コーナーポール(フェンダーポール)は、運転席から見えづらい左前方(右ハンドル車の場合)のフロントバンパーについている棒のことです。かつては多くの自動車に装着されていたのですが、最近では目にすることも少なくなりました。ではこのコーナーポール、どんな役割を持っているのでしょうか。また自分で取り付けることは可能なのでしょうか。
コーナーポールは右ハンドルの場合、運転席から見えづらい左前方の位置を把握しやすくするため、フロントバンパーに付いているポールのことです。フェンダーポール、フェンダーランプなどと呼ばれることもあります。
たとえば右ハンドル車だと運転手は右前方の距離感は把握しやすいですが、左前方の距離感は把握しにくいという特徴があります。そのため狭い路地や駐車場などでは他の車や壁、ガードレールに左フロントをぶつけるなどの事故を起こす可能性が高くなります。
コーナーポールがあることで視覚的に左前方の距離感をつかみやすくなり、事故を減少することができます。このようにコーナーポールは、自動車を安全に運転するための重要な役割を果たしているのです。
コーナーポールが特に役立つ車種は、ボンネットの長いセダンです。フロントが長いとそれだけ運転席から反対方面の距離感が把握しづらくなります。しかし、コーナーポールがあるだけで、視覚的に距離感が把握しやすくなるのです。
もちろんコーナーポールはセダンに限らず、運転に慣れていない方や周辺の道路環境が狭いという方にとって、距離感をつかむのに役立つため、以前は車種に限らず多くの自動車にコーナーポールが装着されていたのです。
しかし、コーナーポールを搭載した自動車の数は、2000年代をピークに大きく減少しています。2010年ごろまでは、新車納入時のディーラーオプションとしてコーナーポールは一般的でしたが、現在ではそれも減少傾向にあります。
コーナーポールが減少した理由としては、コーナーカメラや障害物をセンサーで知らせるコーナーセンサーなどの安全装備が充実してきたことがあげられます。また、コーナーポールはボンネットの長い自動車に装備されることが多く、以前から軽自動車などには比較的装着されていませんでした。近年は軽自動車やコンパクトカー、ミニワゴンなどが人気なのもコーナーポールが減少した要因の一つといえるでしょう。
他にもコーナーポールを装着していると、自動車のデザインが損なわれて、かっこよくないと感じる方が多いのも、コーナーポールが減少した要因の一つといえます。
需要が減っているからといって、コーナーポールが車両感覚をつかむのに便利であるのに変わりありません。
コーナーポールは、自動車購入時に純正アクセサリーを選ぶ、または、自分で後付けすることも可能です。
電動格納式やスモールランプ連動式などのコーナーポールを取り付けたいなら純正コーナーポールがおすすめです。
取り付けるコーナーポールや車種によって違いますが、電動格納式の場合ディーラーだと3万5千円から4万円程度かかります。ただバンパーに穴を開けたり、配線などの処理もあるので、専門家にお願いしたほうが安心でしょう。
カー用品店やインターネット通販で購入できるコーナーポールにはヘッドライトに反射して光るタイプや伸び縮みするタイプのものがあり、千円程度から購入できます。多くは両面テープで貼り付けるタイプで取り付けが簡単です。
コーナーポールの取付け場所は運転席の反対方面、フロントバンパーの最も端です。純正コーナーポールを設置する際は一度両面テープでコーナーポールを置いてみて運転席からの位置確認をしましょう。
両面テープ方式のコーナーポールならすぐに取り外しができます。万が一テープの跡が気になるならクリーナーやシャンプーできれいにふき取りましょう。
手間がかかるのは純正コーナーポールです。バンパーに穴を開けているので、穴を修正しなければ穴から錆びつき車が劣化する原因になってしまいます。修正は穴をバンパーパテで塞ぎ、タッチペンでボディーを塗装します。材料費も千円程度です。穴が大きくて上手く塞ぐことができない場合はディーラーや自動車工場にお願いしたほうが無難でしょう。
因みにディーラーなどで穴埋めを依頼した場合は塗装費用として3万円程度は見ておきましょう。
道幅の狭い路地の通行や駐車場を利用するときなどは、コーナーポールがあるととても便利です。運転免許取り立ての方や高齢者の方にとって、コーナーポールは、車両感覚をつかむのに有用な装置でした。
しかし、技術進化により、コーナーポールに取って代わったのが距離センサー(コーナーセンサー)です。コーナーセンサーは、自動車のバンパーに取り付ける超音波センサーのことで、壁やガードレールなどに車が近づきすぎると、アラームなどで知らせる装置です。コーナーセンサーがあれば、狭い路地などで障害物に接触することなくスムーズに通りぬけることができるので、標準装備でなければオプションで選択したり、カー用品店やインターネット通販で購入したりして、後付けするのがおすすめです。
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