更新日:2023年3月2日
公開日:2020年7月12日
自賠責保険は、公道を走るすべての自動車やバイクに加入が義務付けられています。
契約している自賠責保険で支払われる保険金額はいくらか、また補償内容などについてもご説明します。
自賠責保険で支払われる保険金額と補償内容について確認します。
自賠責保険は、交通事故の被害者救済を目的として設けられた保険です。
補償の範囲は対人賠償に限定され、自動車事故で死亡やケガをした被害者に対して保険金の支払いが行われます。
対物補償や事故の当事者である運転手などは、保険金の支払いの対象にはなりません。事故を起こした車の被保険者でなければ、同乗者の死亡・ケガも自賠責保険の保険金の支払いの対象となります。
自賠責保険では、物損事故は補償の対象とはなりません。
自賠責保険の保険金の支払いの対象は、人身事故による損害のみに限定されています。
自賠責保険は自動車の運行による人身事故の被害者を救済することを目的とした保険であるため、物損事故は保険金の支払いの対象外となっているのです。
自賠責保険の補償内容は被害者がケガをした場合、後遺障害を負った場合、死亡した場合に分かれます。
自動車事故でケガをした場合は、治療に関わる費用をはじめ、仕事を休業した場合の損害、慰謝料などが補償されます。
支払い基準 | |
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治療費 | 診察、入院、手術、投薬など治療に要する費用の実費。 |
看護料 | 入院1日4,200円、自宅看護か通院1日2,100円。これ以上の収入減の立証で近親者19,000円、それ以外は地域の家政婦料金を限度に実額。 |
諸雑費 | 入院の際の雑費として1日1,100円。 |
通院交通費 | 通院に要した実費。 |
義肢等の費用 | 義肢や義眼、眼鏡、補聴器、松葉杖などの実費。眼鏡の費用は50,000円が上限。 |
診断書などの費用 | 診断書や診断報酬明細書などの発行手数料が実費。 |
文書料 | 交通事故証明書や印鑑証明書、住民票などの発行手数料が実費。 |
休業損害 | 事故による傷害で発生した収入の減少の場合、原則として1日6,100円。それ以上の収入減を証明すると19,000円を限度に実額。 |
慰謝料 | 1日4,300円。対象日数は被害者の傷害の状態、実治療日数などを考慮し治療期間内で決定。 |
※2023年1月執筆現在
自動車事故で神経系統の機能障害など後遺障害が残った場合は、障害によって失った利益と慰謝料などが補償されます。
支払い基準 | |
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逸失利益 | 身体に障害が残り収入が減る場合は、収入および障害の各等級(第1〜14級)に応じた労働能力喪失率と喪失期間などによって算出。 |
慰謝料等 | 上記①は(第1級)1,650万円、(第2級)1,203万円。初期費用として(第1級)500万円、(第2級)205万円が加算。②は(第1級)1,150万円〜(第14級)32万円。いずれも第1〜3級で被扶養者がいれば増額。 |
※2023年1月執筆現在
不幸にも被害者が死亡した場合は、葬儀費用、遺族への慰謝料、被害者が死亡したことによる損失額などが補償されます。
支払い基準 | |
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葬儀費 | 通夜、祭壇、火葬、墓石などの費用として100万円。 |
逸失利益 | 収入や就労可能期間、被扶養者の有無などを考慮し、算出。 |
慰謝料(被害者本人) | 400万円。 |
慰謝料(遺族 *被害者の父母、配偶者及び 子どもの人数により異なる) |
請求者1名で550万円、2名で650万円、3名以上で750万円。被害者に被扶養者がいるときは、さらに200万円。 |
※2023年1月執筆現在
自賠責保険で支払対象外になるのが、契約者や被保険者による故意によって生じた損害です。また被害者に重大な過失があった場合も、減額されます。
自賠責保険は、自動車事故の被害者救済の目的で設けられたものです。
そのため保険金額は自動車事故で死亡、ケガをした被害者の人身に対する基本補償を確保するための金額です。
法令で定められた一定の保険金(共済金)などの限度額の範囲内で支払われます。
万が一事故に遭遇した場合、自賠責保険でいったいどのくらいの補償がなされるのか、自賠責保険の保険金額の支払基準と限度額をいま一度確認しておきましょう。
自賠責保険で、最低限の被害者の補償は確保できます。ですが、事故により、人を死傷させたり、物への損害などでも数百、数千万円の請求額となるケースもあります。車を運転するうえでトラブルの可能性があるため、自賠責保険と併せて任意保険も契約して備えておきましょう。
自賠責保険は、すべての自動車やバイクに加入が義務付けられている保険です。
自賠責保険は、交通事故による被害者の救済を目的として設けられた保険であり、補償の対象は対人賠償に限定されます。
物損事故や事故の当事者である運転者のケガなどは、補償の対象にはなりません。
また自賠責保険の保険金額は、ケガをした場合、後遺障害を負った場合、死亡した場合に分けられて支払基準と限度額が定められています。
万が一の事態に備え、自賠責保険で補償される内容について再度確認をしておきましょう。
※記載の情報は、2023年1月10日時点の内容です。
ファイナンシャル・プランナーで一児の母。大手損害保険会社を経て2010年に独立開業。
個別相談や執筆、セミナー講師として活躍中。企業研修や女性向けに賢いお金との付き合い方を伝えている。
K'sプランニング代表/一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
CFP®、一級ファイナンシャル・プランナー技能士
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
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