更新日:2025年2月12日
公開日:2017年9月5日
弁護士特約は、相手方へ損害賠償を請求するために必要となる、弁護士費用や訴訟費用などに対して保険金をお支払いする特約です。もらい事故の被害者になったり、事故の示談交渉で訴訟に発展したりした際にかかる費用を補償します。
チューリッヒの自動車保険でも弁護士特約(弁護士費用等補償特約)を利用できます。
もらい事故など自身に過失がない事故に備えたい方は、弁護士特約の付帯を検討することをおすすめします。
自動車保険の弁護士特約(弁護士費用等補償特約)について使い方や必要性、注意点などをご説明します。
弁護士特約(弁護士費用等補償特約)は、契約者やその家族が契約車両に乗って被害事故にあったとき、相手に損害賠償を請求する際の弁護士費用を補償するための特約です。たとえば自分に過失がない事故において、相手方との交渉が難航して弁護士への委任が必要となった場合などに補償されます。
弁護士特約を付けていれば、被害事故(もらい事故)にあったときも安心です。被害事故は、保険会社では示談交渉をすることができません。相手との交渉が難航しても、弁護士特約があれば弁護士に委任でき、その費用が補償されます。
弁護士特約は、対人・対物賠償保険などの「基本補償」に任意で追加する特約です。特約を外すことも、契約期間中の付加もできる場合があります。
弁護士特約を使うことで、以下のような訴訟費用や仲裁費用、和解費用や調停費用が保険会社の負担となります。
訴訟費用 | 訴状やその他の申立書に収入印紙を貼付して支払われる手数料、書類を送るための郵便料など |
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仲裁費用 | 当事者が合意によって選定した仲裁委員会に解決の判断をゆだねて解決を図る際に発生する費用 |
和解費用 | 当事者が和解を申立て、解決する際に負担する費用 |
調停費用 | 当事者双方の話し合いにおいて負担する費用 |
チューリッヒの弁護士費用等補償特約では、以下の費用について補償します。
弁護士費用等保険金 | 1回の事故につき被保険者1名あたり300万円まで補償 |
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法律相談費用保険金 | 1回の事故につき被保険者1名あたり10万円まで補償 |
収入印紙代や郵送切手代などの実費 | 妥当な範囲で補償 |
弁護士費用等保険金とは、賠償債務者に対しての法律上損害賠償請求を行う際の弁護士報酬や司法書士報酬、行政書士報酬等の費用です。法律相談費用保険金は、法律相談を行う場合の法律相談費用を指します。
補償される費用は保険会社によって異なるため、保険会社の約款やウェブサイトで確認しましょう。
弁護士特約は、自動車保険の記名被保険者以外の家族なども対象となります。
相手自動車が被保険者の父母や配偶者、家族が運転している場合の事故は対象とならない点に注意しましょう。あくまで被保険者が運転していることが条件です。
保険会社によって名称が異なりますが、弁護士特約には「自動車事故型」「日常生活・自動車事故型」の2種類が存在する場合があります。
※チューリッヒの自動車保険の弁護士費用等補償特約は、自動車事故型です。
「自動車事故型」は、自動車事故を対象とした弁護士特約です。補償範囲は「契約者が車に追突されてケガをした」「自動車事故により所有物を壊された」といった場合に限ります。
「日常生活・自動車事故型」は、自動車事故型に加えて、契約車両に乗っていない日常生活でのトラブルも補償対象です。「他人に所有物を壊された」「日常生活で事故にあってケガをした」といった場合に、損害賠償を請求する際の弁護士費用が補償されます。
自動車事故型と比較して補償範囲が広いため、特約を付帯した際の保険料は高くなる可能性があります。
ここでは、どのような場面で弁護士特約(弁護士費用等補償特約)を使えるかをご説明します。
被害者と加害者それぞれに、事故に対する過失がどれだけあるかを示す「過失割合」があり、双方の示談交渉を経て決まります。お客さまに責任が無い被害事故の場合、保険会社では示談交渉をすることができません。
「路肩に停車していたときに追突された」「信号機がある交差点で、赤信号を無視した車にぶつけられた」といったもらい事故にあった場合は、被害事故として弁護士特約の補償対象となります。
もらい事故の過失割合は、自分が0、相手が100になることがあります。このような場合は法律上、被害者(自分)の保険会社が示談交渉を進められません。過失ゼロのときは弁護士に相談をして示談を進めることになります。
