更新日:2024年9月4日
公開日:2016年3月19日
「免責」とは、損害が発生しても保険会社が保険金を支払う責任を負わないことをさします。
車両保険の免責金額は、車の修理にあたって被保険者などが自己負担する額のことです。自動車保険と車両保険における免責の意味についてご説明します。
事故などにより車が破損してしまった場合に、その修理代などを補償してくれるのが車両保険です。しかし、必ずしも保険会社が全額を補償しているわけではありません。
たとえば、地震・噴火・津波による車の損害は免責であり補償されません。つまり、地震によって車が全損した場合、その修理代などは補償されず、自己負担となってしまうのです。
また、事故で破損した車の修理代の一部を被保険者などが自己負担する場合もあります。その自己負担する金額が、「免責金額」と呼ばれるものです。
車両保険を付帯される際には、免責事項や免責金額のことも踏まえて契約内容を確認しておくことが大切です。
免責金額とは、被保険者などが自己負担する金額のことをさします。車両保険では、1回目の車両事故と2回目以降の車両事故における免責金額を組み合わせて選択します。
免責金額5万円とは、事故によって損害を受けた車を修理する際に、5万円分を自己負担するという意味です。
たとえば、事故によって40万円の修理代が発生し、免責金額が5万円だった場合、5万円は自己負担となり、残りの35万円が保険会社から保険金として支払われます。
免責10万円の場合は、車の修理代のうち10万円を自己負担します。40万円の修理代が発生した場合は、10万円を自己負担し、残りの30万円が保険金として支払われます。
免責なしとは、車両保険の免責金額を0円にすることです。チューリッヒの場合は、免責ゼロ特約を付帯することでご契約期間中の1回目の事故に限り免責金額をゼロ(0円)にすることができます。
免責金額(自己負担額)は、適用の等級などにより設定が異なります。
チューリッヒの場合、下表の通り4つのパターンがあります。
適用の等級 | 事故の回数 | 免責金額 (自己負担額) |
免責ゼロ特約 付帯の可否 |
---|---|---|---|
7〜20等級 | 1回目の車両事故 | 5万円 | ○ |
2回目以降の車両事故 | 10万円 | × | |
1〜6等級 | 1回目の車両事故 | 7万円 | × |
2回目以降の車両事故 | 10万円 | × |
免責ゼロ特約は、ノンフリート等級7〜20等級の方で、1回目の免責金額が5万円の車両保険にご契約いただいた方が付帯することができます。1〜6等級の方は付帯できません。
なお、自車が全損の場合は、この特約に関係なく免責金額は発生しません。
車両保険の免責金額を高くすると保険料は安く、免責なし(0円)にすると保険料は高くなります。免責を付けるか否かで悩まれるかもしれませんが、すべてを保険でカバーしようとしないほうがよいかもしれません。
保険に加入する際は、保険会社や契約内容によって免責金額の設定額が異なりますので、事前に確認をしましょう。また、免責ゼロ特約を付帯すると保険料が高くなる点にも、注意が必要です。
車両保険だけでなく、その他の補償(対人、対物、人身傷害など)にも免責事項があります。
ご契約の前に重要事項のご説明や約款で、補償される内容を確認しておきましょう。
チューリッヒの「車内身の回り品特約」は、車内やトランクに積んでいた日常生活に使う個人が所有する身の回り品が破損してしまった場合に、保険金が支払われる特約です。
たとえば事故の衝撃で、車に積んであったカメラや、キャリアに固定していたスキー板が壊れてしまった場合や、トランクに積んでいたゴルフクラブが折れてしまった損害に対して補償するものです。
事故により、トランクに積んでいたゴルフクラブが破損してしまった。
時価額を限度に修理費※を補償します
※免責金額は1事故につき5,000円
ただし、以下の破損については、支払われません。
車内身の回り品特約で、支払われない主な破損 |
通貨 有価証券 貴金属 書画 骨董 設計図 証書 電子マネー クレジットカード など |
---|
チューリッヒの「車内身の回り品特約」の免責金額は、1回の事故につき5,000円です。
地震や噴火、津波による車の損害は、車両保険では補償対象外となります。
しかしチューリッヒでは、地震や噴火、津波によって車が「全損」になった場合に限り、次の車を購入するまでに一時的に必要となる費用として50万円をお支払いする「地震・噴火・津波による車両全損時一時金支払特約」をご用意しています。
