更新日:2023年8月22日
公開日:2015年10月21日
自動車保険は契約途中でも解約・保険の切り替えが可能です。ただし、契約途中で解約・切り替えした場合、等級の進行が遅れる場合があります。自動車保険を解約する場合は、満期日などを考慮してタイミングを判断することが大切です。
本記事では、自動車保険を解約する場合のデメリットや解約返戻金などについてご説明します。自動車保険の解約を検討している方は、ご参考にしてみてください。
自動車保険は契約の途中でも解約ができます。契約の途中で解約したあと、新しい保険会社に切り替えることも可能です。
ただし、自動車保険を解約する場合は、満期を待ってからのほうが手続きをスムーズに行えます。等級の進み具合などを考えると、満期日に保険を切り替えたほうがよいケースもあります。
任意保険を解約した場合は、支払われた保険料から保険会社が定めた料率によって計算した保険料を差し引き、その残額が契約者に返金されます。未経過期間分の保険料の全額が返ってくるわけではありません。
自動車保険を解約すると、解約返戻金を受け取ります。解約返戻金とは、保険を解約した場合に返還されるお金のことです。
チューリッヒの場合、保険料の支払いを「一括払い」「分割払い」のいずれを選択しているかによって、保険期間のうち既経過の期間を差し引いた分の保険料が解約返戻金として返還されます。
解約返戻金は、残りの保険期間に応じて短期(料)率で計算されます。「短期(料)率」は、契約期間中に解約する場合に、返還保険料を計算するために用いられる係数のことです。
チューリッヒの「スーパー自動車保険」の契約を解約する場合、適用される短期料率は以下の通りです。
既経過期間 | 短期料率(年払い) |
---|---|
7日まで | 10% |
15日まで | 15% |
1ヵ月まで | 25% |
2ヵ月まで | 35% |
3ヵ月まで | 45% |
4ヵ月まで | 55% |
5ヵ月まで | 65% |
6ヵ月まで | 70% |
7ヵ月まで | 75% |
8ヵ月まで | 80% |
9ヵ月まで | 85% |
10ヵ月まで | 90% |
11ヵ月まで | 95% |
2023年6月記事執筆現在 チューリッヒスーパー自動車保険 普通保険約款/特約条項<別表4>
たとえば年間10万円の保険料(一括払い)を6ヵ月で解約する場合を考えてみましょう。上の表では「6ヵ月まで」の短期料率が70%となっています。70%は保険会社が収納する割合、つまり契約者が支払う分になります。残りの30%が解約返戻金として返ってくる金額です。今回の例では、以下の計算式の通り3万円が返還されます。
6ヵ月は1年の半分であるため、保険料の半額、今回の例の場合であれば10万円の半分である5万円が返還されると想定する方もいるかもしれません。しかし実際は、未経過期間分の保険料より返還される保険料は少なくなります。
解約日は1日でも超えると、1ヵ月進んだ短期料率が適用されます。6ヵ月までの解約であれば短期料率が70%ですが、6ヵ月までを過ぎると短期料率は75%です。そのため、解約日は保険始期日と同じ「日」に解約することがおすすめです。たとえば保険始期日が6月10日であれば、毎月10日までに解約するとよいでしょう。
分割払い(月払い)の方が解約する場合は、解約までの保険料を支払います。
日割り計算ではないため、一括払い(年払い)と同様に、保険始期日と同じ「日付」までに手続きを行わなければ、支払う保険料が1ヵ月分増えます。
たとえば5月10日に契約して1ヵ月で解約する場合、6月10日までに解約すれば支払う保険料は1ヵ月分のみですが、6月11日を過ぎるとさらに1ヵ月分支払わなければなりません。解約する場合は、タイミングを考慮することをおすすめします。
自動車保険を解約した場合、これまでの等級の扱いが気になる方がいるかもしれません。
自動車保険は原則として6等級から開始され、1年間無事故であれば等級がひとつ上がります。無事故で何年も保険契約をしていれば割引率が上がるため、解約した際に等級が下がることを心配する方は少なくありません。
契約途中で解約する場合、転勤により車に乗らなくなるなどの理由で、「一旦解約する」と「他社の保険会社に切り替える」の2つのケースが考えられます。ここでは、それぞれのケースにおける等級の扱いを説明します。
「海外転勤や引越しなどで車を手放す」「長い期間車に乗らなくなったため、保険を解約する」といった場合、中断証明書を発行すれば等級を維持できます。
自動車保険の等級は、一般的に解約日の翌日より起算して7日以内に新契約を開始されない場合は、等級の引継ぎができなくなります。次回契約する際に6等級からのスタートとなります。つまり、解約するだけではこれまで積み上げた等級がリセットされてしまいます。
解約時に「中断証明書」を発行してもらうと、10年間は等級を維持できます。
解約して他社の自動車保険に切り替えるとき、満期日をもって他の保険会社に切り替えれば、そのまま等級を引継げます。
チューリッヒの場合、解約日の翌日より起算して7日以内に新契約を開始されない場合は、等級の引継ぎができなくなります(ただし、5等級以下、ならびに事故あり係数適用期間は13ヵ月の間引継ぐことがあります)。
ノンフリート等級制度は損害保険会社によって一部異なる場合がありますので、契約する保険会社でのご確認をおすすめします。
自動車保険を途中で解約した場合、保険料や等級の進行においてデメリットがあります。ここでは、それぞれのデメリットを説明します。
保険を解約すると、残りの保険期間に応じて保険料が返金されますが、未経過期間分の保険料の全額が返ってくるわけではありません。
