更新日:2025年7月31日
公開日:2022年11月7日
強制的に加入が義務付けられている自賠責保険に対し、自動車保険は任意で加入する制度です。自賠責保険は人身事故しか補償されず、また賠償金額にも制限があることから、多くの方が任意保険にも追加で加入しています。
万が一、任意保険に加入しないで事故を起こした場合、自賠責保険ではカバーしきれないほどの賠償責任を負うリスクがあります。加えて、事故に巻き込まれたときに相手が無保険だった場合の備えも重要です。
自動車保険の任意保険の加入率についてご説明します。任意保険に入っていない割合や加入率の経年変化、都道府県別の動向を紹介します。
任意保険の対人賠償の加入率は2024年3月時点で、全国で用途・車種合計で75.5%です。車両数およそ8,256万台のうち、6,232万台が加入しています。
なお自家用普通乗用車は83.2%、軽四輪乗用車は78.1%です。
用途・車種別の普及率は以下の表となります。
| 用途・車種 | 加入率 |
|---|---|
| 自家用普通乗用車 | 83.2% |
| 自家用小型乗用車 | 78.7% |
| 軽四輪乗用車 | 78.1% |
| 軽四輪貨物車 | 56.7% |
| 自家用小型貨物車 | 80.9% |
| 合計 | 75.5% |
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2024年度」第18表 任意自動車保険 用途・車種別普及率表(2024年3月末)
自動車保険に加入する際に、ほぼすべての人が対人賠償を基本補償として付帯するため、「対人賠償の普及率は任意保険の加入率に限りなく近い」といえるでしょう。
任意保険の用途・車種合計の加入率は、おおよそ75%〜80%で推移しています。
| 年 | 任意保険 加入率 [※対人賠償の普及率] |
|---|---|
| 2020年 | 79.7% |
| 2021年 | 80.0% |
| 2022年 | 79.6% |
| 2023年 | 80.0% |
| 2024年 | 75.5% |
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2024年度」第20表 任意自動車保険 対人賠償責任保険都道府県別普及率表(自家用乗用車)
自動車保有車輌数もほぼ一貫して増え続けているなかで「任意保険の加入はリスクヘッジとして重要だ」と捉える方が多い状況です。
全国の用途・車種合計の任意保険の加入率は80%近い加入率ですが、地域差もあります。
まずは加入率の高い都道府県を見てみましょう。人口が多い大阪、愛知、神奈川などの任意保険の加入率が高いといえます。なおデータはすべて「自動車保険の概況」(損害保険料率算出機構、2024年)より抜粋したものです。
| 順位 | 都道府県名 | 加入率 |
|---|---|---|
| 1位 | 大阪 | 82.8% |
| 2位 | 愛知 | 82.6% |
| 3位 | 神奈川 | 80.9% |
| 4位 | 千葉 | 79.8% |
| 5位 | 埼玉 | 79.4% |
一方、加入率の低い都道府県は以下のとおりです。
| 順位 | 都道府県名 | 加入率 |
|---|---|---|
| 1位 | 沖縄 | 55.0% |
| 2位 | 島根 | 59.8% |
| 3位 | 高知 | 62.3% |
| 4位 | 宮崎 | 62.4% |
| 5位 | 秋田 | 63.0% |
50%台後半から80%台前半まで、地域によって加入率に開きがあります。
※出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2024年度」第19表 任意自動車保険 対人賠償責任保険都道府県別普及率表(自家用乗用車)
任意保険という名前のとおり、加入するかどうかは利用者の判断に委ねられています。
一方、自動車を保有した時点で「自動車損害賠償責任保険(通称:自賠責保険)」に加入することが義務付けられています。任意保険に対して、強制保険とも呼ばれます。
任意保険と比べると、自賠責保険は補償範囲が狭く、対人賠償に限られます。事故で被害者が亡くなるか、もしくはケガを負った場合にしか補償されません。さらに補償金額にも上限が定められており、たとえば死亡時の補償は3,000万円までです。そのため、自賠責保険だけでは補償をまかないきれないケースが考えられます。
| 対人 | 物損 |
|---|---|
| 傷害 120万円 (治療費/休業損害/慰謝料) |
補償されない |
| 死亡時 3,000万円 (逸失利益/慰謝料/葬儀費) |
|
| 後遺障害時 4,000万円 (逸失利益/慰謝料) |
実際に、被害者が死亡した事故や後遺障害を負った場合には、数億円単位の高額な賠償判決が出された事例もあります。これは、ケガの治療費や慰謝料の他、事故がなければ本来得られたはずの収入や給与なども「逸失利益」として補償に含めて計算されるためです。
