交通事故を起こした場合、その車のドライバーには「応急救護」が義務づけられています。
たとえば、負傷者の救出や安全な場所への移動、119番への通報、医師・救急車が到着するまでの間の止血・心肺蘇生などの可能な「応急救護処置」などを行わなければならない義務が課されています。
本記事では、応急救護の意味、取得時講習や教習所の応急救護講習についてご説明します。
「応急処置が良かったおかげで、一命を取り留めた」という話を聞くように、事故によっては現場に居合わせた人による適切な処置の有無が生死を分けることがあります。
道路交通法第72条第1項前段では、以下の記述があります。
車の運転中に死傷させたり物の損壊があったときは、その車のドライバーその他の乗務員は、直ちに車両などの運転を停止して、負傷者を救護しなくてはなりません。
道路における危険を防止するなど、必要な措置を講じる必要があります。
つまり、ドライバーはこれに対する相応の方法を習得しておかなければなりません。
それが、応急救護です。
そのため、道路交通法施行令第108条の2第1項に規定されている特定教習には「応急救護」の項目が含まれており、運転免許を取得する際に受講を義務づけられているのです。
免許証は試験場で本免試験合格後に、「取得時講習」を受けてから交付されます。
ここで応急救護処置の講義が行われますが、仮免許取得後に「特定教習」を終了していれば、「取得時講習」が免除されることになっています。
運転免許試験に合格しても、どちらかの講習を受講しないと免許証は交付されません。
交通事故が発生したら、まず行わなければならないのは負傷者の救護です。
これは道路交通法に定められている義務であり、怠ると処罰の対象になることを忘れてはいけません。
ここでは、どのような講師に教わるのか、また応急救護の教習内容についてご説明します。
教習所の応急救護の講習では、人命の大切さを認識し、交通事故発生直後から救急隊などの到着までの間に負傷者に対しての救命処置および応急的な手当の方法を学びます。
そこには、気道の確保、人工呼吸、心臓マッサージ(胸骨圧迫)、止血法の訓練が含まれます。
つまり、これらの指導員としての認可を受けた人が指導します。
必要不可欠な講習内容ですが、以下のような資格保持者は応急救護の教習は免除されます。
実際にどのような講習を受けるのか具体的にご説明します。
講習は、座学と実技に分けて行われます。
まず、交通事故による負傷者を救護するために必要な知識を学びます。たとえば心肺蘇生、自動体外式除細動器(AED)の使用、止血などの救護処置などです。なお教本は指導要領に基づき、わかりやすくまとめてあります。
応急救護処置講習に、必要な装置です。受講生1〜2人のグループの場合は「大人全身」1体、3人以上のグループの場合は「大人全身」2体、または「大人全身」1体および「大人半身」1体を使用します。
なお、講師1人につき「大人全身」1体以上の割合で、全身の模擬人体装置を使用します。
原則として、1つのグループにつきAEDトレーナー1台です。
これらの教材を使って応急救護処置や一般的な留意事項についての話から、
について講義を受けます。
これらの講義を聞いたあとは、実技に移ります。
具体的には模擬人体装置を使用して講義で学んだ現場での対応や、一次救命処置、止血法を実践します。実習を行ったあとは、グループでディスカッションを行います。
講義と実技は3時限(1時限50分)行うことが求められ、講習と実技は連続して行うように定められています。
この応急救護処置に限った試験ではありませんが、教習所の卒業試験前に効果測定が行われます。
特定教習の受講者の場合は、この終了証を提示して受験することにより、 免許試験合格後に免許証の即日交付が受けられます。
現在、運転免許の取得時に心肺蘇生などの「応急救護処置講習」の受講が義務づけられ、「応急救護処置」について学んだことがある人は徐々に増えつつあります。
しかし残念なことに、事故現場で応急救護処置を行ったドライバーは少ないという調査結果もあります。
受講してから随分時間が経ってしまったという方は、(社)日本交通福祉協会や日本赤十字社、各地の消防署などが実施する講習を再度受講してみてはいかがでしょうか。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2020年5月時点の内容です。
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