更新日:2023年8月30日
公開日:2020年10月22日
自賠責保険とは、自動車損害賠償補償法によってすべての自動車に加入が義務付けられている強制保険です。
自賠責保険に加入していない自動車を運転すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるとともに、免許停止処分を受けることになります。
自賠責保険は、交通事故にあった被害者を救済することを目的とされているため、運転者自身への補償が存在しません。そのため、運転者や同乗者への補償を充実させるためには、任意保険をあわせて活用することが大切です。
自賠責保険の補償内容と保険料、任意保険との違いなどを簡単にわかりやすく説明します。自動車の購入を検討している方は参考にしてみてください。
※チューリッヒでは、自賠責保険を取り扱っておりませんのでご注意ください。
自賠責保険とは、交通事故にあった被害者を救済することを目的とされている強制保険です。正式には「自動車損害賠償責任保険」といいます。
自賠責保険は、公道を運行する以下の車両に加入が義務付けられています。
自賠責保険の加入義務は、自動車損害賠償保障法(自賠法)によって定められており、自動車を保有している人すべてに加入が義務づけられている保険です。
未加入の自動車を運転することは違法行為です。加入が義務付けられていることから「強制保険」と呼ばれることもあります。
自賠責保険は、交通事故の被害者を保護することが目的です。そのため、自賠責保険に加入していると、示談が成立する前であっても加害者が加入している自賠責保険会社に「被害者請求」として損害賠償を請求できます。
自賠責保険に加入していない自動車を運転すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるとともに、免許停止処分を受けることになります。また、自賠責保険に加入している場合でも、自賠責保険証明書を携帯せずに走行した場合は30万円の罰金が科せられます。
自賠責保険証明書を紛失した場合は、自賠責保険を契約した保険会社や販売店に依頼することで再発行が可能です。自賠責保険証明書がない状態で運転すると、罰則の対象となるので書類が届くまで運転を控えましょう。
自賠責保険に加入していない自動車は、車検の検査基準を満たしていても車検証が交付されません。また、車検を受ける時点だけではなく、自賠責保険の保険期間が次回の車検期間までをカバーしている必要があります。
なお、車検が義務付けられていない250cc未満のバイクや原動機付自転車は、気づかないうちに自賠責保険の有効期限が切れてしまう可能性があるため注意が必要です。
自賠責保険の未加入状態にならないためにも、満期日を小まめに確認したり、販売店に更新時期の連絡を依頼したりするなどの対策をしておきましょう。
自動車の譲渡や売買によって自賠責保険の名義が異なる場合は、車検前に名義変更をしておかなければなりません。名義変更をする際は、自賠責保険を契約した保険会社や販売店に依頼しましょう。
自動車事故にあった被害者の救済を目的としている自賠責保険は、対人事故のみが補償対象となります。対人事故による支払限度額は、下表のように設定されています。
損害の種類 | 支払限度額(被害者1名につき) |
---|---|
傷害による損害 (治療費/看護料/諸雑費/通院交通費/義肢等の費用/診断書等の費用/文書料/休業損害/慰謝料) |
最高120万円 |
後遺障害による損害 (逸失利益/慰謝料) |
後遺障害の程度に応じた等級によって75万円〜4,000万円※
※神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合 |
死亡による損害 (逸失利益/慰謝料/葬儀費用) |
最高3,000万円 |
自賠責保険の保険金は、障害・後遺障害・死亡のそれぞれで、支払基準は金融庁および国土交通省が定めた「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」に従って支払われます。
自賠責保険の支払限度額以上の損害賠償請求が行われた場合は、加害者が差額を負担しなければなりません。この負担に備えるおもな手段として任意保険が活用されます。
万が一事故にあい、保険金を請求する際は、自賠責保険を契約している保険会社に請求書類を提出し、損害保険料率算出機構による損害調査や保険金額の算出が実施された後に支払われることとなります。
しかし、治療費の支払いのように被害者がすぐに保険金を必要とする場合は「仮渡金(かりわたしきん)」として、治療が終了する前に受け取ることも可能です。
自賠責保険の保険料は、下表のように車両種別と保険期間によって異なります。
12ヵ月 | 13ヵ月 | 24ヵ月 | 25ヵ月 | 36ヵ月 | 37ヵ月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
