更新日:2024年9月17日
公開日:2020年10月5日
引越しをしたときは、住所変更手続きなど役所でさまざまな手続きを取る必要があります。自動車の車庫証明の住所変更手続きもその一つです。
もし手続きを怠り、いつまでもそのままにしていると罰則に問われることもあるので必ず期限内に行うようにしましょう。引越しをした際の車庫証明の手続きについてご説明します。
自動車の保管場所の確保等に関する法律第7条により、引越しをした場合は車庫証明の住所変更手続きを15日以内に行わなくてはいけません。
車庫証明書は手続き後すぐに交付されるものではなく、7日程度かかることもあります。
車検証の住所変更も住所が変わってから15日以内に行う必要がある(道路運送車両法第12条1項)ことを考えると、引越し後少なくとも1週間以内には車庫証明の住所変更手続き(再取得)をするようにしましょう。
自動車の購入時などと同じく、引越し時も車庫証明の申請手続きは自動車の使用の本拠の位置を管轄する警察署で行います。
警察署の受付は、通常平日の午前9時から午後5時まで、正午から午後1時までは昼休みのことが多いようです。必ず事前に受付時間を確認して、時間的な余裕を持って行くようにしましょう。
なお警察署で申請手続きが終わったら交付日を知らせてくれます。交付日に再び車庫証明書を受け取りに行き、受け取ったらすべての手続きが完了します。
車庫証明は証明書の発行をしてもらうので、手続きとしては以前の車庫証明とは関係なく、新たに申請して再取得することになります。
車庫として認められる場所は、次の要件を満たす必要があります。
車庫証明の住所変更には、自動車保管場所証明申請書などを含め、以下の書類が必要となります。
自動車保管場所証明申請書 2通(軽自動車は保管場所届出書) | 車の保管場所を申請する用紙。 |
---|---|
保管場所標章交付申請書 2通 | 自動車に貼る標章の申請用紙。 |
保管場所の所在図・配置図 1通 | 保管場所の位置や配置図を示す書類。 |
保管場所使用権原疎明書面(自認書) | 自分が所有する土地に駐車する場合に必要な書類。 |
保管場所使用承諾証明書 | 駐車場を借りている場合に必要な書類。 |
駐車場の賃貸契約書のコピー | 駐車場を借りている場合に必要。 |
自動車の使用の本拠の位置を証明するもの | 住民票、運転免許証など新しい住所が確認できるもの。 |
収入印紙 | 申請用紙に添付するもの。 |
各種書類は、警視庁のウェブサイトからダウンロードできる他、警察署にも用意があります。
所有している自動車が軽自動車の場合は引越しをしたときに「保管場所の届け出」の住所変更手続きが必要になります。
ただし軽自動車は保管場所の届け出が必要ない地域もあるので、軽自動車の場合は車庫証明が必要な所在地かどうかも確認するようにしましょう。
車庫証明の住所変更などの手続きに関する手数料は以下のとおりです。
自動車保管場所証明書交付申請手数料(申請時) 2,100円
保管場所標章交付手数料 500円(車庫証明交付日に必要)
ただし、自治体によって金額が上下することがあるので、事前に確認しておきましょう。
賃貸アパートやマンションに引越した場合は、車庫証明の住所変更はどのように行うのでしょうか。
賃貸物件に引越した場合は、保管場所の所在図と配置図などを頻繁に発行することが多い不動産会社が必要書類を発行してくれる場合もあります。
ただし、発行手数料が必要になるケースもあるため事前に確認しておきましょう。
賃貸の駐車場の場合、車庫証明の必要書類に保管場所使用承諾証明書がありますが、地主や不動産会社に依頼すると手数料を取られる場合もあります。賃貸契約書のコピーで代用できる場合もあるので、警察署に問合わせてみましょう。
車庫証明の手続きは平日の夕方までに警察署に行って手続きをする必要があります。仕事で忙しくて時間がとれないという方もいるでしょう。
このような場合は家族など本人以外の方が手続きを行うことも可能です。その際は委任状も必要ありません。
家族や親族に代行をお願いする場合は、警視庁のウェブサイトから書類をダウンロードし、事前にすべての書類に記入をし、代理人には書類の提出だけをしてもらえばよいようにしましょう。
ただ代理人が書類を提出した際に書類の訂正を求められることがあります。
引越し後すぐに役所での住所変更手続きをはじめ、さまざまな手続きをする必要があります。
何かと慌ただしく、車庫証明の住所変更手続きを忘れがちです。しかし引越し後、15日以内に車庫証明の住所変更の届出を行わない場合は
自動車の保管場所の確保等に関する法律第17条3項1号により
罰金:10万円
が科せられる可能性もあります。
また車検証の住所変更手続きを取っていないと、自動車税や車検の通知が前の住所に届くことになり、車検期限や自動車税の納入を忘れてしまうといったことにもなりかねません。
引越しをした際は車検証の住所変更手続きを絶対に忘れないようにしてください。
引越して住所が変わっても同じ車庫を使用する場合も、車庫証明の再取得が必要になります。
車庫と認められる場所の要件には、自宅から2km以内の場所であることが含まれています。
従って、住所が変更になれば再度申請が必要となるのです。
車庫証明は車検証の変更をするために必要な書類です。駐車場の届出をして、それが認められた証明なので、駐車場か自宅、どちらを引越しても再取得が必要なのです。
引越しをしたときには、車検証の住所変更が必要です。そのためには車庫証明を再取得する必要があります。
車庫証明の住所変更(再取得)手続きは、本拠の位置を管轄する警察署で行うことができます。
車庫証明を再取得して、車検証の住所変更をせずにいると、罰金が科せられる場合があります。
引越しから15日以内に変更手続きを行うようにしましょう。
※記載の情報は、2024年9月時点の内容です。
1965年生まれ。芝浦工業大学工学部機械工学科卒。トヨタ直営販社の営業マン、輸入車専門誌の編集者を経て自動車ジャーナリストとして独立。さまざまな自動車雑誌の他、エンジニア向けのウェブメディアなどに寄稿している。
近著に『電気自動車用パワーユニットの必須知識』(日刊工業新聞社)、『エコカー技術の最前線』(SBクリエイティブ)、『図解カーメカニズム基礎講座パワートレーン編』(日経BP社)がある。
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員
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