更新日:2024年11月22日
公開日:2015年10月21日
自動車保険の等級引継ぎは、家族間や他社への切り替え時においても可能です。等級が上がるほど割引率も上がるため、等級を引き継げれば保険料を抑えられる点がメリットです。
ただし、等級引継ぎは一定の条件を満たす必要があります。
積み上げてきた等級が無駄にならないよう、等級引継ぎができる条件や方法、タイミングなどを押さえておきましょう。
自動車保険(任意保険)の等級引継ぎについてご説明します。他社や親子間でも自動車保険の等級を引き継げるのか、等級引継ぎができる間柄や条件、引継ぎ方法、引き継ぐタイミング、引き継ぐメリットについてもご説明します。
等級制度で定められている、等級の引継ぎができる間柄は以下の4つです。
なお、配偶者以外の間柄では、「同居していること」がポイントです。
同居している場合に限り、親から子または子から親へ等級引継ぎが可能です。
たとえば、親の20等級を子へ引き継ぐと、子が20等級になります。子が親の等級をもらうこととなるため、親は新規契約を行い6等級(セカンドカー割引の適用条件を満たす場合は7等級)からのスタートとなります。
一見すると、子が親の等級をもらうことになる分、親はただ等級が下がり保険料が割増になるだけと思うかもしれません。しかし、親は年齢条件や免許証の色によって、子が6等級からスタートする場合よりも保険料を抑えることができます。
なお、通常は記名被保険者が変更になった場合は、等級の引継ぎはできません。記名被保険者の変更が以下の場合にかぎり、等級引継ぎが可能となります。
以下で詳しくご説明します。
自動車保険の等級は、配偶者間も引継ぎが可能です。配偶者間での等級引き継ぎ時は、同居の有無は問われないため、「単身赴任中で別居している夫から、妻が等級を引き継ぐ」といったこともできます。
なお、配偶者には法律上の配偶者の他に、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情がある方も含まれます。※
※婚姻関係と同様の事情がある方に等級を引き継ぐ場合には、確認事項がございます。詳細は、詳細は当社カスタマーケアセンターまでお問合わせください。
同居している場合に限り、親族間でも等級引継ぎが可能です。
下図のとおり、3親等の曽祖父母や6親等のいとこの孫であっても、同居していれば等級を引き継げます。
親族には、6親等内の血族だけでなく3親等内の姻族(配偶者の家族)も含みます。そのため、同居していれば配偶者の同居の親族にあたる甥や姪などにも等級引継ぎが可能です。
等級引継ぎができるのは、以下のような条件です。
また他社へ自動車保険を切り替えるときに等級の引継ぎが可能です。
車を買い替えたり譲渡されたりして自動車保険の契約車両を変更する場合は、等級を引き継げます。
一般的に、自動車保険を解約・新規契約した場合は、等級がリセットされ6等級(または7等級)からのスタートとなります。しかし、「車両入替」の手続きを行うと、契約車両が変更され、これまでの等級の付替えが可能です。
なお、車両入替には条件があります。また、自動車を買い替えたタイミングで手続きを行わなければ、納車日当日に事故を起こした際に補償が受けられないため注意が必要です。契約車両を変えることがわかったら、車両入替の条件や手続きのタイミングもあわせて確認しておきましょう。
中断証明書がある場合、中断前の等級を引き継ぎできます。
「中断証明書」とは、自動車保険を一時中断するときに発行される書類です。一定の条件を満たせば中断した日から最長10年間、自動車保険に再加入するまで等級を維持できます。
自動車を廃車・譲渡や、海外渡航などにより自動車に乗らない期間ができる場合は、加入している保険会社に申請しておきましょう。
自動車保険を他社へ切り替える際も、等級引継ぎは可能です。
損害保険会社各社(JA共済、全労災、中小企業共済含む)の間では、契約者の前契約に関する情報を交換する「ノンフリート等級確認制度(情報交換制度)」というしくみがあります。そのため、保険会社を変更しても以前の等級や事故歴などを正しく反映できます。
保険会社によっては、一部の共済からは等級を引き継げない場合があります。切り替えを検討している保険会社が、現在加入している保険会社からの等級引継ぎに対応しているか、事前に確認しておきましょう。
チューリッヒの自動車保険では、国内の損保会社から等級引継ぎが可能です。また一部の共済間での等級引継ぎができます。
チューリッヒで引き継げる保険会社は以下の通りです。
保険会社 | チューリッヒへ引継ぎ |
---|---|
国内損保(代理店型) | 可 |
国内損保(ダイレクト型) | 可 |
外資系損保 | 可 |
全労済・その他共済 | 可 |
教職員共済に加入かつ車両保険を別会社でご契約の場合 | 不可 |
また、以下の共済からも等級を引き継げます。
※日本教職員共済の場合には、当社にて契約内容の確認を行なうため、別途、書類をご提出いただきます。
チューリッヒの場合、自治労済(全日本自治体労働者共済生活共同組合)の自動車保険からの等級引継ぎは原則できませんが、一部の商品については等級引継ぎが可能な場合もあります。共済証書を手元にご用意のうえ、当社カスタマーケアセンターまでお電話にてお問合わせください。
以下の場合は、等級の引継ぎができないため注意が必要です。
親子間や親族間であっても、別居している場合は等級を引き継ぎできません。新規6等級から自動車保険に加入する必要があります。
等級を引き継ぐ子に別居の予定がある場合は、同居しているうちに手続きを行いましょう。加入している自動車保険契約について、契約者や記名被保険者を子に名義変更する場合は、子が別居する前に名義変更手続きを行う必要があります。
