更新日:2024年6月18日
公開日:2021年5月5日
自動車保険の等級は、保険料の割引・割増率を決めるものです。
1等級から通常20等級までの区分があり、等級が変化するごとに保険料が変わります。最高等級は20等級であり、20等級の場合、保険料の割引率は最も高くなります。
保険料を抑えることができる割引率の高い20等級についてご説明します。
自動車保険の一年間の保険料は、等級によって決定されます。等級は、どのように決まるのでしょうか。
自動車保険の等級制度とは一年間の保険料の割増・割引率を決めるもので、正式にはノンフリート等級制度といいます。
保険料の割増・割引率は契約者の事故歴に応じて決定され、事故歴のある方は事故歴のない方より保険料が高くなります。この制度によって、保険料の不公平感を解消しています。
自動車保険(任意保険)の等級には、1等級から20等級までの区分があります。
初めて契約したときは6等級からスタートし、1年間、保険を使用する事故を起こさなかった場合、翌年度からひとつずつ等級が上がります。
なお、最高等級は20等級です。
東京都で56歳、20等級・ゴールド免許の方が日常・レジャー目的で年間走行距離5,000km超10,000km以下の条件でプリウスを使用している場合のチューリッヒの年間保険料をご参考までに紹介します。
契約内容・詳細条件はこちら
保険料および契約内容・条件などは、保険始期日により異なります。
当社をはじめ、ほとんどの保険会社では等級があり、1等級から20等級までに区分されています。等級が高いほど保険料の割引率も高くなり、等級が低いほど保険料の割引率も低くなります。
従って20等級が保険料の割引率が一番高く、1等級は保険料の割増率が最も高くなります。一部の共済などでは22等級まで設定されている場合もありますが、多くの保険会社では20等級が最高等級となります。
初めて自動車保険に加入する場合は、原則として6等級からスタートします。
ノンフリート等級制度は、1年間保険を使用しなければ翌年度の年間契約更新時に等級が上がり、保険料の割引率も上がるしくみです。
仮に事故を起こし保険金の支払いを受ければ、翌年度の更新時に等級が下がり、保険料の割引率も下がります。
0等級になるには、最短で14年間が必要です。自動車保険加入後に14年間、保険金の支払いを受けるような事故を起こさなければ20等級になります。
20等級を維持していても、仮に事故を起こして保険金の支払いを受ければ等級は下がります。
等級の下がり方は事故により違いがありますので、どのような事故で何等級下がるのかもしっかりと確認しておきましょう。
翌年度の等級が3等級下がる事故を、3等級ダウン事故といいます。
自分の車で人身事故や物損事故を起こしたり、自損事故で自分の車を傷めたりした場合など、多くの事故が3等級ダウン事故に該当します。
翌年度の等級が1等級下がる事故を、1等級ダウン事故といいます。
台風や火災などの自然災害、盗難やいたずら、飛来物などで車が傷つけられ車両保険を利用した場合が1等級ダウン事故に該当します。
翌年度の等級に影響がない事故のことを、ノーカウント事故といいます。ノーカウント事故は無事故扱いとなるので、保険を利用しても翌年度の等級が通常通り1等級上がります。
など
事故の種類 | おもな事故例 |
---|---|
3等級ダウン事故 | |
1等級ダウン事故 | |
ノーカウント事故 |
1等級ダウン事故は自分が原因ではない場合がほとんどですが、交通事故は自身で気をつけることによって防げる場合が多いです。高い等級を維持して、保険料を節約するようにしたいですね。
事故を起こし保険金を受け取ると、翌年度の等級が下がるだけではありません。
事故あり係数適用期間も適用されます。期間内は下がった等級に応じた「事故あり」割増引率が適用され、保険料は大幅に高くなります。
なお事故あり係数適用期間は
3等級ダウン事故と1等級ダウン事故、それぞれ1件ずつ起こせば事故あり係数適用期間は4年間になります。このように、事故によって下がった等級分だけ、事故あり係数が適用されるのです。
