運転するときにうっかり運転免許証を持っていなかったという経験がある方もいるでしょう。無免許ではなく、たまたま持っていなかっただけでも違反になるの?など「免許証不携帯」について解説します。
免許証不携帯とは免許を受けた者が運転免許証を携帯せずに、車両などを運転することです。道路交通法第95条第1項で「免許を受けた者は、自動車等を運転するときは、当該自動車等に係る免許証を携帯していなければならない。」とその義務が規定されています。
令和5年交通安全白書(内閣府)の令和4年中における車両等の道路交通法違反(罰則付違反)の取締り(告知・送致)件数によれば、免許証不携帯は46,724件となっています。
積載違反 | 11,440 |
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無免許運転 | 16,761 |
酒酔い・酒気帯び運転 | 19,820 |
整備不良車運転 | 19,537 |
免許証不携帯 | 46,724 |
踏切不停止等 | 76,192 |
駐(停)車違反 | 159,258 |
追越し・通行区分 | 181,364 |
携帯電話使用等 | 252,456 |
信号無視 | 521,829 |
通行禁止違反 | 697,682 |
最高速度違反 | 932,260 |
一時停止違反 | 1,466,131 |
注 1 警察庁資料による。
2 高速道路分を含む。
警察官に交通違反を摘発されたとき、警備の検問で免許証の提示を求められる場合があります。運転免許証不携帯は、このような場面で「発覚」する場合がほとんどです。「運転免許証を見せてください」といわれた経験のある人もいるでしょう。運転免許証を見せなければいけない根拠は、道路交通法第95条に規定があります。
2 免許を受けた者は、自動車等を運転している場合において、警察官から第67条第1項又は第2項の規定による免許証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
つまり、自動車を運転する際に運転免許証を「携帯」することと、警察官から規定に違反して車両などを運転していると認められ、運転免許証の提示を求められたときは「提示」をする必要があります。
ご説明したように、運転免許証の携帯と提示は道路交通法に基づく義務です。
道路交通法第95条第1項で運転者に求められている運転免許証の「携帯」について、法令では携帯の仕方について具体的には書かれていません。しかし、事故の可能性が危惧されるような場面では、すぐ取り出して見せられるような形で持っていることが必要です。
実際の交通取締りの場面で、トランクの中のバッグに免許証が入っているような場合、「すぐ出せるようにしてください」と注意を受ける例があるようです。
運転免許証は、運転席のポジションからスムーズに取り出せる場所に置くこと、かばんや財布などにしまっていてもすぐに見せることができる状態、それが「携帯」の解釈といってよいでしょう。
運転者は運転免許証を、どんなときに警察官から提示を求められるのでしょうか?前述した道路交通法第95条第2項の「第67条第1項又は第2項の規定による」を見てみましょう。
警察官は、車両等の運転者が第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第四項から第七項まで又は第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までの規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
2 前項に定めるもののほか、警察官は、車両等の運転者が車両等の運転に関しこの法律(第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第四項から第七項まで及び第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までを除く。)若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分に違反し、又は車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊(以下「交通事故」という。)を起こした場合において、当該車両等の運転者に引き続き当該車両等を運転させることができるかどうかを確認するため必要があると認めるときは、当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
以上の理由から運転免許証の提示を求めると定めています。つまり警察官が運転免許証の提示を求めるのは事故防止のためなのです。
では、警察官の求めに応じることができず、免許証不携帯であることが発覚した後はどうなるのでしょうか。
違反点数:なし
反則金:3,000円
出典:警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警察官は運転免許証不携帯者から名前と住所を聞き取り、警察無線で運転免許証を取得しているかどうかを確認します。確認がとれた後、警察官は交通違反告知書(「青切符」といわれるものです)にサインするよう指示します。それが、違反行為を認めたというしるしになります。実際に運転免許を取得していることを確認できた場合は、そのまま運転して帰ることが、認められるケースが多いようです。
交通違反告知書は運転者に交付され、後日、反則金3,000円を納付することになります。なお、交通違反の加点はありませんので、ゴールド免許を持っている場合、他に違反がなければ、次回の運転免許更新でゴールド免許は維持されます。
自動車保険についても、免許所不携帯の他に違反や事故がなければ、次回の更新時に自動車保険のゴールド免許割引がそのまま適用されるということになります。
また、事故を起こしたときに免許不携帯であった場合でも、点数が懲罰的に増えるということはありません。
免許証不携帯は反則金3,000円のみ、と軽微な違反に該当します。
しかし、警察官による「免許証の提示」の指示は、重大な事故につながる危険性や、さらなる事故を防止するために行うことがわかります。 そのような場面で「免許証を持っていない」「うっかり忘れました」ということがないように、運転するときはドライバーの責任として、運転免許証を忘れずに携帯しましょう。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
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