更新日:2023年1月10日
公開日:2016年5月19日
自動車の交通事故があった場合、当事者同士で話し合いを行い、お互いの責任割合や損害額などに基づいて損害賠償の内容に合意するのが示談です。
示談とはなにか、どれくらいの時間がかかるのかなどを中心に、保険会社に示談交渉を代行してもらう流れやメリットについてご説明します。
自動車の交通事故が発生した際、当事者同士で交渉を行い、円満に賠償金額の決定とその支払いについて取り決めます。
この約束を「示談」と呼び、合意内容を明確に記した書類を「示談書」と呼びます。
示談ならびに、その内容が記載された示談書は、法的な効力を持っています。
そのためここで定められた金額が支払われた後は、示談時に提示された金額以上の損害があったとして原則的には請求できません。交渉の席では、自身に必要な賠償額をきちんと見極めて請求することが大切です。
示談交渉では客観的な判断をするために、事故状況やその事故で発生した費用について確認できる書類の提出が求められます。必要な書類は事故の種類や状況によって異なりますが、以下が主なものです。
書類 | 入手先 |
---|---|
交通事故証明書 | 自動車事故安全センター 警察署(交番・駐在所) |
事故発生状況報告書 | 書式は、保険会社 |
医師の診断書 | 書式は、保険会社 記載は、治療を受けた医師や病院 |
診療報酬明細書 | 書式は、保険会社 記載は、治療を受けた医師や病院 |
通院交通費明細書 | 書式は、保険会社 記載は、被害者本人 |
付添看護自認書 (被害者の近親者が付き添った場合) |
書式は、保険会社 記載は、付き添った近親者 |
レントゲン写真 | 治療を受けた医師や病院 |
印鑑証明書 | 住所地である市区町村、本籍のある市区町村 |
休業損害証明書(事故で仕事を休んでいた場合) | 給与所得者の場合:事業主の損害証明書と源泉徴収票 自営業者:納税証明書もしくは課税証明書、確定申告書 |
後遺障害診断書 (後遺症がある場合) |
書式は、保険会社 記載は、治療を受けた医師や病院 |
事故で死亡の場合、遺族が示談交渉に出席することが原則です。亡くなった方の収入証明書をもとに、賠償金額の計算を行います。
書類 | 入手先 |
---|---|
交通事故証明書 | 自動車事故安全センター 警察署(交番・駐在所) |
死体検案署(死亡診断書) | 書式は、保険会社 記載は、治療を受けた医師や病院 |
診療報酬明細書 | 書式は、保険会社 記載は、治療を受けた医師や病院 |
通院交通費明細書 | 書式は、保険会社 記載は、被害者本人 |
付添看護自認書 (被害者の近親者が付き添った場合) |
書式は、保険会社 記載は、付き添った近親者 |
印鑑証明書 | 住所地である市区町村、本籍のある市区町村 |
休業損害証明書(事故で仕事を休んでいた場合) | 給与所得者の場合:事業主の損害証明書と源泉徴収票 自営業者:納税証明書もしくは課税証明書、確定申告書 |
物損事故 | 車の修理費用の請求書・見積書 |
---|---|
レッカー代 | |
修理時の代車費用の請求書 | |
交通事故証明書 |
対人事故・対物事故問わず交通事故を起こしてしまうと、事故内容や状況によっては交渉期間も長引いてしまいがちです。ただ損害賠償や保険金の請求権には、時効があるため注意が必要です。
自分自身で示談交渉によって解決しようとすると労力と時間がかかってしまい、普段仕事をしている方にとっては大きな負担となってしまいます。
そこで利用したいのが、自動車保険を提供する保険会社の示談交渉の代行です。
これは、示談交渉を本人に代わって保険会社の担当者が代行するものです。必要書類の提出や事故状況の伝達を行えば、後は保険会社の担当者が示談交渉を行いますので、時間や労力を軽減できます。
さらに、自動車の交通事故に関する知識が豊富な専任担当者※が対応しますので、本人が対応するよりも交渉がスムーズにまとまりやすいのもメリットです。
また、賠償金額について法律や前例に照らし合わせた際に、過大な支払いや、過少な受け取りといったリスクも減らすことが可能です。
※事故の状況によっては、お客さまの事故対応を専任チームで複数の担当者が行う場合があります。
任意保険に加入している場合であっても、次のようなケースでは保険会社の示談交渉サービスを利用できません。
万が一の自動車事故でも安心できる保険会社の示談交渉の代行ですが、このサービスを利用するためには、ある条件を満たさなくてはなりません。
それは、「自動車保険の契約者に過失がある」ということ。つまり、事故の相手方に賠償金を支払う必要のある事故でなければ、示談交渉を代行してもらうことはできないのです。
いわゆる「もらい事故」のような場合は、保険会社の示談交渉の代行を受けることはできません。
