更新日:2024年5月23日
公開日:2020年4月30日
バイクのマフラーとは、バイクの消音と排気効率を高める役割を持つパーツで、サイレンサーは、そのマフラーを構成するパーツの一部です。バイクを長期間利用していると、マフラー本体に傷がついてしまうため、交換を考えるタイミングも出てきます。
適切なタイミングで交換できるように、バイクのマフラー・サイレンサーのしくみを理解していきましょう。
ポイント
マフラーには「音の低減」と「排ガスの抑制」の役割があり、以下の2種類にわかれます。
| スリップオンマフラー |
マフラーの排出口部分であるサイレンサーのみを取り替えることのできるマフラー
|
|---|---|
| フルエキゾーストマフラー |
エンジンの取り付け部分にあるエキゾーストパイプから、出口部分のサイレンサーまでを含んだマフラー
|
なお、サイレンサーとは、マフラーのパーツのひとつであり、排ガスの出口に付けて排気音を低減する役割があります。
バイクのマフラーは、フランジ・エキゾーストパイプ・サイレンサーの3つのパーツで構成されています。
エンジンで発生した排ガスは、エキゾーストパイプを通過。そして、サイレンサー内で膨張や収縮などを繰り返して音の圧力波を減衰し、音量を下げています。
また、マフラーのなかにはフランジとエキゾーストパイプが一体化したタイプや、エキゾーストパイプとサイレンサーが一体化したタイプもあります。
サイレンサーとは、マフラーを構成するパーツの一部で、排気口付近に装着されています。「消音器」という意味を持つサイレンサーの役割は、排気音を消音する役割があり、通称「タイコ」とも呼ばれています。
サイレンサーの効果は、バイクの排気音を静かにすることです。バイクや車の騒音規制が年々厳しくなるなか、サイレンサーがしっかり機能しないまま運転すると、5万円以下の罰金、違反点数2点が科されるため注意しましょう。
また、サイレンサーはマフラー内の排気をスムーズにすることで、排気効率を高める効果もあります。排気抜けのよいサイレンサーを選ぶと、エンジンがスムーズに回転するようになりますが、排圧がかからなくなることでトルクが下がる場合もあります。
サイレンサーは、いくつもの穴が開いた金属パイプの周りに、グラスウールなどの消音が巻き付けられています。エンジン内で発生する排出ガスが、サイレンサー内を通ることで圧力と温度が下がり、排気音を小さくするしくみです。
バイクのサイレンサーの構造には「ストレートタイプ」と「隔壁タイプ」の2種類があります。それぞれの特徴は下の表のとおりです。
| サイレンサーの種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ストレートタイプ | 軽量になりやすい | 静粛性が低い |
| 隔壁タイプ | 重量になりやすい | 静粛性が高い |
ストレートタイプは、排ガスの抜けを重視した構造のサイレンサーです。排ガスの侵入から開放までのパイプがまっすぐになっています。
部品数が少なく、隔壁タイプと比べて素材も薄いため、サイレンサー本体を軽量化できます。一方で、ストレート構造であるがゆえに消音材に吸収されない圧力波が多く発生するため、静粛性はあまり期待できません。
隔壁タイプは、性能よりも静粛性を重視しています。「隔壁」と呼ばれる壁で3〜4つ程度に仕切った部屋を設けており、サイレンサーに入ってきた高圧・高熱の排ガスは、それぞれの部屋を順番に通過していきます。
サイレンサー内の各部屋の通路は細いパイプ状になっており、排ガスは新たな部屋に入るたびに少しずつ膨張し、圧力と熱をなくしていきます。排ガスが大気中に排出される頃には、エネルギーが削ぎ落とされるため、静粛性が期待できます。
排ガスの持つ高圧・高熱のエネルギーを受け止めるためには、隔壁やサイレンサーのボディの素材は強固かつ厚みが必要です。そのため、重量が重くなる傾向があります。
バイクのサイレンサーを使用するときは、以下に注意しましょう。
バイクのサイレンサーを自分で取り付ける場合は、ボルトに緩みがないようしっかり固定しましょう。また、走行を重ねるうちに緩んでしまうことも多いので、定期的な確認も必要です。
サイレンサーを固定するボルトが緩んでいる場合、排気により外れてしまう可能性もあり非常に危険です。事故につながる恐れもあるため、ボルトに緩みや腐食などの不具合がないか、こまめに確認するようにしましょう。
サイレンサーを長期間装着していると、サビなどにより固着する恐れがあります。長く使用するためにも、保管時にバイクカバーをかけて雨風があたらないような工夫をしましょう。
