更新日:2022年10月5日
公開日:2020年12月3日
自動車保険における「免責事項」は、事故によって車の損害が生じた際に、保険会社による支払いが免除される事由や状況をさします。免責事項に該当する場合は保険金が支払われないため、被保険者が損害額を負担します。自動車保険を契約する際は、免責事項に該当する事故や補償の範囲を知っておくことが大切です。
当記事では「免責事項」の意味や、よく似た言葉である「免責補償」や「免責金額」との違いについて説明します。チューリッヒにおける免責事項も説明していますので、あわせてご確認ください。
自動車保険における「免責」とは、損害が生じた際に保険会社が保険金の支払義務を免れることをさし、免責の対象となる事由や状況を「免責事項」といいます。免責事項には、飲酒運転のように運転者自らが招いた事故や、地震・噴火・戦争による損害などが含まれます。
保険は事故にあったときに備えるためのものですが、すべての状況において保険会社が修理費用を補償するわけではありません。発生した損害が免責事項に該当する場合、保険会社は保険金を負担せず、契約者または被保険者が損害額を負担します。
免責事項とよく似た言葉に、「免責金額」「免責補償」「免責期間」があります。ここでは、それぞれの言葉の意味を説明します。
「免責金額」とは、一定金額以下の損害について被保険者自身が負担するものとして定める金額のことです。
補償する金額を限定することによって、被保険者の保険料の負担を抑えるために設けられています。
自動車事故は大きな損害が生じる事故や、数万円の修理代で済むものなど、さまざまです。軽微な損害も含めすべての補償を保険でカバーする場合、その分だけ保険料は高くなります。一方、免責金額を高く設定すると、万が一のときは自己負担が生じるかわりに保険料を抑えられます。
損害額が免責金額に達しない場合は全額契約者の自己負担となり、免責金額を超えた部分は保険会社が負担します。
たとえば免責金額は5万円で、自動車事故による修理代が3万円だったとしましょう。この場合、損害額が5万円以内に収まるため、被保険者が損害額である3万円を全額支払うことになります。
免責金額が5万円で、事故により15万円分の損害が発生した場合は、被保険者が免責金額分の5万円を支払います。保険会社は損害額から5万円を引いた残りの10万円を負担するしくみです。
免責金額が発生するのは、車両が修理可能な状態で、かつ修理費が時価額または保険価額を下回る「分損」の場合です。「車を盗難された」「事故にあった車が修理できない状態である」といった「全損」の場合は、免責金額が発生しません。
免責金額は保険会社や補償の内容によって異なります。保険を契約する際に、補償内容とあわせて免責金額を確認しましょう。
「免責補償」は、レンタカー利用時に加入する保険に「免責金額」が設定されていた際、本来なら被保険者が負担するべき免責金額を、免除する制度です。
多くのレンタカー会社では、万が一の事故に備えて免責補償の制度を設けています。免責補償の利用は任意ですが、利用しない場合は事故が発生したときの免責金額を被保険者が負担しなければなりません。レンタカーを運転する場合、慣れない車種で慣れない道を走ることもあります。事故を起こしたときの免責金額が気になる場合は免責補償を利用するとよいでしょう。
免責補償とは異なりますが、チューリッヒには免責金額を0円にできる免責ゼロ特約(正式名称:車両事故免責金額ゼロ特約)があります。車両保険に付帯できる特約で、「免責ゼロ特約」と「免責ゼロ特約(車対車)」の2種類があります。
免責ゼロ特約 |
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免責ゼロ特約(車対車) |
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上記のとおり、「免責ゼロ特約」は当て逃げや自損事故にも適用され、事故の形態に関わらず1回目の事故の免責金額がゼロになります。
「免責ゼロ特約(車対車)」は、他の自動車と衝突・接触して被保険の自動車に損害が生じた場合、かつ相手自動車の運転者または所有者を特定できた場合のみ、1回目の免責金額がゼロとなります。
当て逃げのように相手自動車の運転者や所有者が特定できない場合や自損事故には適用されません。
「免責期間」は、保険会社から被保険者に対する保険金の支払いを免責される期間のことです。自動車保険には免責期間が設けられていないことが多いですが、生命保険などで設けられることがあります。
たとえば、がん保険を契約してから3ヵ月目までを免責期間として設定している保険会社があります。これは、保険金の支払い対象となる状態で加入し、契約直後に保険金を受け取ることを防ぐためのしくみです。免責期間が設定されている場合は、期間中にがんの診断を受けたとしても保険金が支払われません。
免責事項は対物補償や対人補償、車両保険などそれぞれの補償に応じて設定されています。ここでは、対人・対物賠償保険、車両保険における免責事項を説明します。
基本補償となっているもののうち以下に該当した場合は、保険金が支払われません。あくまで基本補償のものが免責対象で、特約を付けることで補償される場合もあります。免責事項を知りたい場合は、約款の「保険金を支払わない場合」を確認しましょう。
対人・対物賠償責任条項では、以下の原因は免責事項に該当します。
上記の免責事項は一例です。保険に加入する際は補償される範囲と免責事項を確認し、必要に応じて特約の付加を検討しましょう。
車両保険では、事故発生時の修理代の補償を受けられます。しかし、以下の原因によって損害が生じた場合は免責事項に該当し、保険金が支払われません。
地震や噴火、またはこれらによる津波によって生じた損害は免責事項に該当します。災害による損害の補償を受けたい方は、「地震等による車両全損一時金特約」を検討してみてください。地震・噴火・津波によって車が全損となった場合に、損害額が50万円まで補償されます。
飲酒運転や無免許運転など、事故の原因が運転者による過失であると判断された場合は、免責対象となる可能性があります。欠陥やさびなど自然の消耗や、車上にない付属品も保険金では補償されないことを把握しておきましょう。
上記の免責事項は一例です。保険に加入する際は補償される範囲と免責事項を確認し、必要に応じて特約の付加を検討しましょう。
保険に加入する際は、約款などで免責事項を確認しましょう。保険に加入していれば、すべての損害に対して保険金が支払われるというわけではありません。免責事項に該当する損害は、契約者や被保険者の負担となるケースがあります。
免責事項に該当する損害内容でも、特約を付加することで補償される場合があります。ご自身が受けたい補償内容にあわせ、必要に応じて特約の付加を検討してみてください。自動車保険に加入する際には、約款や重要事項説明書を確認し、万が一のときに必要な補償を受けられるようにしておきましょう。
免責事項に当てはまるといざという時に保険金が支払われません。少なくとも車両保険の免責額と、パンフレットに書かれている「保険金をお支払いできない場合」という内容は必ず確認をしておきましょう。
資格:CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
保険契約書や約款で確認できます。
免責事項に記載されている場合は保険金が支払われません。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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