更新日:2024年4月26日
公開日:2023年1月6日
バイクのタイヤには、ラジアルタイヤとバイアスタイヤの2種類があります。大きな違いは構造にあり、それぞれ得意とする用途が異なります。バイクや用途に合わせて適切に選ぶことで、走行時の快適性を上げることが可能です。
ラジアルタイヤとバイアスタイヤの構造の違いやメリット・デメリットをご説明します。
ポイント
バイクのタイヤには「ラジアルタイヤ」と「バイアスタイヤ」の2種類があります。ラジアルタイヤとバイアスタイヤの大きな違いは「構造」です。
それぞれの特長を説明します。
ラジアルタイヤとは優れた耐摩耗性能を発揮する「ラジアル構造」を採用したタイヤです。
ラジアルタイヤは、舗装された路面での使用に適しています。高速での乗り心地がよく、安定して走行できるため、サーキットでのスポーツ走行や、パワーのある車両での走行に適したタイヤです。
400cc以上のスポーツバイクの大半はラジアルタイヤを採用しています。車の場合も、一般的な乗用車のほとんどがラジアルタイヤです。
バイアスタイヤは「バイアス構造」を採用したタイヤです。
バイアスタイヤは、ラジアルタイヤと比較して、高い荷重への耐性や悪路に強く設計されていることが特長です。比較的低速での走行を想定したツーリング用のモデルなどに採用されています。
バイアスタイヤのなかには、通常より剛性が強化された「ベルテッドバイアスタイヤ」もあります。ベルテッドバイアスタイヤは、タイヤを内部からベルトで補強していることが特長です。
バイアスタイヤが採用されているバイクは、原付やオフロードバイク、250tクラスのスポーツバイクなどです。また、重量の大きいバイクでの低速走行などでも力を発揮するため、ハーレーダビッドソンなどのクルーザーモデルにも採用されています。バイクの他にも、産業車両や建築車両、農業用機械などで使用されています。
ラジアル構造とバイアス構造は、カーカスというタイヤの骨組みにあたる層の向きが異なります。
構造の違いを詳しく見ていきましょう。
ラジアル構造は、カーカスがタイヤの中心から放射状に配置された構造です。ラジアルとは「放射線状の」を意味します。
タイヤの中心にある走行面をカーカスが真横に横切り、その上から回転方向面に巻かれたベルト(補強層)でカーカスを締め付け、固定していることが特長です。
バイアス構造は、カーカスをタイヤの回転に対して斜めに配置している構造です。
カーカスを斜めに配置しているため、一枚はねじれており、内部のねじれを防止するため、異なる方向に複数枚重ねています。正面から見ると着物の合わせのように見えることが特徴です。
ラジアルタイヤのメリット・デメリットを見てみましょう。
タイヤの側面が柔軟な作りになっているラジアルタイヤは、安定して路面を掴めるため、高速走行時の乗り心地のよさが魅力です。またバイアスタイヤと比較して燃費性能がよい点もメリットといえるでしょう。
ラジアルタイヤは性能面のメリットが多い一方で、価格はバイアスタイヤよりも高い傾向があります。また、悪路や低速での乗り心地、荷重への耐性はバイアスタイヤのほうが優れています。
続いて、バイアスタイヤのメリット・デメリットを見てみましょう。
バイアスタイヤは低速走行時の乗り心地が安定しているので、中程度の排気量のバイクに装備するのに適しています。重量の大きいバイクや悪路での走行で力を発揮します。また、構造がシンプルである分、価格はラジアルタイヤと比較してリーズナブルです。
バイアスタイヤは低速走行に優れていますが、高速走行時の快適性や安定性はラジアルタイヤに劣ります。使用するカーカス枚数が多い構造であるため、ラジアルタイヤと比較して寿命が短い傾向があります。
ラジアルタイヤとバイアスタイヤの見分け方は、タイヤ本体の側面に刻印されているサイズや種類などの表記を確認する方法があります。
ラジアルタイヤ・バイアスタイヤともに、以下の情報が表記されています。
実際の表記例を見てみましょう。
ラジアルタイヤは、ラジアル構造表記に「R」または「ZR」と表記されています。
バイアスは、バイアス構造表記に「−(ハイフン)」と表記されています。
ラジアルタイヤ | バイアスタイヤ | |
---|---|---|
構造的特長 | カーカスが放射状に配列されている | カーカスが斜めに配列されている |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
得意な用途 |
|
|
適した車両 |
|
|
表記の見方 | ラジアル構造表記に「R」または「ZR」と表記されている | バイアス構造表記に「−(ハイフン)」と表記されている |
ラジアルタイヤは、製造後3〜5年程度が寿命だといわれていますが、保管方法によっても左右されます。
タイヤの溝が1.6mm以下での使用は法律で禁止されており、スリップサインが出る前に早めに交換することが大切です。ひび割れが発生してきたら業者に相談してみましょう。
ラジアルタイヤの寿命を延ばすには、おもに以下3つの方法があります。
タイヤは空気圧が高すぎても、低すぎても寿命に影響するといわれています。定期的に空気圧を確認し、適切な空気圧をキープしましょう。
また、直射日光の当たる場所や、高温になったアスファルトの上などに長時間保管すると、タイヤが劣化しひび割れなどを起こしやすくなります。タイヤの寿命を延ばすには、直射日光や雨のあたらない場所など、保管場所に気を配ることが重要です。
急ハンドル、急加速、急ブレーキを避けることは、タイヤの寿命を延ばす目的だけでなく、安全に走行をするためにも大切です。
ラジアルタイヤとバイアスタイヤは、それぞれメリット・デメリットがある他、得意とする用途が異なります。タイヤを選ぶ際には、特長を把握したうえで、使用用途や車種に合わせて選ぶことが大切です。
用途にあったタイヤを使用することで、乗り心地を改善し、快適に走行できるようになります。自分のバイクに合うタイヤを選び、適切な走行を心掛けましょう。
常に地面に接地する部分なのでタイヤの役割は大きなものです。どんなに優れたタイヤであっても摩耗してしまえば性能は失われていきます。背伸びして高価で高性能なタイヤを購入するよりは、定期的に交換する方が結果的には常によい状態で走行することができます。スタンドで給油する際には空気圧も定期的にチェックするようにしましょう。
※記載の情報は、2023年3月時点の内容です。
構造の違いです。ラジアルタイヤは、カーカスがタイヤの中心から放射状に配置された構造で、バイアス構造は、カーカスをタイヤの回転に対して斜めに配置した構造になっています。
ラジアルタイヤは、高速での乗り心地がよく安定して走行できるため、サーキットでのスポーツ走行や、パワーのある車両での走行に適しています。
インターネットから申し込むと、
初年度最大10,000円割引※