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AT車のオーバードライブ機能、スイッチオフの使い方

AT車のオーバードライブ機能、スイッチオフの使い方

AT車を運転する方であれば、シフトノブの横に「O/D」と書かれた「オーバードライブ」のスイッチがあることをご存じの方もいると思います。AT車限定の機能で、人によっては、オーバードライブ自体の意味を知らなかったり、どのタイミングで使えばいいのかわからなかったりするなど用途が不明なことも多いようです。
今回の記事では、オーバードライブの意味や使用するタイミングについて、解説していきたいと思います。

オーバードライブとはどういった機能?

オーバードライブとはどういった機能?

「オーバードライブ」とは、一言で言うならトランスミッションのトップギアのことで、5速AT車であれば5速のことを示します。通常はスイッチがオンの状態になっています。このスイッチをオフにすることで、一定のギアから上に変速しなくなります。

シフトノブの横にあるスイッチを押し込むことで、メーター上には「O/D OFF」と表示され、オーバードライブがオフとなり、「最高速のギアをオフにする(使わない)」ということになります。

たとえば5速のAT車では、1速〜4速が通常のギアで、5速がオーバードライブということになるため、オーバードライブオフでは5速を使用しない状態になり、1〜4速の低いギアだけに絞って走行することになります。そのため、AT車でもMT車のように細かい加速調整が可能だったり、エンジンブレーキを使ったりしながら走行できるようになるのです。

オーバードライブオフを使用するタイミングは?

オーバードライブオフを使用するタイミングは?

AT車では、適切なギアが自動で選ばれるため、速度が上がってくるに従って最高速のギアに入ります。こうすることでエンジンの回転数が下がり、エンジンの不要な摩耗を防ぐことができます。

MT車と違い、クラッチペダルがなく、手動でのシフトチェンジも必要ないAT車は、ドライバーにとっては運転の負担が少ないトランスミッションです。ですから通常は、オーバードライブボタンはオンのままで走行します。
しかし、自動で変速してくれるが故に、ドライバーの意志とは異なるタイミングで変速をしてしまうこともあり、状況によっては扱いづらいと感じることもあります。

それでは、オーバードライブオフは、具体的にどのような場面で使うのでしょうか。

長い下り坂が続くなど、ブレーキを頻繁に踏まなければならないとき、最高速のギアのままではエンジンブレーキがほとんど効かず、ブレーキの焼きつきやベーパーロック現象※などを起こしてしまう可能性があります。
オーバードライブをオフにすることで、AT車であっても、エンジンブレーキを効かせることができるようになります。

さらに、オーバードライブがオフになっている状態から2速にシフトダウンすることで、4速、3速、2速とエンジンに負荷をかけずに、スムーズにシフトチェンジをすることもできます。
高速道路の走行中や雪道でも、急ブレーキは避けなければいけないため、オーバードライブスイッチをオフにして、徐々に減速していくのがいいでしょう。
速度超過による事故を未然に防ぐことや、スムーズな運転をすることができるのです。

逆に上り坂でパワーが欲しいときにも有効です。人や荷物をのせて急な坂道を上るときには、平坦な道を走るとき以上に車のパワーが必要となります。そのとき、もしギアが最高速まで上がってしまっている状態で坂道に突入すると、パワー不足になってしまうので、オーバードライブをオフにするのが有効です。

オーバードライブのスイッチを操作し、低速ギアに絞ることでゆるやかな加減速を可能とし、機敏な運転をすることができるのです。

  • べーパーロック現象とは?
    自動車のフットブレーキを頻繁に踏むことで、制動力を伝えるブレーキフルードが過熱し、ブレーキ配管内に気泡が生じブレーキが効かなくなる現象。

オーバードライブと燃費の関係性について

オーバードライブと燃費の関係性について

オーバードライブは、一般道では通常はオンのままで走行すれば、エンジン回転数を抑えて走行することができるので燃費向上に役立ちます。

一方、前述したように長い下り坂でオーバードライブをオフにすれば、エンジンブレーキを効かせることができ、フットブレーキだけに負担をかけるということがなくなります。この場合、通常よりもエンジンの回転数が高くなってしまうわけですから、燃費はやや悪くなってしまいます。

燃費が気になるドライバーも多いとは思いますが、燃費最優先ではなく、適切なタイミングで、オーバードライブをオフにしてより安全な運転をするようにしましょう。

オーバードライブのランプが異常を示している場合

オーバードライブのランプが異常を示している場合

オーバードライブ機能は、多くの車に搭載されている機能ですが、もしインジケーターが点滅する場合は注意が必要になります。

車種にもよりますが、オーバードライブオフのインジケーターがトランスミッションの警告灯にあてられていることもあり、これが点滅しているときは、トランスミッションに何かしらのトラブルが発生している可能性があります。

トランスミッションの変速動作不良など、制御電磁弁の故障が起こっていることもあるため、もしインジケーターの点滅に気づいたら、早めに整備工場やディーラーに点検依頼するようにしましょう。

オーバードライブは適切なタイミングで!

オーバードライブは適切なタイミングで!

本記事では、オーバードライブスイッチの機能や使うタイミングについて解説してきました。
ほとんどの車ではオーバードライブスイッチが搭載されていますが、最近では、「CVT」と呼ばれる無段階変速機を搭載した車種も増えてきています。通常は、AT車では速度に応じてギアを切り替えていますが、CVTの場合は、ふたつのプーリーにベルトを巻き付けて回転させることで、それぞれのプーリーの直径を変化させて無段階にギア比を変えていくことができます。
1速、2速、と明確に分かれているギアのような変速ショックがないことと、常に適切なギアに入るため、燃費も良いとされているトランスミッションです。

AT車では、シフトがDに入っている限り、ほとんどの場合は問題なく走行できます。しかし、長い坂道などの道路環境や、雪道などの路面状況のときに、オーバードライブスイッチをオフにすることで、AT車の良い面にMT車らしさを取り入れることができます。
ゆるやかな加減速での運転が必要な場面では、余分なシフトショックを防ぎ、スムーズに走行することができるので、状況に合わせてオーバードライブスイッチを使用してみましょう。

※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。

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