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タイヤの空気圧不足によるタイヤバースト・スタンディングウェーブ現象

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タイヤの空気圧不足によるタイヤバースト・スタンディングウェーブ現象

高速道路走行中、突然の「バンバンバンバン」という音とともに車が傾き、タイヤがバースト。ステアリングハンドルがぐいっと傾いた方に取られ、車の頭が方向を変えようとします。この事態に対応できないと、中央分離帯への衝突や、他車との接触など、より深刻な事故を招くことは容易に想像がつくと思います。ふだん、タイヤに関心を持っていない方も、安全な走行を支えるタイヤのコンディションをないがしろにはできません。
本記事では空気圧不足のタイヤが引き起こすスタンディングウェーブ現象について解説します。

タイヤの空気圧は常にチェックすることが必要

タイヤの空気圧は常にチェックすることが必要

タイヤの空気圧をいつも適正にしておくこと、それは命を守ることにつながるとても大切な点検ポイントです。
いうまでもなく車は「命を乗せている」ものですが、特にタイヤのコンディション不良は事故につながり、身体の安全を脅かします。最近のタイヤをめぐる技術は発達しており、釘を踏み抜くなどして穴が開いたとしても、一般道路のスピードならば、事故につながるような急激な変形はしないようになっています。少々の穴であれば、運転者が余裕を持って対処ができるように工夫されているのです。
しかし、高速走行中となると、タイヤのバースト(破裂)が直接的な事故要因となり、大変危険です。

タイヤは複雑な構造体

タイヤは複雑な構造体

タイヤは、一見すると単純な黒いゴムの輪にしか見えませんが、その内部はワイヤーや繊維が幾層も重ねられて、走行中タイヤにかかるさまざまな力を受けとめる「構造体」をなしています。

自動車用タイヤは近年大幅に性能が向上しました。かつては自転車タイヤと同じく、地面に接地するタイヤ部分と、空気が入るゴム袋であるチューブ部分とに分かれていましたが、最近ではチューブがタイヤ部分と一体化されて、インナーライナーというゴム層で空気圧を保持している「チューブレス構造」のタイヤが一般的です。

タイヤの構造

自動車用タイヤは、地面に接地していて溝が刻まれている部分をトレッド部、接地面から側面につながる肩の部分をショルダー部、サイド部分をサイドウォール部、ホイールにはめ込まれている部分をビード部と呼ばれています。

タイヤの内部は、ワイヤーや繊維の層が幾層にも貼り付けられた多層構造になっています。タイヤ表面のゴム層の下には、カーカスと呼ばれる、ワイヤーをゴムでくるんだ層が貼り付けられています。このカーカス層が、車の荷重やタイヤに入れられている空気圧と走行時の衝撃に耐える、いわばメインの構造になっています。

さらにトレッド部の内部にはベルトと呼ばれるコード層が貼られており、建築物の鉄筋のような構造でカーカスを締め付け、その張力によってトレッドの剛性を確保しています。その力は、内側のインナーライナーのゴム層に空気が詰められていることで確保できるわけです。
このように、タイヤの構造を支える部材は、まるで建物のような構造になっていることがおわかりでしょう。そして、その構造はタイヤの空気圧が適正に入っていることで本来の性能が発揮されるのです。

空気圧不足のタイヤで走ると

空気圧不足のタイヤで走ると

タイヤの空気圧が低いまま高速走行することは、タイヤ本来の構造ができあがっていないのに、乗用車でいえば1トン以上の重さがあるボディーを乗せ、その中に人を乗せているという危険な状態です。

タイヤの空気圧が低い状態では、タイヤは車の重量でつぶされたような形になっています。地面との抵抗が増しますので、「ハンドルの切れが悪い」「ハンドルをとられる」という形で現れることがあります。

この状況を放置してさらに高速で走行すると、タイヤがたわんで転がり抵抗が増し、燃費が悪化します。そのまま走らせていると偏摩耗などが起きて走行性能が低下します。また、段差に乗り上げた際に、トレッド部の内部でコード切れを起こしやすくなります。
さらに高速走行に移り速度を上げていくとタイヤの発熱量が過度になり、危険なタイヤの損傷につながるのです。