地震の地割れに巻き込まれ、車体が大破した
噴火で飛んできた石で、車体上部が壊れた
津波で車体全体が水没し、走行不能になった
※ワイドカバー型(一般条件)の車両保険に、付帯することができます。
※車両保険金額が50万円未満の場合は、車両保険金額と同額を一時金としてお支払いします。
最近、地震以上に多発している台風やゲリラ豪雨による水没被害の場合、車両保険では支払対象となりますのでご安心ください。等級についても、普通の事故の際の3等級ダウンと違い、1等級ダウンとして扱われますので使いやすいかと思います。
車両保険では、免責金額を設定します。
免責金額を高く設定すれば、万が一の事故の際の自己負担額は多くなりますが、保険料を抑えることができます。
保険料を少しでも節約したいと思われる方は、免責金額を高めに設定することをおすすめします。
チューリッヒでは、車両保険の免責金額を0円に設定する「免責ゼロ特約(正式名称:車両事故免責金額ゼロ特約)」という特約があります。
チューリッヒの車両保険では1回目の車両事故の免責金額を5万円、2回目以降の車両事故を10万円と設定しています(ノンフリート等級により1回目が7万円の場合もあります)。
免責ゼロ特約は、この1回目の免責金額が5万円の場合に限りお客さまの自己負担をなしにする特約です。
ただし、免責ゼロ特約はすべてのご契約に付帯できるわけではありません。付帯できるのは、車両保険の免責金額が、1回目が5万円、2回目が10万円であるノンフリート等級7等級以上の契約になります。
また、車両保険がワイドカバー型(一般条件)か限定カバー型かにより、付帯できる免責ゼロ特約の種類が異なります。
特約の種類 | 相手がわかる事故 | 相手が わからない事故 |
付帯できる 車両保険 |
---|---|---|---|
免責ゼロ特約![]() |
1回目の事故の 免責金額が0円 |
1回目の事故の 免責金額が0円 |
ワイドカバー型 |
免責ゼロ特約(車対車)![]() |
1回目の事故の 免責金額が0円 |
× | ワイドカバー型・ 限定カバー型 |
免責金額は、一部の修理が必要といった「分損」に限ったものです。
「事故によりバンパーが凹んでしまった」「ドアに傷がついてしまった」「一部の塗装が取れてしまった」といった部分的な修理であれば、免責金額分の自己負担が必要となります。
一方で、「全損」の場合(車を修理できない、または修理代がご契約の保険金額以上になる、盗難にあって車が見つからない)は、この免責金額は発生しません。
つまり、自己負担金なしで、ご契約の保険金額をお支払いすることができます。
ちなみに「分損」とは損害保険の対象となるものの損害が、修理可能な状態で、かつ修理代が時価額もしくは保険価額を下回る場合をいいます。
車が破損した場合に「分損の扱い」になるのか、「全損の扱い」になるのかによって自己負担額が変わりますので、必ず覚えておきましょう。
自動車保険を契約する際には、免責事項や免責金額のことも踏まえて契約内容を確認しておくことが大切です。
内容を把握せずに契約してしまうと、万が一のときに、思いもよらない出費が発生してしまうことがあるかもしれません。保険の契約内容を確認しつつ、自身の経済状況も踏まえたうえで、適切な補償を選択しましょう。
※ご契約の保険始期および契約条件によって、上記内容がお客さまのご契約に適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書(契約概要・注意喚起情報)の記載などをご確認ください。
車両保険の免責金額は、車を修理する際に被保険者などが自己負担する費用をさします。
免責ゼロ特約を付帯すれば修理時の自己負担額は0円になりますが、保険料は高くなります。
車両保険を検討するときには、事故を起こした場合にどの程度の額までであれば自己負担できるのかを考えて免責金額を設定するようにしましょう。
※記載の情報は、2024年9月4時点の内容です。
ファイナンシャル・プランナーで一児の母。大手損害保険会社を経て2010年に独立開業。
個別相談や執筆、セミナー講師として活躍中。企業研修や女性向けに賢いお金との付き合い方を伝えている。
K'sプランニング代表/一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事
CFP®、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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