更新日:2026年4月27日
公開日:2019年10月18日
自動車保険には、補償対象となる運転者の範囲を家族に限定することで、保険料を抑えられるしくみがあります。
ただし、「どこまでが家族に含まれるのか」「どのような場合に補償されるのか」を正しく理解せずに加入すると、いざというときに補償を受けられない可能性もあるため注意しましょう。
自動車保険の家族限定の意味や補償範囲、補償されるケースなどをご説明します。
自動車保険の「家族限定」とは、保険の対象となる「運転される方」を家族に限定するしくみです。
設定するには、「家族限定特約」などの特約を付帯する方法が一般的です。特約の名称は保険会社によって異なり、チューリッヒの自動車保険では「運転者家族限定特約」が該当します。
家族限定にすることで、補償範囲を限定しない場合よりも保険料を安く抑えられるメリットがあります。ただし、家族限定にした場合、家族以外の他人が運転して事故を起こした際は保険金が支払われません。
自動車保険の「家族限定」は運転者限定特約の一種です。運転者限定特約には「家族限定」の他、「本人限定」や「本人・配偶者限定」などの特約があります。
設定できる運転者の範囲は保険会社によって異なり、チューリッヒの場合は「運転者本人・配偶者限定」「運転者家族限定」「限定なし」のいずれかを選択できます。それぞれの補償範囲は以下のとおりです。
一般的には、運転者の範囲が狭くなるほど保険料が安くなります。たとえば、運転される方が本人と配偶者のみであれば、補償範囲を「本人・配偶者限定」にすることで、家族限定よりもさらに保険料を抑えられる場合があります。
自動車保険の家族限定特約で補償される家族の範囲は、保険会社によって異なる場合があります。
チューリッヒの「運転者家族限定特約」で補償対象となる家族の範囲は以下のとおりです。
記名被保険者の配偶者は、同居・別居を問わず補償対象です。なお、「配偶者」には、婚姻届を提出していなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある方(内縁)も含まれる場合があります。
ここからは、「同居の親族」の範囲や「別居の未婚の子」の補償について詳しくご説明します。
家族限定特約における「同居の親族」とは、被保険者の6親等以内と配偶者の3親等以内の方を指します。「生計が同じか」「扶養に入っているか」は関係なく、同じ居住空間で暮らしていれば「同居」とみなされます。
ただし、マンションやアパートの同じ棟内でも、部屋が別の場合は「同居」には該当しません。2世帯住宅の場合は、建物の構造によって「同居」「別居」の扱いが異なる可能性があります。
保険会社によって判断が異なる場合もあるため、不明な点は加入している保険会社に確認してみましょう。
家族限定特約で補償対象となる子どもは「同居の子ども」と「別居の未婚の子ども」です。
| 未婚 |
既婚 (離婚・死別を含む) |
|
|---|---|---|
| 同居の子ども | ◯ | ◯ |
| 別居の子ども | ◯ | × |
同居している子どもは未婚・既婚を問わず補償されますが、別居している子どもは、未婚の場合に限り補償対象となります。なお、「未婚」とは婚姻歴がない方を指します。離婚した場合や配偶者と死別した場合は、未婚に含まれません。
自動車保険では、運転者の範囲とは別に、年齢条件も設定できます。たとえば、同居の子どもは家族限定特約の補償対象ですが、設定している年齢条件を満たしていなければ、事故の際に保険金は受け取れません。
設定できる年齢条件の種類は保険会社によって異なり、チューリッヒでは以下の4つから選択できます。
年齢条件も、補償する範囲を狭くするほど保険料が安くなるのが一般的です。
なお、年齢条件が適用されるのは、「記名被保険者」「配偶者」「記名被保険者または配偶者の同居の親族」です。別居の未婚の子どもは年齢条件が適用されません。
| 家族の範囲 | 年齢条件の適用 | 年齢条件の設定のしかた |
|---|---|---|
| 記名被保険者 | 適用される | この範囲で最も若い方にあわせる |
| 配偶者 | 適用される | |
| 同居の親族 | 適用される | |
| 別居の未婚の子ども | 適用されない | 年齢条件にかかわらず補償される |
たとえば、18歳の子どもを補償対象に含める場合、同居しているなら年齢条件を「全年齢補償」に設定する必要がありますが、別居している場合は年齢条件にかかわらず補償されます。
運転する可能性がある家族は誰かを踏まえ、同居の家族のなかで最も若い方の年齢にあわせて設定することが重要です。
ここでは、家族限定特約を付帯している場合に補償される具体的なケースを説明します。
同居している子どもは家族限定特約の補償対象です。たとえば、同居している子どもが親の車を運転して事故を起こした場合は、親名義で加入している自動車保険の補償を受けられます。
ただし、同居の子どもには年齢条件が適用されます。設定している年齢条件を満たしていないと、事故の際に保険金が支払われないため、運転する子どもの年齢にあわせて年齢条件を設定することが大切です。
別居の未婚の子どもは、年齢条件にかかわらず家族限定特約の補償対象です。