自家用乗用車 | 11,500円 | 12,010円 | 17,650円 | 18,160円 | 23,690円 | 24,190円 |
軽自動車 (検査対象車) |
11,440円 | 11,950円 | 17,540円 | 18,040円 | 23,520円 | 24,010円 |
小型二輪 (250cc超) |
7,010円 | 7,150円 | 8,760円 | 8,910円 | 10,490円 | 10,630円 |
軽二輪 (125超250cc以下) |
7,100円 | - | 8,920円 | - | 10,710円 | - |
原動機付自転車 (125cc以下) |
6,910円 | - | 8,560円 | - | 10,170円 | - |
※2023年4月1日以降に保険の有効期間を開始した保険契約に適用されます。
※離島(沖縄県を除く)を除きます。
国土交通省 自賠責保険ポータルサイト「自動車損害賠償責任保険料(共済掛金)表」をもとに表作成
※2023年4月執筆現在
自動車事故に備えるための保険は、自賠責保険と任意保険に大別されます。これらの保険は、補償範囲や加入義務、保険料などの違いがあります。
自賠責保険には、他人にケガをさせたり、死亡させたりした場合の補償はありますが、被害者以外への補償はありません。そのため、運転者や同乗者などに対する補償を充実させるためには、任意保険をあわせて活用しましょう。
なお、自動車事故では対人補償だけでなく、相手の車両や電柱やガードレールなどの周辺設備への対物補償も必要とされるケースがあります。これらの損害賠償に備えるためにも任意保険の加入が欠かせないものとなるのです。
任意保険では、補償範囲や保険金額を自由に設定できるので、自賠責保険で賄えきれない部分を補う目的で加入するとよいでしょう。
自賠責保険がすべての自動車が加入する強制保険である一方で、任意保険は加入する義務がありません。ただし、自賠責保険で補償しきれない事故が発生した場合は、自身で損害賠償をしなければならないため注意が必要です。
たとえば、死亡事故によって1億円の損害賠償が請求された際は、自賠責保険の支払限度額の3,000万円を差し引いた7,000万円を自己負担することとなります。
なお、自賠責保険に未加入の自動車を運転すると、懲役や免許停止などの罰則が与えられるので、自賠責保険に加入したうえで運転するようにしましょう。
自賠責保険は、損害保険料率算出機構が車両種別と地域ごとに定めているため、契約者の年齢や車種によって保険料が変動することはありません。一方、任意保険は記名被保険者の年齢や車種によって保険金額が異なるのが特徴です。
補償範囲や保険金額が自由に設定できる任意保険は、契約内容によっても保険料が大きく変わります。保険料はなるべく抑えたいところですが、万が一の事故で必要な補償が受けられるように設定しておくことが重要です。
自賠責保険は、以下の店舗で加入手続きができます。ただし、250cc以下のバイクや原付以外は、コンビニと郵便局での加入ができないので注意しましょう。
※チューリッヒでは、自賠責保険を取り扱っておりませんのでご注意ください。
なかには、自賠責保険の手続きを取り扱っていない店舗も存在します。加入手続きをする際は、事前にウェブサイトなどで確認しておくとよいでしょう。
仕事や家庭事情で店舗の営業時間内に手続きができない方は、インターネットでのオンライン申請がおすすめです。
24時間手続きができる保険会社もあるので、ご自身の都合にあわせて利用できます。ただし、自賠責保険証明書とステッカーの受け取りが後日となるので、すぐに受け取りたいのであれば店舗での手続きをおすすめします。
※記載の情報は、2023年4月時点の内容です。
自賠責保険に未加入の状態で自動車を運転すると、罰金や懲役、免許停止などの罰則を受けることとなります。自賠責保険は、すべての損害賠償に備えられるわけではないため、任意保険(自動車保険)とあわせて検討していくことが大切です。
自賠責保険には等級制度がないため、等級が下がることはありません。
必要ありません。
保険期間が1ヵ月以上あれば、解約返戻金還付金が受け取れます。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、チューリッヒの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
※チューリッヒの自動車保険に関する内容について
本記事内で紹介しているチューリッヒの自動車保険に関する内容につきましては、ご契約の保険始期および契約条件によって、ご契約のお客さまに適用されない場合がございます。
必ずお客さまの保険証券、約款、重要事項説明書の記載などをご確認ください。
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