弁護士特約を付けていれば、弁護士に相談・示談を依頼する際の費用を補償されます(あらかじめ保険会社の同意を得て支出した費用に限ります)。
「相手が過失を認めない」「低すぎる賠償額を提示された」といったとき、自分だけで交渉するのは困難であるケースが多いため、弁護士に依頼するのがよいでしょう。この特約があれば、速やかに弁護士に委任することができて、その費用などが補償されます。
事故の過失割合と賠償金は、道路交通法に定められた優先関係や事故の状況、過去の判例をもとに決めるのが一般的です。しかし、示談金や賠償金の話し合いにおいて被害者と加害者が揉めることがあるかもしれません。
直接交渉で話が進まない場合は、訴訟を行うことになります。裁判になると弁護士に依頼する費用がかかりますが、弁護士特約を付帯していれば補償されます。
弁護士特約を使っても等級は維持されます。保険料が高くなる心配もないため、もらい事故などにあってしまったときは安心して弁護士特約を使えます。
弁護士特約(弁護士費用等補償特約)を付けていても、以下のような場合は補償されません。
事故にあった時点で特約を付帯していなければ、補償を受けることはできない点も理解しておきましょう。
弁護士特約(弁護士費用等補償特約)の付帯が必要かいらないか悩む方もいるでしょう。以下に弁護士特約を付帯するメリットなどをご説明します。メリットを把握したうえで、付帯の必要性を検討しましょう。
弁護士特約を付けると、万が一もらい事故にあったときも費用を心配せず弁護士に依頼できます。
相手との交渉が困難になった場合でも、この特約があれば、速やかに弁護士に委任することができて、その費用なども補償されます
交通事故に関する依頼を弁護士にすると、賠償額によって変動しますが、20万円程度の着手金がかかります。交渉のみにとどまらず訴訟に発展すると、さらに費用がかかるでしょう。また賠償金を受け取ると、利益に応じた報酬を弁護士に支払わなければなりません。
弁護士特約を付けていれば、そのような費用の心配がなく訴訟などもできます。
自動車保険に弁護士特約を付帯すると、付帯していないときと比べて保険料がやや高くなります。しかし、年間数千円程度の差であるため、万が一事故に巻き込まれたときのことを考慮すると、加入しておくと安心といえます。
「自分に過失がない事故にも備えたい」という方は、弁護士特約の付帯を検討するとよいでしょう。
弁護士特約(弁護士費用等補償特約)を付ける際は、以下の点に注意してください。
弁護士特約を利用する際は、保険会社に連絡をして事前承認を得る必要があります。保険会社が提示するルールに沿っていなければ、補償されない可能性があるため、利用する際の流れを確認しておきましょう。
特約を利用する可能性が出てきた場合は、まずは保険会社に連絡をして補償を受けられるケースかどうかを問合わせてください。
弁護士特約は、自転車保険や火災保険など自動車保険以外にも存在します。補償内容の重複がないか確認したうえで加入を検討してください。
たとえば自宅の火災保険に加入をしていて弁護士特約を付帯している場合、自動車保険でも弁護士特約を付帯すると補償が重複してしまいます。
すでに弁護士特約を付帯していないかを確認することで、重複を避けて保険料を抑えることにもつながります。
弁護士特約(弁護士費用等補償特約)は、自分や家族が乗っていた車が事故にあったとき、相手に損害賠償を請求する際の弁護士特約を補償する特約です。相手との交渉が困難になった場合でも、弁護士特約があれば解決しやすくなるでしょう。
特約を付けると費用を気にせず弁護士に依頼できます。事故に備えたい方は、弁護士特約の付帯を検討するとよいでしょう。
弁護士費用を自身で負担すると、損害賠償金より弁護士費用が上回ってしまう「費用倒れ」になることがあります。弁護士特約があれば、一定額まで弁護士費用が補償されるうえ、使っても翌年の等級や保険料に影響がありません。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
弁護士特約は、事故やトラブルに備えるために付帯しておくことをおすすめします。車に乗る機会が少ない方でも、事故相手によっては「交渉がうまく進まない」「相手が任意保険未加入」という可能性もあります。
事故の内容によっては弁護士に支払う費用が高額になることもあるため、付帯を検討するとよいでしょう。
弁護士特約を付帯していない状態で、万が一自身に過失がないもらい事故の被害者になった場合、相手に損害賠償を請求する際も自己負担で弁護士費用を支払わなければなりません。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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