たとえば、進学や就職で一人暮らしを始めた子どもが帰省し、親の車を運転中に事故を起こした場合も補償されます。
記名被保険者の配偶者は、同居・別居を問わず、補償対象です。
また、配偶者には、婚姻届を提出していなくても、事実上婚姻関係と同様の事情にある内縁の妻(夫)も含まれる場合があります。ただし、別居の場合は内縁関係の確認が難しく、補償の対象外となる可能性があります。
保険会社によって条件が異なるため、詳細は加入している保険会社のカスタマーケアセンターなどで確認してみましょう。
家族限定特約を付帯している場合でも、補償対象外となるケースがあります。特に注意したい以下の3つのケースを確認しておきましょう。
結婚して別居している子どもは、家族限定特約の補償対象外です。たとえば、帰省中に親の車を借りて出かけた際に事故を起こした場合でも、補償は受けられません。
また、一人暮らしの子どもは、未婚の間は補償対象ですが、結婚すると補償から外れます。結婚後も補償対象に含める場合は、家族限定特約を外すなど、補償範囲を見直す必要があるでしょう。
家族限定特約を付帯していても、年齢条件を満たしていない家族が運転した場合は補償されません。
たとえば、22歳の子どもにあわせて年齢条件を「21歳以上補償」に設定している家庭で、新たに19歳の子どもが運転免許を取得することもあるでしょう。この場合、19歳の子どもを補償対象とするには年齢条件を「全年齢補償」に変更する必要があります。
別居の未婚の子どもは家族限定特約の補償対象ですが、離婚した子どもは「未婚」として扱われないため、補償対象外となります。たとえば、離婚後も別の場所で生活しており、帰省中に親の車を運転して事故を起こした場合には補償されません。
なお、離婚を機に実家に戻り、同居している場合は補償対象に含まれます。
家族限定特約を付帯していると、家族以外の方が運転して事故を起こした際に補償を受けられません。家族以外が運転する可能性がある場合は、万が一の事故に備えて以下の方法を検討しましょう。
運転者限定特約や家族限定特約を付帯している場合、補償範囲は一番広くても「記名被保険者・配偶者の別居の未婚の子」までです。そのため、家族以外の知人や友人、別居している既婚の子どもは補償対象になりません。
家族以外が運転する可能性がある場合は、運転者限定特約・家族限定特約を外し、補償対象となる運転者の範囲を「限定なし」に設定するとよいでしょう。
家族以外の方が運転する場合、その方が加入している自動車保険に他車運転特約(他車運転危険補償特約)を付帯してもらう方法もあります。
他車運転特約とは、他人の車を借りて運転した際の事故を補償する特約です。適用されるケースには以下のようなものがあります。
2017年5月に損害保険料率算出機構が「家族限定」の料率区分を廃止したことを受け、2019年の料率改定以降、家族限定特約を取り扱わない保険会社が増えています。
この背景には、ライフスタイルや世帯構成の変化があり、「家族限定」よりも「本人・配偶者限定」を選ぶ契約者の割合が高まっていることや、家族以外に車を貸す機会が減っていることが挙げられます。
加入する保険会社で「家族限定」が廃止されている場合、配偶者以外の家族を補償対象に含めるには補償範囲を「限定なし」に設定し、あわせて年齢条件を調整する必要があります。
子どもの独立や結婚、引越しなどで、車を運転される方が変わった場合は、補償内容の見直しをおすすめします。
たとえば、これまで家族限定で契約していたものの、子どもが独立して車を運転しなくなった場合は、補償範囲を「本人・配偶者限定」に切り替えることで、保険料を抑えられる可能性があります。
一方で、運転する家族が増えたときは、補償対象に漏れがないよう、家族限定特約の範囲や年齢条件もあわせて確認しましょう。
家族限定特約では「未婚」が婚姻歴のないことを指す点に注意が必要です。子どもの独立や結婚などのライフイベントが生じた際は、運転者の範囲と年齢条件を必ず見直しましょう。保険会社によって取扱いが異なるため、契約内容の確認をおすすめします。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
別居していても補償される場合があります。別居の未婚の子どもは補償対象ですが、結婚して別居している子どもは補償されません。
家族限定特約を付帯すると、保険料が安くなる場合があります。チューリッヒでも、運転される方を家族に限定することで保険料が割引になります。
ただし、保険料の相場は、年齢や等級、使用目的などによって変わるため、見積りシミュレーションで比較するのがおすすめです。
家族限定特約そのものに年齢制限はありません。一方で、自動車保険には運転される方の年齢を限定する「年齢条件」があります。
年齢条件を「21歳以上」「30歳以上」などに設定している場合は、その条件を満たした家族のみが補償対象となります。なお、別居の未婚の子どもは年齢条件にかかわらず補償されます。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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