更新日:2023年10月19日
公開日:2017年10月28日
自動車検査証(以下、車検証)は、その自動車が保安基準に適合していることを証明するもので、所有者や使用者についても記載されている書類です。
転居や結婚などで住所や氏名が変わったときには、車検証の記載内容も変更しなければなりません。また、売買や譲渡で自動車の所有者が変わる場合も名義変更の手続きが必要です。
車検証の住所変更や氏名変更、名義変更についてご説明します。必要書類やオンライン手続き方法、15日過ぎるとどうなるのかなどもご説明します。
引越しなどで住所が変更になった場合、なぜ車検証に記載される住所を変更する必要があるのでしょうか。
車検証の正式名称は「自動車検査証」といい、車が保安基準に適合していることを証明する書類です。
自動車を使用する際には、必ず自動車に備え付けておくことが義務付けられています(道路運送車両法第66条)。
道路運送車両法第12条では、住所変更があった場合は変更登録が必要である旨を規定しています。
そのため、住所変更を怠った場合には、50万円以下の罰金を科せられる可能性があります(道路運送車両法第109条2号)。
まず、自動車の所有者には変更がなく、転居や結婚・離婚などにより、車検証に記載されている内容を変更する場合の手続きは次の通りです。
車検証の変更登録は、管轄の運輸支局で変更登録手続きを行います。
変更登録に伴って管轄の運輸支局が変わる場合は、書類とともに現車を持ち込んで手続きをしなければなりません。管轄の運輸支局などに変更がなければ、書類手続きだけで変更できます。
軽自動車は、軽自動車検査協会にて各種手続きを行います。普通自動車の場合と同様に、管轄に変更がなければ書類のみで手続きできます。
住所変更に伴って管轄が変更になる場合は、書類とナンバーを持ち込んで手続きを行います。車両の持ち込みは必要ありません。
車検証の変更登録は、全国で利用できる「OSS(ワンストップサービス)」というサービスによって、オンラインでも手続き可能です。
OSSの正式名称は「自動車保有関係手続のワンストップサービス」で、国土交通省が提供しています。
OSSでは、新車新規登録や中古車新規登録、結婚や引越しなどに伴う変更登録などの各種手続き、税金・手数料の納付などが可能です。
車検証の記載情報に変更があった場合は、原則15日以内に変更登録をしなければいけません。OSSならばオンラインで手続きを行えるので、忙しく時間がない方でもスムーズに変更登録の手続きができます。ぜひ利用しましょう。
参照元:自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)
2023年8月執筆現在
必要なもの | 備考 |
---|---|
車検証(自動車検査証) | 車のグローブボックスやトランクに保管している人が多い |
申請書(第1号様式) | 運輸支局などの窓口もしくはウェブサイトからダウンロードして入手 |
手数料印紙(検査登録印紙) | 運輸支局などの窓口で入手 |
住所変更が確認できる書類 ※発行後3ヵ月以内のもの |
個人:住民票・戸籍謄本・抄本など 法人:商業登記簿謄本・抄本など |
車庫証明(自動車保管場所証明書) ※警察署に申請・証明の日から40日以内のもの |
所轄の警察署に申請する |
所有者の委任状 | 代理人が申請する場合に必要 |
ナンバープレート | 運輸支局などの管轄が変更になるような転居や同時にナンバープレートを変更したい場合には必要(普通車の場合は封印があるので実車を持ち込む)。ナンバープレート代が別途必要。 |
必要なもの | 備考 |
---|---|
車検証(自動車検査証) | 車のグローブボックスやトランクで保管している人が多い |
自動車検査証記入申請書(軽第1号様式) | 軽自動車検査協会の窓口もしくはウェブサイトからダウンロードして入手 |
住所変更が確認できる書類 ※発行後3ヵ月以内のもの |
各いずれか1点 個人:住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)・印鑑(登録)証明書 法人:商業登記簿謄(抄)本・登記事項証明書・印鑑(登録)証明書 |
申請依頼書(委任状) | 代理人の場合は必要 |
ナンバープレート | 使用の本拠の位置の管轄に変更がなければ不要 |
結婚や離婚などにより姓が変更になる場合は、上記書類に加えて以下のものを準備します。
姓名の移り変わりが確認できる書類(発行後3ヵ月以内のもの):住民票・戸籍謄本・抄本など。
車検証の住所変更をするときに必要な手続きの流れをご説明します。
1.車庫証明書を警察署で取得(普通自動車の場合)
普通自動車の場合は、管轄の警察署に申請して車庫証明(自動車保管場所証明書)を取得しておきます。車庫証明書の交付は即日ではなく4日程度の日数がかかるので、日数に余裕をもって申請しておきましょう。
なお、軽自動車は、軽自動車検査協会の窓口で手続きをする場合は不要ですが、地域によっては、警察署への届出が必要な場合があります。
2.運輸支局などで申請書などに必要事項を記入
普通自動車の場合は、新しい住所の管轄の運輸局などで申請書などに必要事項を記入します。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会で申請書を記入します。
3.手数料印紙の購入(登録手数料の支払い)
普通自動車の場合は登録手数料として350円がかかります。軽自動車の場合、手数料はかかりません。
4.必要書類を提出
窓口に必要書類を提出します。
5.車検証の交付
手続きが終わると車検証が交付されます。
6.自動車税申告窓口で変更内容を申告
自動車税申告窓口でも、住所の変更内容を申告します。
7.必要な場合はナンバープレートの付け替え
他の管轄から転入した場合やナンバープレートの変更を希望する場合はナンバープレートの変更を行います。ナンバープレート2枚分の交付手数料は2,000円前後で、地域により異なります。
参照元:自動車検査登録総合ポータルサイト、関東運輸局 ウェブサイト
2023年8月執筆現在
車検証の記載事項に変更があったときは、変更日から15日以内に変更登録の手続きを行います。
