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自賠責保険を使うとどうなる?保険料は上がる?デメリットは?

更新日:2023年4月25日

公開日:2022年10月26日

自賠責保険は、全ての自動車(自動二輪車・原付含む)に、法律で加入が義務付けられている強制保険です。
もし、事故を起こして自賠責保険を使うとすると、保険料はどうなるのでしょうか。

自賠責保険と保険料について踏まえたうえで、そのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

ポイント

  • 事故の加害者となり、自賠責保険を使った場合も、保険料が上がることはありません。
  • 補償の対象は、人身事故による損害に対してのみです。
  • 後遺障害については、障害の程度に応じた限度額の範囲で保険金が支払われます。
  • 被害者1名につき支払限度額が定められており、増額することはできません。
  • 加害者との示談交渉が難航していても、被害者が直接、保険金の支払いを保険会社に求めることができます。

自賠責保険を使うとどうなる?保険料は上がる?

交通事故で加害者となり、自賠責保険を使い被害者側に保険金が支払われた場合、保険料は上がるのでしょうか。

次の表は、主な車種と期間ごとの自賠責保険料をまとめたものです。

自賠責保険料 

60ヵ月 48ヵ月 36ヵ月 24ヵ月
自家用乗用自動車 23,690円 17,650円
軽自動車 23,520円 17,540円
軽二輪
(125ccを超250cc以下)
14,200円 12,470円 10,710円 8,920円
原動機付自転車
(125cc以下)
13,310円 11,760円 10,170円 8,560円

損害保険料率算出機構「自賠責保険基準料率表」 をもとに表作成

※令和5年4月1日以降に保険の有効期間を開始した保険契約に適用されます。

※沖縄県、離島などの一部地域については、上記保険料例と異なります。

※2023年4月更新

このように、自家用乗用自動車から原付まで車種や期間ごとの自賠責保険の保険料は一律となっています。

そして任意保険にある等級制度はありません。事故を起こして自賠責保険を使ったからといって保険料が上がってしまうことはありません。

ファイナンシャル・プランナー 水野 圭子

自賠責保険の保険料はどの保険会社でも一律の金額であり、新車の場合は36ヵ月、中古なら24ヵ月で更新となります。

自賠責保険の更新。いつから?コンビニでも更新できる?

自賠責保険だけの補償に頼るとデメリットはある?

自賠責保険(共済)は、交通事故による被害者の救済を目的とした保険です。

このため交通事故の加害者になった場合には、自賠責保険だけではカバーしきれない範囲が生じます。

ここでは、自賠責保険だけの補償に頼るデメリットについて見てみましょう。

被害者の身体への損害に対してのみの補償

自賠責保険が適用されるのは、事故によって他人を死傷させた場合です。

補償されるのは人身事故による損害のみで、物損事故は対象となりませんので、注意してください。

なお、自賠責保険の特徴は、以下の通りです。

  • 年齢や事故歴が影響せず、保険料が一律
  • どの保険会社でも補償内容が変わらない
  • 人身事故のみが対象であり、補償範囲が狭い
  • 損害に応じて支払われる保険金が少ない。加害者になった場合、自賠責保険ではカバーできないことがある
  • 被害者に100%過失がある、悪意があるなど免責に該当する場合、保険金が支払われない
ファイナンシャル・プランナー 水野 圭子

事故の相手が、任意の自動車保険に未加入というケースがあります。その際に自賠責保険で被害者請求はできますが、車の修理などは対象外となります。

補償に限度額がある

自賠責保険は、被害者1名につき支払限度額が定められています。

自賠責保険の限度額

  • 傷害による損害 被害者1名につき120万円
  • 死亡による損害 被害者1名につき3,000万円

この他、後遺障害の状態によって、決められた額の逸失利益および慰謝料等が支払われます。

複数の被害者がいる場合でも1名あたりの支払限度額が減らされることはないものの、一方で限度額以上の補償がないことを覚えておきましょう。

免責に該当すると、保険金が支払われない

「免責」とは、交通事故によって損害が発生しても保険会社が保険金を支払う責任を負わないことをいいます。

自賠責保険においては、被害者の責任が100%となる次のような場合には「無責事故」となり、相手車両の自賠責保険金の支払対象にはなりません。

無責事故の三大要因

  • 被害車両のセンターラインオーバーによる事故
  • 被害車両が赤信号を無視したことによる事故
  • 追突した側が被害車両となった事故

自賠責保険と任意保険。保険金支払い時の優先順位について

自賠責保険とその他の自動車保険(任意保険)を組み合わせて契約している場合、万が一の事故の際にはどのような扱いになるのでしょうか。

自賠責保険と任意保険の対人賠償責任の関係

任意保険は、自賠責保険では、補償しきれない損害をカバーするための保険です。自賠責保険で支払われる額を超えるような大きな損害が発生した場合、その超過分をカバーするために、自賠責保険に「上積み」する形で加入するのが任意保険です。

任意保険に入っている場合の優先順位は?

したがって、自賠責保険から優先して損害賠償を負担します。

自賠責保険では十分でない損害賠償額になることが多く、自賠責保険から支払われる保険金を超えた部分を任意保険でまかないます。

また任意保険会社の対人賠償保険を使用することで、以下のようなメリットも受けることができます。

  • 一括払い制度(任意保険会社が治療費・慰謝料などの損害賠償金をまとめて一括して支払う制度)を利用することができる。
    一括払い制度は、法律や保険約款に決められたものではなく、任意保険会社が被保険者の利便と被害者救済の迅速化を図るために行われるものです 。
  • 示談交渉サービスを利用することで、被害者への対応を解決まで継続して任せることができる。

任意保険に加入することで賠償金の補完のみならず、さまざまなメリットを得ることができます。

また、任意保険は自賠責保険の対象でない、物損事故などの対物賠償でも保険が支払われるため、幅広く損害をカバーします。

車を運転するうえで加入義務のある自賠責保険はもちろんのこと、任意保険にも加入することは、非常に大切なことだといえるでしょう。

ファイナンシャル・プランナー 水野 圭子

一般に自賠責保険で一定割合の支払いが優先され、その後に任意の自動車保険の請求がされます。

まとめ

今回は自賠責保険の考え方を踏まえたうえで、保険料や保険金の支払いなどについてご説明しました。

自賠責保険は、被害者救済を目的とする保険です。たとえ自賠責保険を使っても、保険料が上がるものではありません。

自賠責保険の特徴について十分理解したうえで、任意保険も組み合わせながらご自身に最適な保険プランを選んでください。

※記載の情報は、2023年4月時点の内容です。

自賠責保険のよくあるご質問

Q自賠責保険を使いたい。示談交渉は、してもらえるの?
A自賠責保険は任意保険と異なり、相手側と示談交渉は行っておりません。仮に示談が難航した場合は交渉をいったん中止し、被害者が自賠責保険に直接請求することができます。
Q事故を起こしたら、自賠責保険の保険料も上がるの?
A自賠責保険は自家用乗用自動車から原付まで保険期間ごとの保険料は一律です。
事故を起こして自賠責保険を利用しても、保険料が上がってしまうことはありません。

※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。

※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。

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