交通違反をした際の、「反則金」と「罰金」の違いをご存じでしょうか。
「交通反則通告制度」という制度に基づき、比較的軽微な交通違反に対する行政処分として科されるのが「反則金」です。一方、重大な交通違反に対して刑事処分として科される違反金を「罰金」といいます。
「反則金」と「罰金」はよく混同されますが、それぞれ対象となる交通違反や、その法的な性格が異なります。
交通違反をした場合に支払わなければならない違反金は、違反の内容によって「反則金」と「罰金」に分類されます。このうち反則金とは、「交通反則通告制度」に基づいた行政処分として科される制裁金(過料)のことです。
具体的には、軽微な交通違反については「反則行為」に該当し、反則金の対象になります。
駐停車違反、信号無視、一時停止違反、速度超過(30km/h未満)、整備不良など
一方、罰金は刑事責任を問う「刑事罰」であり、懲役刑や禁錮刑と同様の位置付けのものです。
危険運転致死・酒酔い運転・麻薬等運転・無免許運転などにより、刑事事件として立件された場合、罪状が確定すると、罰金刑や懲役刑といった刑事罰が科されます。
反則金は、刑事罰ではなく、行政責任を問う「行政罰」にあたり、反則金を支払うと刑事手続きが免除されます。行政罰の法的性格は、道路交通の安全性を確保するための一種の制裁金というものです。刑事罰と異なり、行政罰の場合は前科が付きません。
刑事責任 | 行政責任 | |
---|---|---|
目的 | 法律による社会秩序の維持 | 道路交通の安全性確保 |
処罰 | 刑事罰 | 行政罰 |
処罰の内容 | 罰金、禁錮、懲役など | 反則金、免許停止、免許取消し |
繰り返しになりますが、反則金とは、「交通反則通告制度」に基づいた行政処分です。交通違反を起こした場合、通常であれば刑事手続き(裁判後の刑罰)が進められ、公訴提起(少年の場合は家庭裁判所の審判)がなされます。
しかし、自動車の運転者(軽車両を除く)の違反行為のうち、比較的軽微な交通違反については、反則金を納付することで、刑事裁判や家庭裁判での審判を受けずに事件が行政手続きとして処理されます。
これが交通反則通告制度です。このような制度が設けられている背景には、軽微な交通違反については、簡単で素早く案件を処理する狙いがあります。
すべての交通違反について刑事責任を追及するのではなく、交通反則通告制度を設けることで、警察や裁判所、ドライバーの負担を減らすことができます。
交通反則行為に該当する交通違反をすると、警察官から交通反則告知書を交付され、同時に「反則金仮納付書」(以下「仮納付書」)が渡されます。
仮納付書は青い色の書類なので、通称「青切符」と呼ばれます。反則金を納付する際のルールを見ておきましょう。
仮納付の期限は、交通反則告知書を受け取ってから8日以内です。期日内に銀行(地方銀行、都市銀行、相互銀行、信託銀行、信用金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫の本店、支店)または郵便局で反則金を納付すれば、手続きは完了します。
このように反則金の納付場所は、銀行・郵便局です。納付できるのは銀行・郵便局の窓口が開いている平日の時間帯になり土日祝日は支払いができないので注意が必要です。
税金や公共料金など、コンビニエンスストアはさまざまな支払いに対応しています。しかし、反則金については、現在のところコンビニエンスストアでは納付できません。
※2024年2月現在
反則金の分割払いはできません。
かならず一括で納付しなければなりません。
反則金の支払いには上のとおり期限があります。
この期限内に納付をしなかった場合の取り扱いは、以下のとおりです。
反則金の納付を忘れて仮納付書の期限が過ぎてしまった場合は、反則金納付の「通告」を受け、新たな納付書の交付を受ける必要があります。この通告書と納付書を交付するのが各都道府県警察の「交通反則通告センター」です。
具体的には「交通反則通告センター」に出頭し、通告による反則金の納付期限が経過してしまった旨を申し出て、通告書と納付書を受け取ります。通告書と納付書を受け取り、その日を含めて11日以内に銀行、郵便局に行って反則金を納付しなければなりません。
遠方で交通反則通告センターに行くことができない場合は、郵送で通告書と納付書を受け取ることができます。
出頭日に来られなかった方には、交通反則告知書を渡された日から、おおむね1ヵ月後に新たな納付書と通告書が書留郵便で送付され(これを「送付通告」といいます)、それにより納付することができます。
ただし、この場合には、郵送料が反則金に加算されます。なお、「出頭日に出頭したいけれど、当日は都合があって無理」という場合には、出頭日後数日以内であれば、通告書を受け取ることができます。
まずは、窓口となる交通反則通告センターに相談してください。
反則金の納付は法律的性格上、任意とされています。ただし、通告を受けても反則金を納付しないと、道路交通法違反事件として刑事手続きに移行します。
検察官が起訴すれば裁判を受ける(少年の場合は家庭裁判所の審判に付される)こととなり、裁判官により違反行為があったと判断されれば、刑事罰が科されることになります。青切符の反則金は納めなくても大丈夫と思っている方もいるようですが、事実ではありません。
警察は、交通裁判未出頭者や交通違反の反則金未納者への追跡捜査を強化しています。過去には、警視庁が500人を超える交通違反長期未出頭者に対して一斉に逮捕状を取ったという例もあります。
交通違反の反則金や交通反則通告制度について、ご説明してきました。反則金の納付場所は、銀行・郵便局となっていて、コンビニエンスストアやATMでの納付はできません。
納付ができるのは平日の銀行・郵便局の窓口が開いている時間帯になります。また、納付場所が限られているので気をつけましょう。
最後に、車を所有されている方は、チューリッヒの自動車保険をぜひご検討ください。
万が一の車の事故・故障・トラブルに備えておくと安心です。
※記載の情報は、2024年2月時点の内容です。
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