道路上には、転回できるところと、転回が禁止されているところがあります。
禁止されている場所での転回は危険性が高く、法令違反を問われる行為です。転回が禁止されている場所や、違反行為に対する罰則などについてご説明します。
今まで進んでいた方向と逆方向に進行するための同一路上における方向転換の行為を「転回」といい、典型的な行為がUターンです。
また、進行方向の道路上で停止し、付近の路地などに後退したのち直進して右折し、進行方向を転換して逆方向に進行するスイッチターンも転回行為に含まれます。
車両が道路上で転回をすると、歩行者や他の車の通行を妨害することにもなりかねず、危険性が伴います。
そのため、道路標識などで転回が禁止されている場所や状況が少なくありません。
転回に関する規制は、道路交通法第25条の2に定められています。
まず基本として、車両は、歩行者や他の車両などの交通を妨害するおそれがあるときは、転回をしてはならないとされています。
さらに、道路標識や道路標示によって転回を禁止されている場所においても、転回をすることはできません。
つまり、標識や標示による転回禁止場所に該当せず、転回することによって、歩行者や他の車両などの交通を妨害するおそれがない状況に限って、転回できるということです。
なお、転回の他に、横断やバック(後退)についても道路交通法第25条の2において規定されています。
道路標識や道路標示により禁止されている場所や、歩行者や他の車両などの交通の妨げになる場合は、横断やバックをすることはできません。
転回禁止違反をした場合は、ケースに応じて以下の2つの法令違反に処され、罰則を科されることになります。
転回禁止の標識や標示のある場所で転回をすると、指定横断等禁止違反になります。
この場合、以下の罰則を科せられます。
転回禁止の標識や標示がない場所であっても、歩行者や他の車の通行を妨げる恐れのある場合には、法定横断等禁止違反を犯すことになります。
この場合、以下の罰則を科せられます。
次に、転回禁止の道路標識や道路標示がないにもかかわらず、転回禁止となる場所について見てみましょう。
前述した道路交通法第25条2の1項で「車両は、歩行者や車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、転回してはならない」と規定されていました。
以下のような場所は、他の車両や歩行者などの通行を妨げるため危険です。
交通量の多い直進レーンの場合、転回をすると周りの通行を妨害し法定横断等禁止違反に問われることになりかねません。
さらには車同士の事故の原因にもなってしまいます。
直進レーンでの転回は、周りの安全を完全に確保できる場所に限られます。
中央分離帯に植え込みがあり、対向車線の見通しの悪い道路での転回はとても危険です。
たとえ転回禁止の道路標識や道路標示がなくとも、対向車線の安全を確実に確認できなければ転回は絶対にするべきではありません。
高速道路では、転回はもちろん後退も中央分離帯を横切ることも禁止されています。
もしも目的地となるインターチェンジを通り過ぎた場合は、次のインターチェンジまで進まなくてはいけません。
最後に、転回を行う際の手順について確認しておきましょう。
安全を確認するとともに、周囲への合図を行うことも大切です。
まずは転回ができる場所かどうかを確認しましょう。
転回禁止の道路標識や標示があれば、転回できませんので、そのまま進みます。
また歩行者や他の車の通行を妨害する可能性が少しでもあるときも、そのまま進行しましょう。
転回可能な場所であることを確認したら、安全に転回ができるエリアを探します。
その場所に来たら車を中央線近くに寄せ、右ウィンカーを出し、周囲に合図を送ります。
交差点内で転回する場合は、右折レーンに入り安全に転回できるタイミングを待ちます。
また、複数の右折レーンがある道路では、一番右側のレーンに入り、転回できるタイミングを待ちます。
一番右側のレーンに入れなかった場合は、危険ですので別の安全な場所で転回しましょう。
なお、ウィンカーにより合図をするタイミングについては、転回を開始しようとする30m手前から合図をしなければならない(道路交通法第53条1項,2項,道路交通法施行令第21条)と定められています。
右折矢印信号の表示がされ、対向車が途切れたら、ハンドルを思い切り右に切って転回します。
このとき重要なのは、あわてずに思い切りハンドルを切ることです。
躊躇してハンドルを切ると、十分に方向を変えることができず、切り返しなどをしている間に後続車が来る危険性があるからです。
ご説明したとおり、転回禁止の道路標識や標示があるところ、そして歩行者や周りの車の通行の妨害になる場合、転回することはできません。
禁止場所で転回をすると法定横断等禁止違反や指定横断等禁止違反として罰則が科せられ、さらに大きな事故にもつながりかねません。
たとえ転回できる場所でも無理をせず、安全を確保できたときのみ転回するようにしましょう。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2020年4月時点の内容です。
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