更新日:2024年7月8日
公開日:2016年5月19日
交通事故に関する示談交渉とは、加害者と被害者の間で話し合いを通して事故を解決していくことです。示談交渉は自分だけでも対応可能ですが、労力がかかるため自動車保険の専任担当者に依頼するのがおすすめです。
示談交渉をスムーズに進めるために知っておきたい注意点をご説明します。交通事故を発生時の参考にしてください。
交通事故における示談とは、裁判などをせずに当事者間の話し合いで解決(和解)することをいいます。おもに当事者双方の損害賠償額や支払方法の決定と、損害賠償額受領後の権利放棄の2つの柱からなっています。
示談交渉とは、被害者と加害者が交通事故の過失割合などを決め、損害賠償の内容について話し合いで合意することです。
後日の紛争防止のために示談書を作成することが一般的で、示談が成立すると、特別な事情がない限り、あとで変更や取消をすることはできなくなります。
保険会社の示談交渉サービスとは、対人・対物事故を起こして被害者から損害賠償を請求されたときに、保険会社が加害者である被保険者に代わって賠償問題を解決するサービスです。手間がかかりやすい事故の相手との交渉を、専任担当者※1 が代行してくれます。
チューリッヒの場合、自動車保険に示談代行サービスが付帯されています。示談交渉では裁判所の過去の判例などをもとに過失割合を決定するため、保険会社の規模の大小で示談交渉の有利・不利につながることはありません。
交通事故が発生した場合、示談が成立するまでは以下のような流れになることが一般的です。
交通事故が発生したら、まずは相手の状況を確認しましょう。ケガ人を救護し、二次災害を防止するために自分の車を安全な場所に移動させます。
車を移動させたら警察に連絡し、その後加入する自動車保険の事故受付の窓口へ連絡します。
保険会社に連絡して、事故の相談をしましょう。チューリッヒの場合、事故受付窓口は24時間365日いつでも対応しています。
車が自走できない場合など、必要に応じてロードサービスの手配を行います。事故受付のあとに担当者から連絡があり、事故相手への連絡や代車の手配などの初期対応を行います。
初期対応を終えたら、専任担当者※1 が示談交渉を行います。相手への連絡はもちろん、必要書類の作成や提出などにも協力します。
示談交渉の大まかな流れは、以下の通りです。
示談の結果、示談金や過失割合などが決まります。示談金とは被害者の損害額を加害者に補償してもらう損害賠償金のことです。もし、被害者にケガがある場合は、治療費や通院交通費に加え、精神的な苦痛を金銭に換算した「慰謝料」も示談金に含まれます。示談交渉の結果、双方の合意に至らなければ再度検討を行います。
損害金額や過失割合に双方が合意し、示談書に署名捺印することで示談が成立します。
示談書の書き方は、以下記事を参考にしてください。
交通事故の示談にかかる時間は、事故の内容によって変わるため一概にはいえません。物損事故なのか人身事故なのか、人身事故のなかでも後遺症があるのかないのかなどによって大きく異なります。
物損事故の場合、車など破損したものの修理費用の見積りが出るまでの期間が必要です。人身事故の場合、事故発生から入院、通院や治療を経て示談交渉がスタートするため、時間がかかる傾向があります。
死亡事故の場合、示談交渉に長期間にわたることがあります。後遺障害が残った事故の場合も、入院や通院、後遺障害の申請などが発生するため、死亡事故同様に長期化する可能性が高くなります。
ここでは、示談交渉に関する注意点を説明します。
事故が発生して保険会社に連絡する前に、加害者と被害者の間だけで示談交渉をしないようにしましょう。「急いでいる」「とにかく早く解決したい」「問題を大きくしたくない」などの事情があったとしても、個人間の示談交渉は避けましょう。相手から直接賠償請求された場合は、相手方に誠意を示して「賠償に関する件は保険会社にお願いしている」ことを伝えたうえで、保険会社に相談してください。
保険会社の同意がないまま示談交渉を終えた場合、全額を保険金として受け取れない可能性があります。
事故現場で現金を渡したり受け取ったりしてその場で示談が成立すると、特別な事情がない限り、あとで変更・取消することはできなくなります。たとえば、示談成立後に「事故から数日たって体に痛みが出てきた」などトラブルがあっても対応できないことになります。
示談は、一度成立すると内容を変更できません。あとから「あのとき◯◯だった」など、示談成立後に損害が発見されても賠償請求できないのが一般的です。
自分や搭乗者のケガ、車の損害など漏れがないよう、どれほど小さなことでも確認、申告、相談をしましょう。
自動車保険の示談交渉サービスは、専任担当者※1 に任せられる点がメリットではありますが、任せきりにしないことも重要です。