車検証の記載事項に変更があってから15日が過ぎてしまった場合、以下のようなリスクやデメリットがあります。
車検証の変更手続きをせずに15日を過ぎてしまうと、50万円以下の罰金を科される可能性があります(道路運送車両法第109条2号)。
また、自動車税(種別割)や軽自動車税(種別割)の納税通知書、自動車メーカーのリコール通知は、車検証に記載されている住所に発送されます。
そのため、引越しにより住所が変わったのに変更手続きをしていない場合、それらの通知が届かなくなります。
車検証の変更手続きは、必ず変更があった日から15日以内に行うことを意識しましょう。
もし過ぎてしまったならば、OSSを活用して速やかに手続きしてください。
住所変更をしないと、自動車税(種別割)の納税通知書が届かないことと、リコールの通知が来ないことは大きなデメリットです。最近は自動車メーカーも重大な欠陥ではなくてもリコールすることもあるので、クルマを安心して利用し続けるためにはリコールの案内がきちんと届く環境にしておくことは重要です。
車検証の名義変更の手続きは、「移転登録」といい、自動車の売買や譲渡などにより、所有者を変更する場合の手続きです。
申請先は、住所・氏名変更の場合と同様に運輸支局など(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)となっています。また、OSSでも手続き可能です。
ただし、相続や贈与などによる自動車の譲渡・譲受の場合は、別の取扱いとなりますので注意しましょう。
必要なもの | 備考 |
---|---|
車検証(自動車検査証) | 車のグローブボックスやトランクに保管している人が多い |
申請書(第1号様式) | 運輸支局などの窓口もしくはウェブサイトからダウンロードして入手 |
手数料印紙(検査登録印紙) | 運輸支局の窓口で入手(印紙は構内の売店などで購入可能) |
旧所有者の譲渡証明書(実印を押印したもの) | 運輸支局などの窓口、あるいはウェブサイトからダウンロード(旧所有者の実印の押印があるものを準備) |
新旧所有者の印鑑証明書 ※発行後3ヵ月以内のもの |
市区町村役所で入手、もしくはマイナンバーカードを持っていれば、全国コンビニのマルチコピー機でも取得可能 |
住所や氏名・名称が変わっている場合は、変更内容の確認ができる書類 | 個人:住民票・戸籍謄本・抄本など 法人:商業登記簿謄本・抄本など |
車庫証明 ※警察署に申請・証明の日から40日以内のもの |
運輸支局などの管轄が変更になるような場合や同時にナンバープレートを変更したいときには必要。別途ナンバープレート代が必要。 |
新旧所有者の委任状(実印を押印) | 代理人が申請する場合に必要 |
ナンバープレート | 運輸支局などの管轄が変更になるような場合や同時にナンバープレートを変更したいときには必要。別途ナンバープレート代が必要。 |
新所有者と使用者が異なる場合は、住所を証する書面として、住民票または商業登記簿謄本、印鑑証明書のいずれかが必要となります(コピー可、発行後3ヵ月以内のもの)。
必要なもの | 備考 |
---|---|
車検証(自動車検査証) | 車のグローブボックスやトランクに保管している人が多い |
自動車検査証記入申請書(軽第1号様式) | 軽自動車検査協会の窓口もしくはウェブサイトからダウンロードして入手 |
住所が確認できる書類 ※発行後3ヵ月以内のもの |
各いずれか1点 個人:住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)・印鑑(登録)証明書 法人:商業登記簿謄(抄)本・登記事項証明書・印鑑(登録)証明書 |
申請依頼書(委任状) | 代理人の場合は必要 |
ナンバープレート | 使用の本拠の位置の管轄に変更がなければ不要 |
車検証の名義変更を行うには、次の2つも確認しましょう。
他人から譲り受けた場合はもちろん、同居していない親の車を譲り受けて子が使用する場合でも、所有者変更の手続きが必要となります。
この場合は、引越しや改姓と同様「移転登録」となるため、必要書類や手続きは同じです。印鑑(実印)や住所を証する書面、車庫証明などは新所有者のものが必要なので注意しましょう。
運輸支局などや軽自動車検査協会の登録窓口は平日しか開いていないため、「わざわざ仕事を休んで申請に行くのは難しい」という人もいるでしょう。
これらの手続きをディーラーや行政書士などに代行してもらうことも可能なので、問合わせてみましょう。
依頼した場合は別途手数料が必要になる場合もあるため、料金を事前に見積りしてもらうことをおすすめします。
車検証を紛失してしまった場合は、運輸支局などで再交付の手続きを行います。手数料は350円です。
軽自動車の場合は、軽自動車検査協会で手続きができます。手数料は普通自動車と同様に、1件につき350円です。
参照元:関東運輸局 ウェブサイト、軽自動車検査協会
2023年8月執筆現在
車の住所変更や名義変更の受付は平日のみです。ディーラーなどに代行してもらうのが一般的でしたが、OSSの登場により、運輸支局や軽自動車検査協会に行かずに手続きが可能になりました。パソコンがあればお昼休みなどでもできるので、自分で手続きする方法が広がりました。ただし車庫証明は平日しか申請や受け取りができないため、家族などに代理申請してもらう必要があるでしょう。
住所や氏名、所有者が変わったときは車検証の住所変更・氏名変更手続き、名義変更手続きが必要です。
普通自動車の場合は運輸支局など(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)、またはオンラインで手続きを行うことができます。
名義変更などは、ディーラーや行政書士などに依頼して手続きを代行してもらうことも可能です。
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※記載の情報は、2023年8月25日時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
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