更新日:2023年9月11日
公開日:2020年7月10日
6歳未満の子どもを車に乗せるときには、チャイルドシートに座らせなければなりません。
しかし、警察庁と日本自動車連盟(以下JAF)の2022年の合同調査では、年齢が上がるにつれチャイルドシートの使用率が減少し、5歳で50%程度になるという結果が出ています。
チャイルドシートに関連する法律やチャイルドシート・ジュニアシートの適切な使用時期についてご説明します。
道路交通法では、自動車の運転者はチャイルドシートを使用しない6歳未満の幼児を乗車させて運転してはならないと規定しています(道路交通法第71条の3第3項)。
6歳を過ぎたら法律上の使用義務はありませんが、安全のためには子どもにあったチャイルドシートを適切に使用する必要があります。
2022年の警察庁と日本自動車連盟(JAF)が合同調査を行った「チャイルドシート使用状況調査(2022年調査結果)」によると、6歳未満全体の使用率は74.5%です。
年齢層別では1歳未満が89.9%、1歳から4歳が76.7%、5歳が53.5%という結果であり 5歳の使用率が他の年齢層と比べて低いことがわかりました。
出典:チャイルドシート使用状況全国調査(2022)警察庁/日本自動車連盟(JAF)合同調査
また、同調査による「6歳未満のチャイルドシート使用状況(使用・不使用状況の内訳)」は、以下のとおりでした。
年齢層 | チャイルドシート使用 | チャイルドシート不使用 | |||
---|---|---|---|---|---|
車両シートに そのまま着座 |
チャイルドシートに そのまま着座 |
大人用 シートベルト着用 |
保護者の 抱っこ |
||
6歳未満全体 (比率) |
74.5% | 10.9% | 5.5% | 5.8% | 3.3% |
※構成比は、各数値を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがある。
チャイルドシートを使用していなかった6歳未満全体の中で最も多かったのは、「車両シートにそのまま着座」で10.9%、続いて、「大人用シートベルト着用」が5.8%、「チャイルドシートにそのまま着座」が5.5%、「保護者の抱っこ」が3.3%でした。
やや古いデータになりますが、2013年3月実施JAFユーザーアンケート「チャイルドシートの使用実態に関するアンケート調査結果」によれば「小学生の子どもを車に乗せる場合のチャイルドシートの使用状況」では7割以上が「チャイルドシートを使用していない(使用しなくなった)」という回答でした。
これは、法律上チャイルドシートの使用が義務付けられているのは6歳までであることに加え、子どもの身体の成長にともない大人側に「つけなくても大丈夫」という意識が生まれるからだと考えられます。
法律に定められている6歳を過ぎたとしても、ジュニアシート(学童用チャイルドシート)は不要ということではありません。
学童期の子どもがチャイルドシートを使用せずに事故にあった場合、シートベルトをすり抜けて身体が車から飛び出したり、シートベルトが凶器となってケガをしたりする危険性もあります。
事故による被害を少しでも抑えるためには、学童期にもチャイルドシートを積極的に使用する必要があります。
チャイルドシートの使用は何歳から何歳までと年齢で区切るのではなく、子どもの身長や体格を目安に考えることをおすすめします。
JAFでは、身長140cmくらいの 10歳頃まではチャイルドシートの使用を推奨しています。
また、JAFではチャイルドシートの必要性を検証した衝突テストをウェブサイトで公開しています。
あわせて参考にしてください。
チャイルドシートやジュニアシートは、車に装備された大人用のシートベルトが正しく使えるようになるまでの補助装置です。そのままシートに座ると、お腹がくの字に折れ曲がり、また外の景色も見えないため、クルマ酔いもしやすくなります。
チャイルドシートの使用については、年齢で区切るのではなく身長を目安に使用時期を考えるべきであることをご説明しました。
また、チャイルドシートは子どもの年齢や体格に合わせて、使う向きを変える必要があります。
チャイルドシートを後ろ向きに使う時期、前向きに使う時期はいつごろまでが望ましいのでしょうか。おおよその目安をご説明します。
チャイルドシートを後ろ向きに使う時期は、新生児から1歳くらいまでが目安です。体重にしておよそ10kg程度になるまでは、後ろ向きで使うことが推奨されています。
乳児用チャイルドシートを後ろ向きに使うのは、次のような理由があります。
新生児から1歳くらいまでの子どもは頭が重く、骨もまだ発達していない状態です。そのため、前向きに座っていた場合、事故にあったときの衝撃は、大人に比べて大きくなると考えられます。
しかし、後ろ向きに座っていた場合は背中全体で衝撃を受け止められるため、事故による衝撃のパワーを分散させることができ、被害を少なく抑えられると考えられています。
体重が10kgを超える頃から、幼児用チャイルドシートは前向きに使用します。
幼児用のチャイルドシートを使用する時期は、年齢にして1歳〜4歳くらいまで、体重にして10kg〜18kgまでとされています。
体重が18kgを超えて身長が140cmくらいになってきたら、幼児用のチャイルドシートではなく、学童向けのチャイルドシート(ジュニアシート)を使用するようにしましょう。
※チャイルドシートの使用に適する身長・体重などは各社の製品によって異なります。
前述しましたが、チャイルドシートを使用すべき年齢は道路交通法の第71条の3第3項で定められています。
6歳未満の子ども(幼児)を乗せているにもかかわらずチャイルドシートを使用していなかった場合、反則金などはありませんが「幼児用補助装置使用義務違反」として交通違反の点数が1点累積されます。
しかし、チャイルドシートは違反になるかどうかという問題ではなく、子どもの命を守るために使用する大切な装備です。子どもを車に乗せるときにはしっかりとチャイルドシートを使用するようにしてください。
法律上、チャイルドシートの使用義務の対象は6歳未満の子どもとされていますが、シートベルトを正しく装着するには140cm以上の身長が必要とされています。
そのため、子どもの年齢が6歳を過ぎても、ジュニアシートと呼ばれる学童用のチャイルドシートなどを設置して、子どもの体格に合わせて適切に使用する必要があります。
成長過程にある子どもの安全を守るためにも、チャイルドシートやジュニアシートを正しく使いましょう。
※記載の情報は、2023年9月時点の内容です。
「クルマは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、 日本車・輸入車問わずカーライフを女性の視点で発信している。
現在はTV出演、ラジオ番組のパーソナリティなどを務める他、MCやレポーター、コメンテーター、イベントでのトークショーなど、多方面で活躍中。
プロダクション人力舎所属
アンガーマネージメントファシリテーター
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
国際交通安全学会(IATSS)会員
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