器を落として割ってしまった」「仕事で自転車を使っているときに人とぶつかって、ケガさせてしまった」といった場合は、個人賠償責任保険では補償されません。アルバイト中の事故も補償対象外です。
居住用以外の不動産に起因する損害は個人賠償責任保険で補償されません。たとえば「借りているお店やオフィスを傷付けてしまった」という場合は、個人賠償責任保険の補償対象外です。
他者から借りたもの、預かったものは個人賠償責任保険で補償されません。たとえば、「友人から借りたカメラを壊してしまった」という場合は補償対象外です。
車両の所有・使用・管理に起因する賠償責任は、個人賠償責任保険で補償されません。たとえば被保険者の運転や行為によって、駐車場で隣の車にキズを付けた場合は、個人賠償責任保険の補償対象外となります。
個人賠償責任保険の補償は、過失事故の場合に限られます。そのため、ケンカなどによるケガや物損は、個人賠償責任保険で補償されません。
同居する家族間で起きた事故は、個人賠償責任保険で補償されません。たとえば「小さな子どもや高齢者を家族同士でケガさせてしまった」といった場合は個人賠償責任保険の補償対象外となります。
個人賠償責任保険に加入する場合は、他の保険の特約と重複していないかを確認しましょう。自動車保険や火災保険などで、記名被保険者やご家族が個人賠償責任補償特約を付帯した保険を既に契約しているかもしれません。
同じ特約を付帯すると、補償内容が重複する可能性があります。既に契約している特約と補償内容が重複しないことを事前に確認してみてください。
個人賠償責任保険の付帯の仕方によっては、無補償の期間が生じる可能性があります。メインとなる保険を解約した場合、特約もなくなって補償を受けられません。
しかし、補償がないときに事故が起こる可能性もあります。主契約を解約する際は無補償の期間ができないよう、日数をあけずに新たな契約を結ぶか、他の保険に特約を付帯させるなどの対策を講じましょう。
個人賠償責任保険特約は、家族の誰かが加入していれば生計を共にする同居の親族のほとんどが補償の対象となります。意外なケースでも支払われる場合があるため、一家に一契約備えておきたい補償です。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
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個人賠償責任保険では、個人で起こした事故によってけがをさせた際の治療費や慰謝料、ものを壊してしまった修理代金などが補償されます。契約の内容によって異なりますが、1千万円程度から1億円以上の補償があります。
補償対象者は、記名被保険者またはその配偶者、同居の親族、別居の未婚の子が該当することが多いです。
個人賠償責任保険に加入するには、自動車保険や火災保険に特約を付ける・クレジットカードの付帯サービスを利用するといった方法があります。クレジットカード付帯の保険は、自動付帯の場合もあれば別途申込みが必要な場合もあるため、クレジットカード会社に確認しましょう。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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