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交通事故の原因と予防策

高根英幸の“先進!”カーテクノロジー講座

日本は交通事故による死者数を、この30年で大幅に低減させることに成功しています。死者数の低減に大きく貢献しているのが、クルマの安全性の高まりです。しかし、残念なことにドライバーの努力による死者数の低減効果はあまり発揮できていません。ハッキリと数字に出ている訳ではありませんが、交通事故の発生件数自体はここ20年ほど、ほとんど増減していないことがその裏付けといっていいでしょう。
交通事故による死者数は減っていますが、交通事故そのものは減っていないんですね。

交通事故発生状況を分析して、交通事故の原因を探っていきましょう。

交通事故の発生は直進中、一定速での走行時が最も多い!

交通事故の発生は直進中、一定速での走行時が最も多い!

皆さんは交通事故の原因として一番に思い浮かべるのは何ですか? スピードの出し過ぎ? 交差点での注意不足による出合い頭の事故? 高齢者の判断力、運動機能低下? いろいろな原因が考えられると思いますが、大きな原因は2つあります。

交通統計のイメージ 公益財団法人 交通事故総合分析センター発行
平成28年版 交通統計 行動類型別・第一当事者別交通事故件数より

交通事故が一番多く発生しているのは、見通しの悪い交差点を曲がるときやカーブの先などではなく、なんと真っすぐ走っているときなのです。
交通事故をドライバーの走行状態別に見ると、加速や減速、発進なども含めた直進状態での事故が交通事故全体の7割、およそ35万件を占めています。
なかでも一定速で走行しているときが39%と最も多い割合だということに驚かれたのではないでしょうか。

一方、交通事故を発生場所で分類すると、交差点での事故は年間20万件近くもあり、交通事故全体の4割を占めるのですが、信号無視や一時不停止などの明確な交通違反行為は3万2,000件程度しかないのです。

交差点内での事故も多いのですが、それでも直進中の運転者が第一当事者であるということは、交差点を直進するがゆえに油断しているということになります。

直進中、しかも一定速度で走行しているとき…

一般的には安全だと思われる状況で、最も交通事故が起こっています。
しかし、良く考えてみれば不思議でも何でもないのです。そこにあるのは「ドライバーの油断」に過ぎないのですから。

交通事故の原因 その1 ドライバーの油断

交通事故の原因 その1 ドライバーの油断

「油断」こそが、交通事故の最大の原因です。

交通事故の第一当事者による交通違反で最も多いのは安全運転義務違反ですが、これは注意不足が根本の原因であり、1年間に22万件も起こっています。注意不足もすべてドライバーの油断が招いていると言っていいでしょう。

油断が引き起こす事故

油断が招く事故、とは一体どんなものだと思いますか?

気が緩んでいることから、わき見をしやすくなっていることがまず挙げられます。直線で信号もないから、「ここでラジオを切り替えよう」「エアコンの温度設定を変えよう」などとしがちではないでしょうか。

走行中に運転操作以外の動作をしやすくなる、あるいは他のことを考えやすくなるのが、この直線路を一定速で走行中の状態なのです。

運転以外の操作に気をとられていると、歩行者や自転車が横断しようとしていたり、道路に穴が空いていたりするのに、気が付くのが遅れることも有り得るでしょう。気付くのが遅れるということは判断から操作までの動作を急ぐことが迫られ、適切な判断や操作ができなくなることも多くなります。

また、よそ見をしたり、助手席の荷物や携帯電話を取ろうとして運転席から身体を大きく動かしたりすることで、知らずにステアリングを切ってしまい、車線から飛び出してしまうこともあるのです。

油断が引き起こす事故

また、交通事故は自分が第一当事者(主に原因をつくった人)とは限らず、いわゆるもらい事故にあった人も半数近く存在するのです。それらも、相手が一方的に交通事故の原因をつくった(=相手が悪い)と思ってしまいがちですが、実際にはそうとは言い切れないケースも少なくありません。

見通しの良い直線路を走っているのは、自分だけでなく、対向車にとっても同じこと。自分の注意力が落ちている状態で、対向車のドライバーが車線からはみ出してくれば、それに気付いて危険回避などの対応を取る動作も、当然ながら遅れることになってしまいます。
こうしたちょっとした油断が重なり、不幸にして交通事故は起こってしまうのです。それが日本国内だけでも年間50万件近くに上るということは、決して他人事で済ませることはできません。誰にでも起こり得ることなのです。

避けようと思えば避けられた事故、それが積み重なってやがて重大事故が起こり、死傷者を発生させているのが、交通事故の現状なのです。

直進中の油断と、この後で挙げるもう一つの原因を解消させるだけで、交通事故は半減できるはずなのです。

交通事故の原因 その2「運転技術」「速度感覚の欠如」

交通事故の原因 その2「運転技術」「速度感覚の欠如」

交通事故を起こすドライバーは大きく2種類のグループに分けることができます。一つは高齢者と初心者のグループです。ペダルの踏み間違いなど運転操作や状況判断の誤りに起因する交通事故は、高齢者の判断力や運動能力の低下と、初心者の操作不慣れによるものが主な原因と考えることができます。