チューリッヒの場合、保険料が「一括払い」か「分割払い」かにより、契約してから経過した期間を差し引いた分の保険料が「解約返戻金」として返還されます。ただし、解約返戻金は日割り計算ではないため、未経過期間分の保険料よりは原則として少なくなります。
返戻金の計算方法は保険会社によって異なります。解約した場合の返戻金を確認したい方は、契約している自動車保険のウェブサイトなどで確認してみましょう。
自動車保険を途中解約した場合、満期日に合わせて解約したときよりも等級の進行が遅れる可能性があります。
自動車保険の「ノンフリート等級」は、1年間の保険期間中に保険を使う事故を起こさなければ、次の契約で1等級上がり、保険料の割引率も上がるしくみです。しかし、契約の途中で解約して他社の保険に切り替える場合、切り替え先の自動車保険の等級は上がりません。そのため、満期日に合わせて解約したときよりも等級の進行が遅れてしまう可能性があります。
たとえば現在15等級で満期日が来年の4月末だとします。事故を起こさなければ来年5月には16等級に上がります。等級が上がったタイミングで解約して、次の年も無事故であれば再来年には17等級に上がります。
しかし、満期日前に保険会社を切り替えた場合、等級を引き継いで乗り換え、1年間無事故であったとしても16等級に上がるのは次の更新のタイミング以降となるため、結果として15等級の期間が長くなります。
自動車保険を解約する場合、「解約はいつがよいのか」「いつまでにしなければならないのか」など気になる方がいるかもしれません。
ここでは、解約する際に知っておきたい注意点を説明します。解約するタイミングによっては保険未加入の期間ができるかもしれません。また、保険を切り替える場合は重複して契約されることがないよう、現在の保険の解約日と加入する保険の保険開始日を一致させることが大切です。
自動車保険を他社に切り替える場合、タイミングによっては解約日から新保険の契約始期日までに8日以上の空白期間が発生する可能性があります。
8日以上の空白期間があると等級がリセットされます。切り替え先の保険では6等級からのスタートとなり、割引率が下がるため保険料が高くなるかもしれません。
また空白期間は無保険であるため、事故を起こしても保険を使えません。無保険中の事故や故障は自己負担になります。無保険の期間がないよう、余裕を持って手続きすることが重要です。
転勤や引越しによって車に乗らない期間(保険に契約しない期間)が8日以上になる場合や、古い車を廃車にして新車が納車されるタイミングが8日以上になる場合、解約するだけでは等級がリセットされてしまいます。
車を一時的に使わなくなった場合や保険に契約しない期間が8日以上になる場合は、解約手続きと同時に中断証明書を発行してもらえば、最長10年等級を維持できます。
中断証明書を発行できる条件には、以下のようなものがあります。
中断証明書を発行したい場合は、契約中の保険会社に条件を確認するとよいでしょう。
満期日に合わせて保険会社を切り替える場合も、解約手続きを行う必要があります。
元々契約していた保険が自動更新でない場合、更新手続きをしなければ勝手に解約されると思っている方もいるかもしれません。しかし、「更新しない=解約される」というわけではなく、解約手続きをせずに新保険を契約すると二重契約になる恐れがあります。
二重契約になると、切り替え先の保険契約が無効になるなど、手続きに手間がかかる場合があります。保険会社を切り替える場合は、元々契約していた保険の解約忘れに注意しましょう。自動車保険が自動継続となっている場合は、更新しない旨を保険会社に連絡するようにしてください。
自動車保険を解約する方法は保険会社によって異なりますが、一般的には以下の通りです。
チューリッヒの場合は契約者ご本人からの電話のみで受け付けています。保険会社によっては、代理店へ書類を提出することで解約できるところもあります。解約手続きをする際は、現在の保険証券や車検証が必要です。
自動車保険を解約したいものの、「保険会社に解約することを伝えにくい」といった場合があるかもしれませんが、その場合は満期を迎えたタイミングで解約するとよいでしょう。保険会社によっては、満期を迎えて継続手続きがなければ、契約終了となるところがあります。
自動車保険の切り替えは、空白期間ができないように余裕を持って手続きすることが大切です。保険を切り替える場合は、満期日などを考慮しながら解約手続きを行いましょう。
満期日に切り替える場合、早めに切り替えることを前の保険会社に伝えましょう。定められた期限までに新しい保険会社に乗り換える意志を伝えれば、電話連絡だけで完了し、解約手続をする必要がないためさらに手続きがスムーズです。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
チューリッヒの場合は、契約者ご本人からの電話のみで解約を受け付けています。保険会社によってはウェブサイトや代理店で手続きできるところもあります。
自動車保険を途中解約しても、違約金は発生しません。
原則できません。チューリッヒの場合、契約者本人からの電話で解約手続きが可能です。
自動車保険は過去に遡って解約できません。満期日が近づいてきたら早めに保険会社に連絡して解約の旨を伝えましょう。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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