すべてのドライバーは車を安全に運転する義務を負っています。しかし交通事故は安全運転義務違反が原因のものが多く、ドライバーは今一度安全運転義務違反についてしっかりと認識する必要があります。そこで安全運転義務の違反行為や罰則などについてご説明します。
安全運転義務について道路交通法第70条では以下の通り規定しています。
(安全運転の義務)
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
つまり車を運転する際はハンドル、ブレーキなどを確実に操作し、的確に状況判断をし、事故を起こさないように運転しなければいけないということです。そして道路交通法第70条に規定された安全運転の義務を違反し事故を起こした場合は安全運転義務違反として処分されることになります。
運転に慣れるに従って、運転中の緊張感がなくなり注意力が散漫になることがあります。運転中に食事をしたり周りの景色に見とれたりなど、こうした行為は安全運転義務違反になることを忘れてはいけません。
安全運転義務違反に該当する違反種類には運転に慣れたドライバーが起こしがちな行為が含まれているのが特徴で、こうした行為が悲惨な交通事故の原因となっています。安全運転義務違反は「操作不適」「前方不注意」「動静不注視」「安全不確認」「安全速度違反」「予測不適」「その他」の7つに区分されます。
その名の通り運転操作ミスのことをいいます。「ブレーキ操作不適」と「ハンドル操作不適」に細区分されます。ブレーキペダルの踏み間違い、ハンドル操作の過ちなどがあげられますが、片手運転も運転操作不適に該当します。最近では高齢者のブレーキとアクセルのペダルの踏み間違いによる事故が多発していますが、とても危険な行為です。
前方不注意は、「漫然運転」と「脇見運転」に細区分されます。
漫然運転は前方を向きながら運転をしているが、頭がボーっとしていたり他のことを考えていたりして運転に集中していない行為です。よく事故を起こした運転手が「気が付いたら目の前に人が飛び出してきて避けられなかった」というケースがありますが、こうした場合は漫然運転のことが多いといえます。漫然運転では周りの人や車の動きや信号を見落としたり、速度制限に気付かなかったり大事故に繋がる行為を犯しがちです。最も死亡事故の原因になることの多い危険な運転行為です。
外の景色に見とれたり、車内でものを探したりなどして前方不確認の状態になる行為です。死亡事故をはじめ事故件数の多い行為で一瞬の前方不確認が大惨事につながることも珍しくありません。なお運転中のスマートフォンやカーナビ操作も脇見運転の原因になりますが、最近では走行中のスマートフォンの操作やカーナビ操作は道路交通法第71条第5号の5で禁止行為とされています。
周りの車や人の存在や動きに気が付いていながら、危険はないと判断し、他の車や人の動静の注視を怠ったことをいいます。判断を誤り事故が起こった場合は動静不注視として安全運転義務違反になります。たとえば交差点を右折する際、対向車に気が付いていながら先に行けると判断し右折したため対向車と衝突するケースなどがあげられます。
前方や後方、左右の安全確認が不充分だったために起こる事故も安全運転義務違反になります。「前方・左右不確認」と「後方不確認」に細区分されます。たとえば交差点を右折するときに左側の歩行者に気を取られ、右側からくる歩行者に気付かず事故になるケースなどがあげられます。安全確認はドライバーにとって必然です。しかし交通事故の原因として安全不確認が毎年上位になっています。すべてのドライバーは今一度安全確認に対する意識を高める必要があります。
制限速度内で走行してはいたが、交差点や横断歩道、見通しの悪いところを徐行や減速せずに走るなど、状況に応じて安全な速度で走行しなかったことが原因で事故になった場合も、安全運転義務違反に該当します。
「相手がよけてくれると思った」などの勝手な思い込みで相手の動きの予測を誤ったり、自分が運転している車両の速度や車幅などの運転間隔を誤ったりしたことで事故が起こった場合をいいます。
安全運転義務違反は交通事故の原因の多くを占めるなど、とても危険な行為です。
また死亡事故においても安全運転義務違反が原因によるものが上位を占めており、2022年では漫然運転が死亡事故のトップです。
ついで運転操作不適、安全不確認の順に高い状況です。安全運転義務違反がいかに悲惨な事故の原因になっているかがわかります。
死亡事故を防止するためにもすべてのドライバーは安全運転義務を守る必要があります。
安全運転義務違反を犯した場合は当然ですが反則金や罰則が科せられます。そこで安全運転義務違反の反則金や罰則についてご説明します。
交通事故を起こした場合、ドライバーの過失が軽く被害者の被害も軽度の場合は不起訴となり、ドライバーは行政処分として点数が加算され反則金を支払うことになります。安全運転義務違反の場合、違反点数は2点、反則金は大型車が12,000円、普通自動車が9,000円、二輪車が7,000円、原付が6,000円となっています。
また反則金を支払わなかった場合は3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金を科せられることになります。
このように安全運転義務違反自体には大きなペナルティーを科せられることはありませんが、安全運転義務違反により重大な事故を引き起こした場合は、その事故に応じて罪を償う必要があります。たとえば死亡事故を引き起こした場合は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があるなど、事故の内容に応じた刑罰や罰金などの刑事罰を受けることを忘れてはいけません。
安全運転義務違反は大事故になる危険な運転行為です。そしてすべてのドライバーに起こりうる危険な行為です。上述したとおり、これまで事故がなかったからといって決して安心はできません。安全運転義務違反を犯さないためにも運転中は適度に緊張感を持ちながら運転に集中することが重要です。また常に周りの車や人の動きを注視しながら運転することも重要です。つまり正しい運転マナーを保ち続けることが肝心なのです。
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