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車高調とは。調整方法と乗り心地。異音と寿命。車検について

車の車高の高さを調整するとさまざまなメリットがありますが、注意点や故障に関しても覚えておく必要があります。

本記事では、車高調(車高調整)の基本知識と異常について、さらに車高調の種類もご説明します。

車高調とは

車高調とは「車高調整式サスペンション」の略称です。
正式名称からもわかるように、車高の調整をするサスペンションを意味します。

車高調にはいくつかの種類があり、それぞれで特徴が異なります。

また、車高調を取り付けることで、減衰力といってサスペンションの動作を制限する力を調整することも可能です。
減衰力調整をすることで、乗り味やハンドリングを自分好みにすることができます。

減衰力の調整段階も車高調の製品により異なり、10数段階の調整のものから40段階ほどまで調整できるタイプがあります。

ハードに調整すると、クイックで爽快なハンドリングになります。
一方でソフトに調整するとしなやかで快適な乗り心地になり、街中走行に適します。

高速道路の走行が多い場合は、中間に調整するとフラットライド感のある走りになります。
また、減衰力調整は、乗り心地を変えるだけではなく、ロールやピッチングをおさえ、直進安定性を高めるなどの効果があり、走行機能の向上に重要な役割を果たしています。

車高調の種類と調整方法

車高調には以下の3つの種類があります。

それぞれの特徴や調整方法をご説明します。

種類 車高の調整方法 メリット デメリット
Cリング式車高調 ショック本体の溝にC型リングをはめ込んで調整。 価格が最も安い。 車高の調整幅がショックの溝に従い、一定の間隔でしか調整できない。車高の調整に手間がかかる。
ネジ式車高調 スプリング下部の受け皿であるロワシートを上下させ、ばねの取り付け位置で調整。 構造が単純で安価な製品が多い。車高調整が容易。 ローダウンにする際にストローク量が減ることで乗り心地が悪化。プリロードのかかりすぎで跳ねるようになるなどショックの寿命を縮めることがある。
全長調整式車高調 ショック下部の車体に取り付ける部品であるロワブラケットを上下させ、サスペンション自体の長さを変えて調整。 車高調整時にストローク量が変化しないため、ショックの性能を発揮できる。プリロードの変化もなく、乗り心地や走行性などを低下させない。調整可能な範囲が広く、自由が利く。 構造が複雑なため高価な製品が多い。

車高調に共通するのは車高を調整することです。

それぞれメリットやデメリットが異なりますので、どのような種類の車高調を取り付けるのか、参考にしてみましょう。

車高調の寿命

車高調は、取り付けた後に走行状況や走行期間などで寿命をむかえます。

車高調がどれくらいの走行距離で寿命となるのか、また、寿命のサインとなる症状をご説明します。

どのくらいの走行距離で寿命となるか

車高調の寿命は走行距離が3万キロメートルといわれています。

しかし、これは街乗りが中心の場合の目安です。
使用方法によって異なるので注意しましょう。

車高調のショックアブソーバー(ダンパー)の状態は、走行距離や使用年数だけでは判断が難しくなっているため、定期的に確認することが望ましいです。

異変や不具合を感じてからでは、再利用ができなくなることがありますので、定期的なオーバーホールを心掛けましょう。

寿命のサイン

車高調の寿命のサインは、主に以下の症状になります。

  • 常時、異音がする
  • 段差を乗り越えるときや乗り越えた後に異音がする
  • ハンドル操作時に異音がする
  • 乗り心地が悪くなった など

特に異音がするときは、車高調の寿命を知らせるサインである場合がありますので、異音がしないかを確認してみましょう。

車高調の異常と原因

車高調の異常には、異音やオイル漏れがあります。

車高調の異音とオイル漏れの原因をご説明します。
大きなトラブルになる前に、オーバーホールしましょう。

異音

異音は走行時の状況と音の様子で原因が変わってきます。

段差を乗り越えるときや乗り越えたあと

  • 何かが外れているような「コトコト」「ガタガタ」と音がする場合は、スプリングの干渉やピロボールの摩耗、ダンパー内部部品が摩耗している可能性があります。
  • 金属同士があたるような「ガンガン」「ゴンゴン」と音がする場合は、ダンパーの縮み側のストロークの不足やアーム類の車体への干渉、もしくはダンパー内部部品が摩耗している可能性があります。

マンホールなどにタイヤを乗り上げたとき

  • ゴムがすれるような「キュッキュー」という音がする場合は、車高の変化などによる4輪ホイールアライメントがずれている可能性があります。

ハンドル操作時

  • 何かが干渉しているような「ゴリゴリ」「ガリガリ」という音がする場合や、軋むような「ギシギシ」「ギーギー」と音がする場合、ダンパーが車体と干渉していることが考えられます。
    他の部品同士の干渉や、部品内部に異物が入っている可能性もあります。

常時、異音がする

  • 「コトコト」「ガタガタ」という音の場合は、ダンパーのネジ類のゆるみが考えられます。

オイル漏れ

車高調の部品であるショックアブソーバ内には、オイルが入っています。

そのオイルが漏れると、減衰力の低下を招くエアレーション※を起こしやすくなります。
また、オイル漏れがある状態だと、車検に通らないので注意してください。

新品の車高調を取り付けた場合は、製造時のグリスや油脂類がついていることがありますが、継続的なオイル漏れがあるかどうかを確認する必要があります。

※オイルに気体が混入してしまう現象

車検の車高調査

車高調の部品からオイル漏れがある場合は車検に通りません。

また、車高調を取り付けた場合は、車検時に車高検査が行われる際、国土交通省が定める保安基準第3条で規定される「最低地上高は9cm以上」が適用されます。

最低地上高は、車両の最も低い個所と地面との距離を指し、車両の最も低い部分が空車状態で地面から9cm以上離れていることが求められます。

まとめ

車高調は、車高を自由に変更できて、車のカスタマイズや乗り心地の向上を図ることができますが、車高調には寿命があります。
状況を確認しながら乗車しましょう。

車高調の異音やオイル漏れを確認した際は、早めに修理を行って安全に走行できるようにしてください。
また、車高調には3つの種類がありますので、自分にあったものを選びましょう。

最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。

※記載の情報は、2020年7月時点の内容です。

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