| 認定 総損害額 |
裁判所 | 判決年 | 被害者 性別年齢 |
被害者職業 | 被害態様 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5億2,853万円 | 横浜地裁 | 平成22年 | 男41歳 | 開業医 | 死亡 |
| 4億5,381万円 | 札幌地裁 | 平成27年 | 男30歳 | 公務員 | 後遺障害 |
| 4億5,375万円 | 横浜地裁 | 平成27年 | 男50歳 | コンサルタント | 後遺障害 |
| 4億3,961万円 | 鹿児島地裁 | 平成27年 | 女58歳 | 専門学校教諭 | 後遺障害 |
任意保険に加入することによって、自賠責保険ではカバーしきれない損害賠償に対してリスクヘッジができるでしょう。
| 自賠責保険 | 自動車保険(任意保険) | |
|---|---|---|
| 相手方への補償 |
△ 保険金の限度額 死亡:3,000万円まで 傷害:120万円まで 後遺障害:後遺障害の程度に応じた等級によって75万円〜4,000万円(※) |
○ 対人賠償 |
| × |
○ 対人賠償 |
|
| 自分、搭乗者への補償 | × |
○ 人身傷害 人身傷害定額払 |
| 車の補償 | × |
○ 車両保険 |
〇:補償します ×:補償しません △:補償が不十分(限度額まで)
※神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合/常時介護:4,000万円(第1級)、随時介護:3,000万円(第2級)
※上記以外の後遺障害/3,000万円(第1級)〜75万円(第14級)
※出典:日本損害保険協会「自賠責保険」
また、運転手や搭乗者のケガの治療や、自身や相手の車両の修理、衝突により損傷した電柱やブロック塀などの修復は、自賠責保険の対象外です。
任意保険は対人事故に加えて、対物・自損事故のリスクにも備えられます。いざというときに必要な補償が得られるように、補償範囲や保険金額などを設定しましょう。
先述の通り、自動車保険の任意保険の加入率は、自家用普通乗用車で83.2パーセント程度です。
約17%の自家用普通乗用車は任意保険に入っていない、ということにもなります。
見方を変えると、車を10台見かけたら、そのうち1台は任意保険に加入せずに走行している計算になります。
強制保険である自賠責保険のみ加入している状態を「無保険」と呼びます。無保険車が引き起こした事故に巻き込まれた場合、加害者に支払能力がなければ、被害者は自身の任意保険に頼らざるを得ないでしょう。
すなわち、事故の被害者となった場合の備えとしても、任意保険は有効です。
各保険会社やプランの補償内容・保険料を比較すると、ご自身に最適な任意保険を選びやすくなるでしょう。
任意保険には主に次の2タイプがあります。
保険料をできるだけ抑えたいなら、チューリッヒの自動車保険がおすすめです。
代理店型では、保険会社が委託している代理店の営業担当者から対面で説明を受けて、契約手続きを行います。担当者と補償内容を相談したり、不明な点を質問したりできるので、保険に関する不安を解消しやすいのがメリットです。
通販型保険の契約手続きはインターネットや電話を介して行い、代理店を通さずに保険会社と直接契約を交わします。そのため代理店に支払われる手数料や店舗の経費が削減されるので、一般的には保険料が低く抑えられる傾向にあります。
補償や事故対応の内容に大きな違いはなく、事故が起こった際のロードサービスなど、通販型も充分な対応が受けられます。
保険料は抑えつつ、補償内容もしっかり充実させたい方には通販型の自動車保険をおすすめします。
任意保険の用途・車種別合計の加入率は75.5%で、自賠責保険ではまかないきれない部分の補償を、ほとんどの方が任意保険でカバーしています。
対物事故や物損事故への対応には任意保険への加入が欠かせません。さらに実際に起きたことのある数億円を超える対人賠償や、事故を起こした相手が無保険で支払能力がないケースへの備えとして任意保険は重要です。
保険の内容、条件について充分吟味し、ご自身に最適な任意保険に加入しておきましょう。
対人賠償や対物賠償は、保険会社によっては保険金額が設定可能です。本記事では対人賠償の高額賠償判決事例が説明されていますが、対物賠償も高額になる可能性があります。対人・対物賠償の保険金額はいずれも「無制限」がおすすめです。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
自家用普通乗用車の任意保険の加入率は83.2%です。
自動車保険の任意保険の加入率は、自家用普通乗用車で83.2%です。 約17%の自家用普通乗用車は任意保険に入っていない、ということにもなります。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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