なお、事故あり係数適用期間は最大6年間適用されます。
事故を起こした場合、保険金を受け取れると助かります。しかしその分、翌年度以降の保険料は高くなるというわけです。
自動車保険は、ご自身のライフスタイルなどにあわせて契約すべきものです。
保険会社もその時々の自分に適した会社があれば、積極的に乗り換えるべきでしょう。では保険会社を乗り換えるときは、これまでの等級は引き継ぎできるのでしょうか。
自動車保険の等級は、保険会社を乗り換えた場合も引き継ぐことができる「等級の引き継ぎ」という制度があります。
国内のほぼすべての保険会社、および一部の共済間を対象に等級の引き継ぎができます。
通常は1年間無事故であれば、等級がひとつ上がります。
無事故であったとしても、満期を待たずに中途解約して乗り換えると、等級は上がらないので注意が必要です。
また、1年間に保険金を請求する事故があった場合は、中途で解約して乗り換えても、その事故の内容に応じて等級が下がった状態で契約することになります。
1年間無事故であれば、満期日のタイミングで保険会社を乗り換えましょう。そのためには満期日より少し前に、新たな保険会社との契約が必要です。
そして満期日を「責任開始日」として契約を行えば、スムーズに乗り換えが可能になります。
そうすることで移行先の保険会社でも、1等級上がった状態で契約できます。もちろん、20等級の満期日を迎えて保険会社を乗り換えたとしても、そのまま20等級で契約できるのです。
満期日前に乗り換えると、等級が上がるタイミングが遅くなる
満期日前に乗り換えると、等級が下がるタイミングが早くなる
20等級は、家族や親族間で引き継ぐことも可能です。
たとえば、ゴールド免許保有者の父親が20等級で自動車保険に加入中で、20歳の子どもが自動車保険に初めて加入するとします。
20歳の子どもは、新規で自動車保険に加入するので6等級からスタートです。
年齢条件なども含めると、保険料の割引率は低いといえるでしょう。しかし父親の20等級を引き継げば、保険料の割引率は高くなります。
子どもに等級を譲った父親は新たな保険に加入する必要があり、6等級(もしくは7等級)から保険を開始することになります。ゴールド免許や年間走行距離、年齢などが加味され、子どもが新規に契約するよりもリーズナブルな保険料になる場合があります。
家族内で自動車保険を、2つ契約することにはなります。それでも、保険料が高くなる条件の同居の子どもが20等級を引き継ぐことで、家計全体を見ると節約になるのです。
なお、等級が引き継げる家族や親族は
に限定されています。
たとえば別居している子どもは、等級の引き継ぎはできません。
私も最近、息子に保険の等級を引き継がせ、新たに自動車保険に加入しました。そうすることで保険料はトータルで節約することができます。単に新たにセカンドカー割引を利用するのではなく、等級の引き継ぎも検討して保険料を節約し、充実した補償内容を確保しましょう。
以上、自動車保険の「20等級」がどのように決まるのかご説明しました。
事故で自動車保険を利用すると、翌年度の等級は下がり保険料は高くなります。使用しなければ等級は上がり、20等級を取得後無事故なら保険料はリーズナブルなまま維持されます。
やはり、「交通事故を起こさないよう安全運転を心がける」ということが重要です。
自動車保険の保険料は、等級によって割引率が決まります。
最高等級は20等級であり、20等級の保険料の相場(ただし車両保険を契約しない場合)は2万〜3万円前後です。
20等級は保険会社を変更した場合にも引き継げます。保険を使用する事故を起こしてしまった場合は、20等級であっても翌年度から等級は下がり、保険料も高くなります。
安全運転を心がけ、事故を起こさなければ20等級になり、また、20等級を維持し続けられます。
※記載の情報は、2024年6月18日時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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