また、消音効果が落ちてきたと感じる場合は、サイレンサー内のグラスウールなどの消音材を交換することで、消音効果が回復するケースがあります。なかには交換できない場合もあるため、製造メーカーに問い合わせてみましょう。
インナーサイレンサーはネジで簡単に取り付けるだけで消音効果が高まるアイテムです。しかし、容易に着脱できるインナーサイレンサーを取り付けられるマフラーは保安基準を満たさないため、車検に通りません。
スリップオンマフラーの場合、バイクのサイレンサーのみを取り替えるという手軽なカスタマイズが可能です。一方、フルエキゾーストマフラーの場合は、エキゾーストパイプの取り替えも必要となるため工数も増え、自分で交換することが難しくなります。
なお、交換にあたって整備士が取り付けを担当した場合を除いて、すべて製品保証外となる点に注意しましょう。自分で取り付けを実施し車体や製品の破損、また走行時に部品が脱落することで事故を起こした場合などは自己責任となります。
保証面を考慮すると業者へ依頼することをおすすめしますが、ここでは安価かつ自分で手軽にできる、スリップオンマフラーでの交換(サイレンサーのみの交換)の手順を説明します。
交換作業に取り掛かる前に、必要な工具を準備しましょう。スリップオンマフラーでの交換に必要なものはそこまで多くはなく、以下を準備しておくと問題なく作業可能です。
純正マフラーのなかには、マフラーとエキゾーストパイプが一体化しているタイプもあるため、取り外す前に確認をしましょう。取り外しが可能なサイレンサーは、固定されているボルトやナット類を外すことで、簡単に取り外せます。
固定ボルトやナット類をすべて取り外したら、サイレンサーを後方に引き抜きましょう。取り外したサイレンサーが落下しないよう、慎重に作業を行うことがポイントです。
また、連結部分のエキゾーストパイプには汚れが蓄積していることも。しっかり確認をして、パーツクリーナーを吹きかけたウエスを使い、汚れを取り除いておきましょう。
新しいサイレンサーは、取り外し時と逆の手順で取り付けていきます。排気漏れ防止のために、差し込み前に、新品のガスケットを忘れずに取り付けましょう。
エキゾーストパイプに連結させ、外したボルトやナット類を使って装着すると完了です。
取り付けが完了したら、エンジンをかけて約3,000回転をキープし、サイレンサーの差し込み部分から排気が漏れていないか、手を近くに当てて確認します。ただし、エンジンをかけた状態のサイレンサー周りは高温になるため注意しながら確認してください。
排気漏れがある場合は、ガスケットを取り替えるかボルトやナット類の締め直しを行いましょう。
バイクのマフラーは交換することでしっかりとメリットを感じられます。また、適切な交換のタイミングを見計らうことも重要なため確認していきましょう。
マフラーを交換することで外観の好みを変えられることはもちろん、音質・音量のカスタマイズも可能です。マフラーの内部構造によって排気音の音質や音域も変化するため、好みの排気音を選べます。
また、純正マフラーから軽いチタン製のマフラーに交換することで、バイクを軽量化できたり、排気効率をアップできたりするため、走りのパワーもアップするでしょう。
純正マフラーがスチール製の場合は、ステンレス製に交換することでサビを防止する効果も高まります。このように、マフラーを交換することでドレスアップ効果と走行性能のアップを期待できるのです。
バイクのマフラーに損傷やサビなどによる腐食があれば交換のタイミングです。
道路運送車両法では、126cc以上のバイクのマフラーは、取り付けの緩みや傷の有無を1年ごとに点検する義務があるため忘れずに行いましょう。
自分の好きな音質や外観にカスタマイズできるバイクのマフラー。マフラーを交換することで、好みのバイクにドレスアップできるだけではなく、走行性能アップも期待できます。
しかし、社外マフラーに交換する場合、保安基準を満たしていないマフラーでは車検を通すことができません。交換するマフラーは保安基準適合品を選ぶようにして、快適なバイク生活に活用しましょう。
マフラー交換による加速性能向上を期待するユーザーが多いですが、それならばスプロケットの丁数を変更するほうが安価で手軽です。マフラー交換の目的は素材変更による錆防止や軽量化がメインであることを理解したうえで実施しましょう。
※記載の情報は、2024年5月時点の内容です。
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