高速走行でスタンディングウェーブ現象が起きることも

高速走行でスタンディングウェーブ現象が起きることも

空気圧不足のタイヤをそのまま高速で走行させると、遠心力でタイヤの設計限度を超えた変形が起こります。タイヤの接地面やショルダーと側面が、回転によってしだいに変形していき、大きくたわんできます。
変形はサイドウォール部にもおよび、ゴムや構造材の弾性でタイヤの形状が復元される以上の変形が続くと、タイヤ内部では、適正な空気圧のもとでは触れあわない構造体が相互に摩擦して、タイヤが熱を持ち、過熱していきます。その状態が続くと、構造材が熱で損傷して回転に耐えられなくなり、破壊が始まります。

破壊は、タイヤ構造材の分解という形で起こります。タイヤショルダー部のカーカスや、接地面に使われているベルト類が剥離し、ゴム層が荷重に耐えられなくなって、タイヤ全体のバースト(破裂)に至るのです。この現象を「スタンディングウェーブ現象」といい、高速で走行し続けている高速道路におけるタイヤトラブルとして多く見られます。

タイヤのバーストが起きると

高速走行ではスタンディングウェーブ現象が

高速道路上でバーストが起こると、車両の動きがおかしくなり、異常な振動がハンドルに伝わってきます。このときあわてて急ブレーキや急ハンドルをかけると車が非常に不安定になります。ハンドルをしっかり握り、減速することが重要です。
なんとか路肩に車を停められたとしても、タイヤ交換しているところに後続車が突っ込むなど、二次災害のリスクにも気を付けなければいけません。

高速道路上で多いのがトラックのバーストです。
トラックのタイヤが「バタバタバタ」と音を立て始め、車体が大きく傾くと同時に、バーストしたタイヤの、細かくちぎられたゴム片はトラックの荷台の高さまで飛び散ることもあります。

国土交通省が日本自動車連盟(JAF)の協力のもと、平成29年9月から11月までの間に発生した自動車の路上故障について分析を行った、「平成29年路上故障の実態調査」によれば高速道路における故障部位の55.2%がタイヤ故障で、高い発生割合になっています。

高速道路における故障部位別発生率
順位 部位 発生件数の割合(%) 主な故障状況
1 タイヤ 55.2 ・パンク、バースト
・空気圧不足
2 潤滑油  4.9 ・オイル不良
・オイルパンからの漏れ
3 冷却水  4.3 ・不足、水漏れ
・汚れ
・凍結
4 オルタネータ  3.2 ・ブラシ不良
・レギュレータ不良
・ダイオード不良
・コイル断線
5 トランスミッション  1.9 ・ギヤ操作不能
・オイル漏れ・不足
・異音
6 クラッチ  1.9 ・すべり
・オイル漏れ
・ワイヤ(リンク)不良
・切れ不良
7 バッテリー  1.7 ・過放電
・破損、劣化
・端子部接続不良
・液不足
8 ファンベルト  1.1  
9 ラジエータファン  1.1  
10 クリップ・ハブ・ベアリング  0.7 ・ゆるみ
・異音
・焼き付き
  その他 24.0  

出典:国土交通省「平成29年路上故障の実態調査

ふだんの点検が重要

ふだんの点検が重要

おそろしい事故につながる高速道路上でのバーストは、直前に釘を踏むなどして空気圧が落ちる状態になる場合をのぞいて、ふだんからの点検で防ぐことのできる事態なのです。

適正な空気圧は、多くの車では運転席のドアを開けた部分のフレーム下部に書かれており、また、マニュアル(取扱説明書)にも示されています。ガソリンスタンドでも点検できますので、タイヤが温まっていない走り出しのうちにスタンドに入ってサービスマンに点検を依頼しましょう。また、セルフスタンドでも利用者が自分で使えるように空気圧ゲージ付きの空気入れを備えているところもありますので、チェックを欠かさないようにしましょう。

また、タイヤ側面などに亀裂が入っていると、変形による破断の始まりになりやすいので、タイヤ交換を手配する、また高速走行時には、休憩の際にタイヤに釘などの異物が刺さっていないかを点検し、トレッドの溝にはさまっている小石を落としておくなど、タイヤ全体のパンクやバーストのリスクを下げる必要があります。

繰り返しますが、タイヤは命を乗せる、とても重要なものなのです。常に細心のチェックが必要です。

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