保険会社が示談交渉を代行できるのは、「損害賠償金の支払者」となるからです。
そのため、損害賠償金を支払う必要がないケースにおいては、保険会社は事故の当事者として示談に参加することができない決まりになっています。
もし交通事故に遭っても、自身の責任がゼロになる「お客さまに責任がない事故」においては、自分自身で示談交渉をするのが基本です。
「お客さまに責任がない事故」では、治療費や自動車の修理代を含む損害を賠償してもらうことが可能です。
領収書や見積書をきちんと揃えて加害者側へ提出することで、示談交渉がまとまることがほとんどですので戸惑うこともないでしょう。
しかし、なかなか示談に応じてくれなかったり、相手が任意保険に加入しておらず賠償金が支払われなかったりといったトラブルに見舞われてしまう可能性も決してないとは言い切れません。
これでは、本人だけではどうしても知識がなく対応が困難となってしまうでしょう。
そういったときに役立つのが、保険会社による電話をはじめとした「被害事故相談サポート」です。チューリッヒでは専任担当者が、ケースごとに対応方法をアドバイスいたしますので、困ったことがあれば問合わせが可能です。
100%自分に非がない場合でも、安心できないことがあります。それは、保険会社の示談交渉の対象外になることです。停車中に追突など、スムーズにいかない相手の場合にどの様に対応したらよいのか、困ることがあります。イザという時に被害者事故相談ができる、サポートは心強いですね。
過失割合とは、事故の責任が当事者双方にどれくらいあるのかを示す割合です。
自動車の交通事故では、この割合に応じて賠償金額が決定し、たとえば過失割合が「80:20」の場合には、加害者側が被害者の損害のうち80%を賠償するという決まりになっています。
そのため、お互いに割合を少なくしたいという気持ちが働き、交渉が難航してしまうのです。
また、保険会社は「お客さまに責任がない事故」では示談交渉サービスを提供できません。
代表的なものでは、信号待ちなどで停車中に追突された事故や、信号機のある交差点を青信号で走行している際に信号無視の車が衝突をしたケースなどが挙げられます。
示談が成立すると賠償金が支払われることになります。この時に注意したいのは、一度成立したら示談の内容は変更ができないという点です。
これは、法律(民法)によって示談は和解がなされたと解釈され「和解契約は当事者がお互いに納得をしてこれ以上争わないことを約束する」と明記されていることが理由です。
このことから、被害者となってしまった場合には、示談が成立した後に事故による損害が新たに発見されたとしても、その賠償を請求ができなくなってしまうため注意しなければなりません。
自動車の傷や同乗者のケガなど、示談前には細かい部分まできちんと確認しておき、請求漏れがないようにしましょう。
また、交通事故では、そのときには自覚症状がなくとも徐々に症状が現れたり、回復すると思われた症状がなかなか治らなかったりする後遺傷害が残存することがあります。
少しでも不安がある場合には、まず弁護士に相談しましょう。納得できる状況になった際に、示談にしたほうが賢明です。
例外的に示談後に新たに損害賠償請求が認められるケースもありましたが、原則的にはできません。
交通事故の場合、パニックになり記憶が曖昧で、お互いの意見が食い違う場合が多いです。証拠として心強いのはドライブレコーダーですので、撮影範囲が広いものを選び、メンテナンスをしっかりしましょう。
交通事故の示談交渉は、事故の当事者同士が賠償金額などについて話し合いを行いますが、自動車保険会社では示談交渉を代行するサービスも提供しています。
一旦合意した示談内容は変更することができないため、示談交渉の際には請求漏れがないように細かな部分までしっかりと調べておくことが大切です。
保険会社の示談交渉サービスは交渉期間を短縮し、スムーズに交渉をまとめられるといったメリットがあります。
自動車保険選びの際には、示談交渉サービスの内容も確認しておくと安心です。
※記載の情報は、2022年11月30日時点の内容です。
ファイナンシャル・プランナーで一児の母。大手損害保険会社を経て2010年に独立開業。
個別相談や執筆、セミナー講師として活躍中。企業研修や女性向けに賢いお金との付き合い方を伝えている。
K'sプランニング代表/一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
CFP®、一級ファイナンシャル・プランナー技能士
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
インターネットから申し込むと、
初年度最大21,000円割引