車両や自分の身体の状態、事故現場の状況を、保険会社がすべて把握するのは難しいでしょう。事故現場にいたのは自分自身であるため、伝えたいことを積極的に言わなければ、示談の内容が希望と違うものになりかねません。
納得できないことはその旨を伝え、不安やわからないことは相談するようにしましょう。どうしても不安なときは、自動車保険の担当者とは別に、弁護士に相談するという手段もあります。
交通事故の内容によっては、保険会社が示談交渉をできないケースがあります。
保険会社は、過失の全くない被害事故の場合、示談代行ができません。たとえば、自分に過失が一切ない「もらい事故」では、加入している自動車保険で示談交渉ができません。
過失ゼロの事故で保険会社が契約者に代わって示談交渉を行うことは、「非弁行為」に該当するためです。
「非弁行為」とは、弁護士でない者が弁護士にのみ認められている行為をすることです。非弁行為は、弁護士法で禁じられています。
過失ゼロの被害事故(もらい事故)の場合は加入する自動車保険での示談交渉ができないため、自分で交渉し解決していかなければなりません。
しかし、自動車保険のサポートセンターでは、交渉で困ったことや不安なことがあれば相談に乗ってもらえる場合があります。チューリッヒの場合、被害事故の場合には「被害事故相談サポート」に連絡すると、担当者が相談に応じます。
自動車保険(任意保険)に加入していれば、「過失ゼロの事故=すべて自分で解決しなければならない」ということはないため、過失ゼロの事故でも困ったときは自動車保険のサポートセンターに相談しましょう。
示談交渉では、思ったようにスムーズに解決できないことも考えられます。示談交渉で起こりやすいトラブルには、以下のような例があります。
ここでは、それぞれのトラブル内容と対処法を説明します。
自分が事故の加害者になったとき、「相手が納得してくれない」「被害者が連絡を拒否して示談に応じない」といったケースも考えられます。
たとえば過失割合に納得せず示談交渉が決裂した場合は、再度、示談交渉の提案をしましょう。それでも応じなかった場合は、「調停を申し立てる」「裁判を申し立てる」といった手段へ持ち込むことになります。
相手の保険会社から示談を持ちかけられたものの、過失割合などで納得できず合意したくないことがあるかもしれません。
その場合は、相手の示談交渉に納得できないことを、自分が加入する自動車保険の専任担当者※1 に伝えましょう。再度検討をして和解案を探していきます。
裁判外紛争解決手続(ADR)を利用すると、中立的な立場で過失割合を判断してもらえます。それでも「納得できない」「合意したくない」という場合は、「調停を申し立てる」または「裁判を申し立てる」のいずれかを選択して、解決や和解に近づけていきます。
示談交渉の方法には、「加入している自動車保険で依頼する」または「弁護士に依頼する」といったものがあります。これらの他にも、自分だけで相手(の保険会社)と交渉するという手段もあります。
自分にも過失がある場合、示談交渉は自分だけでもできます。ただし、相手や相手の保険会社とのやりとり、書類の作成などをすべて自分で行わなければなりません。時間と労力がかかるため、メリットはあまりないといえるでしょう。
自動車保険に加入しているのであれば、保険会社の専任担当者に示談交渉を依頼することをおすすめします。
自動車保険に加入していれば、交通事故における示談交渉を保険会社に依頼できるため、任せるのがおすすめです。
チューリッヒでは、過失ゼロで示談交渉ができない場合でも専任スタッフが相談に対応します。
事故発生直後は冷静さを失っている可能性があるため、自動車保険の専任スタッフに相談するなどして適切な処理を進めましょう。
※1 事故の状況により、複数の専任担当者で構成するお客さまの専任チームで事故対応をする場合があります。
自身が加害者か被害者かは保険会社の判断に委ねられます。事故に巻き込まれたときは、安易に当事者だけで示談交渉をせず、事故が起きたら保険会社に報告をして適切な指示を仰ぐよう心がけてください。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
自動車保険に加入していれば、保険会社に示談交渉を任せることが可能です。
もらい事故など、自分に過失がゼロの事故である場合は、たとえ自動車保険に加入していても示談を代行してもらえません。保険会社によるもらい事故の示談は非弁行為といって、弁護士でない者が弁護士にのみ認められている行為をすることにあたり、弁護士法で禁じられているためです。
示談金は、交通事故における示談交渉で当事者間の話し合いで決めます。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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