すでに所有している車同士で等級を入れ替えることはできません。
自動車保険の解約や契約満了から次の契約まで8日以上空くと、等級がリセットされるため等級を引き継げなくなってしまいます。
等級がリセットされてしまうと、新規契約時に6等級からのスタートとなり、積み上げてきた等級が無駄になってしまう可能性があります。ノンフリート等級を引き継ぎ、他社へ移行される場合の等級継承期限は満期日から7日以内です。自動車保険の継続をしない場合は、くれぐれもご注意ください。
新しく車を購入した同居の子に親の自動車保険の等級を引き継ぐ場合は、以下の流れで手続きを行いましょう。
それぞれの手続きでは、以下を用意しておくとスムーズです。
車両入替 |
|
---|---|
名義変更 |
|
新規契約 |
|
新しく車を購入した同居の子に親の自動車保険の等級を引き継ぐ場合は、新しい車の納車日までに等級の引継ぎを行いましょう。
納車日までに手続きを行えば、新しい車を運転するまでは現在の車、新しい車を運転し始めたら新しい車というように、新しい車を運転した時点で補償対象車が自動的に切り替わります。
補償対象の車がスムーズに切り替われば、万が一納車日の前後で事故を起こした場合も補償が受けられるため、自動車販売店から乗って帰る際も安心して運転できます。
なお、親から子へ等級を引き継ぐまでに時間を要する場合は、中断証明書を発行しましょう。中断証明書があれば、中断した契約の等級を10年間引き継ぐことが可能です。
中断証明書を発行するには、以下の条件を満たす必要があります。
中断理由 |
解約日または満期日前にご契約の車が以下の条件の場合
|
---|---|
申請期限 |
|
なお、中断証明書の発行条件は、保険会社によって異なる場合があります。加入中の保険会社の約款やウェブサイトで確認しましょう。
自動車保険の等級を引き継ぐと、以下のようなメリットがあります。
等級が高いほど割引率が上がるため、等級を引き継いだほうが保険料を抑えられます。
特に、引き継ぐ相手の年齢が若いほどメリットが大きいです。一般的に、年齢が若い方ほど事故のリスクが高いとされ、保険料も高くなります。また免許を取得したばかりの場合、ゴールド免許取得による割引も適用されません。※
※チューリッヒでは、ゴールド免許をお持ちの場合、ブルーなど他の色の免許証の場合よりも保険料が安くなります。
保険料を抑えるには、割引率が最も高い20等級に、なるべく早く到達することが重要です。等級を引き継げば、新規加入時よりも高い等級で始められるため、最高等級である20等級までの期間が短くなります。
等級は1年間無事故なら1等級上がります。通常の6等級からスタートした場合、20等級になるまでに最短でも14年必要です。
仮に引き継いだ等級が10等級であれば、通常よりも4年早く20等級に到達できる可能性があります。
親が子どもに車を引き継いだあとに自動車保険に新規加入する場合も、基本的には6等級から始まります。しかし、チューリッヒの場合、複数所有新規割引(セカンドカー割引)を適用できるので7等級から契約できます。
セカンドカー割引の適用には条件があるため、2台目以降の車で自動車保険に新規加入する場合は適用条件を確認しましょう。
自動車保険の等級を引き継ぐ方は、今まで積み上げてきた等級を引継ぎ、6等級(または7等級)からのスタートとなります。積み上げた等級が高いほど新規契約時の保険料の落差があるため、デメリットと感じる方もいるでしょう。
それでも、等級を引き継いだほうがトータルで支払う保険料が抑えられる可能性があります。運転者年齢条件、運転される方の範囲、車の使用目的、走行距離などの条件の見直しや、補償内容の重複がないか確認するといった、自分の保険料を抑える工夫をすることが大切です。
また、等級を引き継いだあとに新規加入する保険会社の選び方も重要です。今まで代理店型の自動車保険に加入していた場合は、通販型(ダイレクト型)の自動車保険に切り替えることで保険料が抑えられる可能性があります。
自動車保険の等級の引継ぎとあわせて、保険会社や補償内容などの見直しも適切に行いましょう。
高い等級で引き継げれば、その分保険料は割安になる可能性があります。保険料が抑えられたら、現在の補償内容を今一度見直して、車両保険や特約など補償の拡充も検討してみましょう。補償内容を充実させれば、さらに安心してカーライフを送ることができます。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンとして勤めるなか、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
できます。
ただし、被保険者である親または子と同居している必要があります。親子であっても別居している場合は等級を引き継げないので気をつけましょう。
新しい車の車検証と現在の保険証券、引き継ぐ方の運転免許証が必要です。
手続きのなかで追加または返還保険料が発生する場合があるため、クレジットカードや銀行口座情報もあわせて用意しておくとスムーズに手続きできます。
以下の場合は等級引継ぎができません。
1.別居している子・親・親族
2.すでに所有している車同士における等級の入れ替え
3.新たな自動車保険に加入するまでの期間が一定期間空いたとき
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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