更新日:2023年6月1日
公開日:2020年9月28日
自動車保険は、3年契約や5年契約など、長期契約をすれば保険料がお得になるという話を聞いたことがあるかもしれません。
では、契約期間によって保険料はどのように変動するのでしょうか?
自動車保険の長期契約のメリットやデメリット、途中解約の可否などについてご説明します。
自動車保険は1年間で満期を迎える契約が一般的です。
しかし、なかには3年や5年、7年の期間で契約を行う、「長期契約の自動車保険」と呼ばれる保険があります。
長期契約の自動車保険は、1年契約の自動車保険とは異なる特長がいくつかあります。3年契約の保険を例に、1年契約との違いを確認してみましょう。
1年契約 | 3年契約 | |
---|---|---|
保険料 | 1年ごとに保険料が変わる | 保険料は3年間変わらない |
手続き | 1年ごとに手続きが必要 | 毎年の手続きが不要 |
自動車保険を契約し直さなくてもよいので、毎年の自動車保険の見直しや、継続手続きの手間も軽減できるでしょう。
保険会社によっては、長期契約の保険料を一括払いすると割引が受けられるケースがあります。保険料の割引を受けられる点も、長期契約のメリットです。
長期契約を結ぶと、契約期間中に保険料率が改定されても、追加で保険料を支払う必要はありません。契約期間は、契約時の保険料が維持されます。
長期契約の自動車保険では、事故を起こした場合であっても、契約期間中は等級もダウンせず、事故有係数も適用されません。そのため、契約期間中に保険料が上がらない点も、長期契約のメリットといえるでしょう。
自動車保険の長期契約にはメリットがある一方で、デメリットもあります。長期契約の主なデメリットは次のようなものです。
5年、7年などの長期契約の自動車保険が用意されているのは、代理店型のみです。
代理店型の自動車保険に加入するためには代理店の担当者と面談し、保険の内容を相談しながら加入の手続きを進めなければなりません。
また、代理店の手数料が加算される分、通販(ダイレクト)型に比べて保険料が高くなる傾向にあります。
「保険料をなるべく安く抑えたい」「インターネット上で、手軽に保険の手続きを行いたい」という方にとっては、この点も長期契約のデメリットとなるでしょう。
長期契約は一括払いすることで保険料が割引になるものの、「代理店型」の自動車保険の場合、一般に「通販(ダイレクト)型」よりも保険料が高い傾向にあります。保険料の比較をしたいのであれば、「代理店型」と「通販(ダイレクト)型」の見積書を出してみるのがよいでしょう。
長期契約の自動車保険の場合、契約期間中に免許の更新があり、ブルー免許からゴールド免許になったとしても、契約が満了するまでは「ゴールド免許割引」は適用されません。
このように、長期契約では、契約期間中に条件を変更して保険料を安くすることはできません。
保険料率の改定で保険料が下がった場合も、契約満了までは保険料が下がりません。長期契約では、契約期間中の保険料は変わらないのです。
契約満了までは保険料が上がらない一方、保険料を安くすることもできないのです。
長期契約では、契約期間中に事故を起こしても、契約満了までは保険料が上がりません。
しかし契約期間満了後には事故を起こした分、等級は下がり、事故有係数も適用されます。
したがって、3年や5年などの長期契約期間中に何度も事故を起こしてしまった場合、次の契約時には等級が大きくダウンし、保険料が大幅に高くなってしまう可能性があります。
メリット | デメリット |
---|---|
契約期間中は事故を起こしても保険料が変わらない | 事故を起こした場合、次の契約時の保険料が大幅に高くなる可能性がある |
更新手続きの手間が減る | 契約期間中に、保険料を安くする条件変更はできない |
ノンフリート等級別料率がアップしても保険料は上がらない | 契約期間中に保険料率が下がっても、保険料は下がらない |
一括払いの割引を受けられる | 代理店型の保険しか選べない |
自動車保険を契約する際には、長期契約のメリットとデメリットをしっかり理解し、自分に合った保険会社や契約期間を選ぶことが大切です。次のようなケースに当てはまる方は、長期契約がおすすめです。
自動車保険の更新を忘れてしまうことに不安を感じる方や、毎年の更新手続きを煩わしく感じている方の場合は、長期契約が向いているでしょう。
ただし数年後に、車を乗り換える、もしくは運転をやめる可能性がある場合は、保険会社での手続きが必要になるため長期契約はおすすめしません。
長期契約だからといって、保険料が大幅に下がる可能性があるとは言い切れず、また1年契約に比べ保険金を請求しやすいというわけでもありません。
自動車保険を選ぶ際には短期・長期といった契約期間ではなく、ご自身の要望にあった補償内容を提供している保険会社を選ぶことが大切だといえるでしょう。
通販(ダイレクト)型の自動車保険は代理店を通さないことで中間コストを削減し、リスクを細分化して保険料を設定しているため、無駄のないリーズナブルな保険料を実現しています。
長期契約を結ばなくても、保険料を抑えられ、ご自身に合った補償内容を受けることができるのです。
保険料を抑えたいと考えている場合は、通販(ダイレクト)型の自動車保険も検討してみるとよいでしょう。
現在、長期自動車保険に加入している方のなかには、通販(ダイレクト)型自動車保険への変更を検討している方もいるかもしれません。
自動車保険は満期になってから乗り換えるのが基本といわれていますが、契約期間満了前に解約することができないわけではありません。
長期契約を解約し、別の保険会社への乗り換えることも可能です。
ただし長期契約を途中で解約し、保険会社を乗り換える場合は、以下の点で注意が必要です。
満期日をもって解約し、新たに乗り換える場合 | 現在の等級が適用され、新しい保険会社に引き継げる。 |
---|---|
満期日を待たずに、新たに乗り換える場合 | 契約期間中の乗り換えとなるため、解約時と同じ等級(保険期間中に保険金の支払を受ける事故がある場合は、その内容に応じて減じた等級)となる。 |
解約したものの、解約日の翌日から起算して7日以内に保険始期の契約をしなかった場合 | 新規契約の6等級からのスタートとなる。 |
自動車保険の契約をいったん中断する場合は、中断証明書をもらっておきましょう。
また中断証明書については、各自動車保険会社によって条件が異なる場合があります。
加入している保険会社に、確認しておきましょう。
自動車保険を解約した場合に、違約金は発生しません。
また、保険料を支払い済みの場合は返金されますが、解約返戻金の計算方法は会社によって異なります。解約返戻金がどのくらいになるのかは、事前に保険会社に確認しておくとよいでしょう。
自動車保険は1年契約でも長期契約でも途中で他社に乗り換えた場合に、違約金も発生せず、未経過期間の保険料は返還されます。ただ1年間、事故がなく終了した時点で1等級ずつ上がるため、途中で自動車保険の乗り換えをすると、等級アップの点では不利になることを十分理解しておきましょう。
自動車保険には1年ごとの契約の他、3年・5年・7年など契約する長期契約の方法もあります。
ただし長期契約の自動車保険を扱っているのは、代理店型のみです。
長期契約にはメリットもある一方で、デメリットもあります。
契約内容が自分に合わないと感じた場合は、途中解約をし、通販(ダイレクト)型の自動車保険に乗り換えることも検討してみましょう。
※記載の情報は、2023年4月20日時点の内容です。
ファイナンシャル・プランナーで一児の母。大手損害保険会社を経て2010年に独立開業。
個別相談や執筆、セミナー講師として活躍中。企業研修や女性向けに賢いお金との付き合い方を伝えている。
K'sプランニング代表/一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
CFP®、一級ファイナンシャル・プランナー技能士
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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