もう一つのグループはベテランドライバーの悪習慣です。運転姿勢を正しく取ることが大事であることは、意外と知られていません。自分のドライビングポジションや操作方法に無頓着で、窮屈さを避けるためゆったりとしたドライビングポジションを取り、その結果、運転の操作自体もいい加減になり、ステアリング操作などが状況によって変わってしまうようなドライバーを多く見かけます。

根本的な問題として、こうしたドライバーは危険性の認識度が低いことが挙げられます。そのためもあって速度感覚が養われていないドライバーを多く見かけるのです。最近のクルマは快適すぎて速度感覚を掴みにくいことも影響していますが、私はこれを非常に危険な状態だと思っています。

車速が高まっても車間距離をとらず短いままであったり、スーパーの駐車場などの狭い空間でも勢い良く走り抜けてしまったりするドライバーを見かけることが珍しくありません。

実はこれが、交通事故のもう一つの大きな原因「速度感覚の欠如」なのです。速度感覚が鈍いことによりスピードが出ていることに気付かないだけでなく、車間距離も短くなって、渋滞の末尾や高速道路の料金所付近での減速が遅れ、追突事故を起こす原因になっています。

忙しく日常を過ごしている人が多いため、時間に追われていることも背景としては大きく影響していると思います。しかし、クルマの運転は人の生命を左右しかねない重大な行動だということを忘れずに、余裕をもって慎重な運転を心がけるようにしたいものです。

交通事故を予防するために

交通事故を予防するために

交通事故の原因である「油断」「速度感覚の欠如」についてお話ししてきました。特に「油断」は自分の運転技術や経験を過信することから生まれるものです。法令違反別の事故件数も「安全運転義務違反」が多いのもその表れでしょう。

続いて、私たちができる交通事故の予防について考えてみましょう。

車両の整備状況・テクノロジー装備による格差

車両の整備状況・テクノロジー装備による格差

車検制度が改訂されて、ユーザー車検という手軽な継続車検が導入されて、ずいぶん経ちました。この制度はユーザーが自分で車検を受けることを目的に制定されたものですが、ユーザー代行車検という曖昧なサービスが登場したことで、クルマの整備状態に格差が生じてしまっています。

ユーザー車検を受けた後にキチンと整備工場などでメンテナンスを受けることが、トラブルを減らす対策ですが、街を走るクルマの中にはエンジンやマフラーから異音を響かせていたり、停止時にブレーキパッドのセンサーがキーキーと鳴って摩耗限界を知らせているのに走行したりしているクルマも見かけます。

キチンと点検整備を受けたクルマは、トラブルを起こす可能性が低く、それによって事故が起こる確率もグッと低くなります。

最新のクルマにはさまざまな安全装備や運転支援システムが搭載されており、それらが事故を防いだり、万が一交通事故にあってしまっても被害を少なく食い止めたりする工夫がいくつも施されています。しかし、これらはキチンと整備された状態のクルマを正しく扱うことで、初めて正しく機能する装備なのです。

交通問題、正しい知識、最新の道交法などをチェックしよう

交通問題、正しい知識、最新の道交法などをチェックしよう

交通ルールなどは免許取得時に一度覚えたので理解しているつもりでも、自分に都合の良い解釈をしてしまっているケースが多く見られます。

このところ、さまざまな交通法規が改訂、あるいは交通取り締まりが厳格化されています。たとえば自転車の走り方(車道の左側を通行)や、あおり運転に代表される車間距離不保持は、社会問題化していますよね。自動車保険の更新時など、毎年決まった時期に交通法規に変化がないか、インターネットなどでチェックするよう習慣づけるといいでしょう。

さらに高齢者ドライバーに多くみられる逆走などの危険な交通状態が発生することも珍しくなくなってきました。こうしたことも予測して、より余裕のある運転を心がけることが事故抑制につながります。

もしものときの備え 自動車保険の重要性

もしものときの備え 自動車保険の重要性

ドライバーにとって自動車保険に入っておくことは、今や基本中の基本ですよね。しかし最近は無保険状態のクルマを運転しているドライバーもいるようです。そんな不届きなドライバーと交通事故にあってしまったら、自分のクルマやケガなどの損害を補償してもらえないかもしれません。

交通事故にあわないよう気をつけることが前提ですが、事故にあったとしても万が一への備えとして、加入している自動車保険で損害をカバーできるようにしておくことが大切です。

※ 本記事は著者個人の見解・意見によるものです。

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