立体駐車場は、限られたスペースでも多くの車を収容できるメリットがあります。しかしミニバンやSUVなど車高の高い車は、高さによっては入庫できない場合も少なくありません。立体駐車場の高さ制限や、立体駐車場での事故などについてご説明します。
立体駐車場とは、建築物や機械装置によって駐車場を多層化または立体化した駐車場のことをいいます。
立体駐車場は、目的の階まで自走して駐車する自走式駐車場とエレベーターのように、駐車装置を操作し、入出庫を行う機械式駐車場の2つに大きく分けられます。
駐車スペースのある目的階までスロープなどを利用して、自分で車を運転し、駐車する方式です。駐車台数が数十台から百台単位の大規模なものに多く採用されています。
駐車装置を操作し、車を移動させて出し入れします。
車を載せて搬送するパレットと呼ばれる台ごとモーターや、油圧機構などで駐車場所に搬送する方式で、2〜3台から20〜30台程度の規模のものに多く採用されています。
機械式駐車場は、さらには以下のように分類することができます。
駐車させる搬器を2段または3段以上に配置し、搬送しスペースを多層化している方式です。
タワー式駐車場は、おもにショッピングセンターやホテルなど大規模な施設の駐車場で採用されることが多いです。車をパレットにのせると、外からは見えないタワーの中でパレットが循環し、移動します。
駐車場は、その駐車場を使用できる自動車の種類に応じて、サイズ制限を設けています。駐車場の駐車ますの幅と奥行きは、小型車用で2.3m×5.0m以上、普通車用で2.5m×6.0m以上を原則としています。
つづいて自走式駐車場、機械式駐車場、それぞれの車両の制限などについて見ていきましょう。
自走式駐車場は、建築基準法などの規制が適用され、用途地域ごとに建築できる規模が異なります。国土交通大臣により認定を受けた自走式駐車場の積載荷重は車輌総重量2トンまたは2.5トンまでとなっています。
機械式駐車場は前述の自走式駐車場に比べ、駐車できる車両の条件が厳しくなります。
車高、車長に加え、車幅、車重についても制限があります。制限は駐車場によって異なりますので、駐車場の管理規約などを事前にしっかりと確認しましょう。
機械式立体駐車場では、155cmの高さ制限を設けているものもあります。最近の車は特に、車高の高いハイルーフの車が多くなっており、機械式駐車場が使えないというケースも多いようです。
また、機械式駐車場にもよりますが、車高だけでなく、車幅やタイヤの幅にも注意が必要です。
自分の車のタイヤが大きかったり、特殊なタイヤを装着したりしているような場合は駐車場の管理者に確認するようにしましょう。
限られたスペースでも効率よく駐車できる立体駐車場ですが、さまざまな事故が発生しています。
自走式立体駐車場では入出庫時の後退の動作が不規則に発生するということ、マンション内の機械式立体駐車場では居住者自ら入出庫時の操作を行うこと、などが要因として挙げられます。
それぞれの事故例を見てみましょう。
機械式立体駐車場における利用者などの死亡・重傷事故は、2007年度以降2016年6月末までに少なくとも32件(うち死亡12件)が発生しており、子どもが亡くなる痛ましい事故も3件発生しています。
また、事故の発生場所の約半数以上がマンションの機械式駐車場での事故が占めるなど、駐車場利用者が駐車装置を操作するときに多くの事故が発生しています。機械式立体駐車場の重大事故は、以下のような場合に発生しています。
その他乗降室内への閉じ込め、車両の入出庫時の衝突なども発生しています。
特にマンションなどの専用駐車場で、利用者が自ら操作する際、装置内に人がいないかどうかの確認不足を要因とする重大事故が多く発生しています。
2007年度 | 1(0) |
---|---|
2008年度 | 5(1) |
2009年度 | 2(1) |
2010年度 | 5(1) |
2011年度 | 2(1) |
2012年度 | 8(4) |
2013年度 | 3(2) |
2014年度 | 2(1) |
2015年度 | 4(1) |
合計 | 32(12) |
機械式駐車場の場合は、車を大きな力で移動、格納させているので事故が起きると重大事故につながります。運転者以外の方が装置の中に入らず、機械を操作するときには、入念に装置内や付近に人がいないかどうかの確認を行いましょう。
立体駐車場には、自分で駐車場所まで走行する自走式駐車場と、マンションなどにとって駐車台数を効率よく確保できる機械式駐車場があります。
それぞれ駐車できる車両の制限がありますが、車をパレットにのせて収納する機械式駐車場は、自走式駐車場に比べて制限が細かく規定されています。また、駐車の際、はみ出すことも構造上許されないので、駐車時にも注意が必要です。
立体駐車場を利用する際は、利用する駐車場のサイズ、ご自身の車のサイズをしっかり把握し、事故がおきないよう、慌てずゆっくり操作することが大切です。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2024年3月時点の内容です。
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