更新日:2024年5月15日
公開日:2022年11月7日
自動車保険は、事故で保険を利用すると等級が下がり、翌年度の保険料が上がります。5等級以下は新規契約時よりも保険料が割高になるため「新規契約で等級をリセットしたい」と考えるかもしれません。
原則として、5等級以下のデメリット等級の場合、13ヵ月以内は等級が引き継がれます。事故歴や等級を隠して自動車保険を新規契約することは「告知義務違反」にあたります。
自動車保険の等級を引き継がずに新規で契約はできるのか、5等級以下のデメリット等級は13カ月間は等級が引き継がれるのか、告知義務違反の注意について詳しくご説明します。
自動車保険の1〜20等級のうち、1〜5等級を「デメリット等級」と呼ばれることもあります。自動車保険の新規契約時は6等級なので、デメリット等級になると新規契約時より保険料が割増になり高くなります。
等級をリセットするために「保険会社を変えて新規契約したほうがよいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、デメリット等級の場合、保険会社を変えて自動車保険を新規契約した場合でも、原則として13ヵ月間は前契約の等級・事故あり係数適用期間が引き継がれます。別の車両で新規契約したり、同居の家族に名義変更をしたりした場合も同様です。
6〜20等級のメリット等級と1〜5等級のデメリット等級では、等級の引き継ぎ期間が異なります。
メリット等級(6〜20等級) | 前契約の満期日の翌日から7日以内 |
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デメリット等級(1〜5等級) | 前契約の満期日の翌日から13ヵ月以内 |
上記のとおり、デメリット等級は前契約の満期日から13ヵ月を超える空白期間があるとリセットされます。
一方メリット等級は、自動車保険に加入していない期間が8日以上になると等級がリセットされます。もし、8日以上の空白期間が発生することが事前にわかる場合は、保険会社に中断証明書を発行してもらうと最大10年間等級を維持できます。
「事故あり係数」とは、前契約の保険で事故を起こしていた場合に適用される割増の係数のことです。新規契約または継続契約の等級が7等級以上の場合に適用され、同じ等級であっても、事故歴のある契約者は、無事故の契約者に比べて保険料が割増となります。
事故あり係数を適用する期間のことを「事故あり係数適用期間」といいます。自動車保険の新規契約時の事故あり係数適用期間は0年で、事故により下がった等級を年数におきかえた期間が加算されていきます。
たとえば3等級ダウンなら3年、1等級ダウンなら1年が、事故あり係数適用期間として加算されるということです。ただし、事故あり係数適用期間は最大6年です。
1年間事故がない場合は、事故あり係数適用期間が1年減算し、下がった等級分の年数が新たに加算されます。
自動車保険は、原則として過去13ヵ月以内の保険契約情報を告知しなければなりません。デメリット等級や、事故歴を隠して自動車保険に新規加入することは「告知義務違反」にあたります。
等級制度の適切な運用を図るため、運転者の等級情報は保険会社間で共有されており告知内容が事実であるか確認しています。
前契約の情報の確認を行っているため、保険会社を変更しても以前の等級が引継がれることになります。
告知内容に誤りがあると、追加保険料の請求や、強制解約となる可能性もあるので事実を申告しましょう。
自動車保険の5等級以下のデメリット等級は、原則として13ヵ月以内は保険会社を乗り換えたとしても等級が引き継がれます。
「等級を引き継ぎたくない」という気持ちがあったとしても、告知義務違反にならないよう、事故歴や契約情報は正確に伝えることが大切です。
無事故を継続していくことで、等級を上げていくことは可能です。気持ちを切り替えて、安全運転を心がけていきましょう。
5等級以下のデメリット等級はリセットできません。保険会社を変えても、契約時に旧契約の損害保険会社と証券番号は確認されるので隠すことはできません。あの手この手を使うより、地道に等級を上げましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
自動車保険の等級は保険会社間で共有されています。事実と異なる等級の申告は、保険料の追加請求や、補償対象外となる可能性があります。
13ヵ月を超える空白期間があれば、前契約の等級を継承しない新規契約が可能です。それ以外の方法では原則不可能です。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
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